上記のソロ作は1973年にリリースされたが、続いてその翌年に発表されたのがセカンド・ソロ作の本盤『ドーナッツ・ショップのウェイトレス(Waitress in the Donut Shop)』であった。タイトルも、演奏されている音楽も、そして何よりも彼女の声そのものが、主にアメリカ人のおじさんたちのリスナーを虜にするものだったんだろうと思う。“おじさんたち”というのは、聞こえは悪いが、別に悪い意味で言っているわけではない。雲の上な感じではなく、ある種、身近に感じられる女性シンガーが、音楽的バックグランドに裏打ちされた楽曲をしっかりと聴かせる。当然ながら、アーティスト側に相当な実力がないとできない芸当を、マリア・マルダーはさらりとやってのけているようにも見える。
4. I'm A Woman 5. Sweetheart 6. Honey Babe Blues 7. If You Haven't Any Way 8. Oh Papa 9. It Ain't The Meat It's the Motion 10. Brickyard Blues 11. Travelin' Shoes