音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2021年12月09日
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テーマ: 洋楽(3314)
“スーパーグループ”的なメンバー再会盤


 1965年にデビューしたザ・バーズは、やがて結束を失い、1968年末には分解状態となった。1973年には、メンバーが再会して短期間活動したものの、結局はその年のうちに解散してしまった。そこからさらに年月が流れ、1979年、オリジナル・メンバーのうちの3人によるアルバムが発表された。それが、本盤『マッギン、クラーク&ヒルマン(McGuinn, Clark & Hillman)』であった。

 この“再結成”的にも見える新たなユニットの誕生には、前哨となる出来事があったという。1977年、ロサンゼルスのトルバドゥールでのロジャー・マッギンのライヴにジーン・クラークがやってきて、2人が「霧の8マイル」を歌った。このトルバドゥールは、1964年、つまりザ・バーズ結成の年にマッギンがクラークに(さらにはデヴィッド・クロスビーにも)出会った場所であった。やがて、こうして再会した2人にクリス・ヒルマンが加わった。3人は1977~78年にかけて活動を共にし、翌1979年初頭にこの盤を発表するに至ったという経緯である。

 本盤の内容は、当然のことながらザ・バーズの再現というわけではない。けれども、ザ・バーズで実現しなかったことの続きを疑似体験する聴き手もいるのではないかと思う。三者三様の曲が並ぶが、それらは三者がぶつかり合うというよりは、共存し、時に融合するといった印象である。

 個人的な好みで注目の何曲か挙げてみたい。冒頭の1.「ロング・ロング・タイム」は、本盤の中でも特に気に入っているナンバーの一つで、さらりと流れていくような曲調とヴォーカルがいい。3.「ドント・ユー・ライト・ハー・オフ」は、マッギンらしい工夫されたサウンドと曲の展開がいい。クラーク作の5.「バックステージ・パス」は、一見すると地味な曲ではあるが、筆者的には案外こういうのが響いたりする。対して8.「サッド・ボーイ」はヒルマンらしい曲とヴォーカルで、彼が作り出すこういったR&Bや南部音楽に根差したロックの本領発揮のナンバーとなっている。最後の10.「バイ・バイ・ベイビー」はマッギンのペンによるナンバーで、一抹の寂しさを残すバラード。

 このように収録曲をいくつか見てくると、何だかばらばらの作品ではないかとの疑念を持つ人もいるかもしれない。けれども、上で書いたように、むしろそれは“共存”なのである。作風の違いはアルバムを通して聴いたときの抑揚になり、時にメンバーの力が融合するという、そういう点では実にバランスのよい(しかも微妙な均衡の上に成立している)作品と言えるのかもしれない。


[収録曲]

1. Long Long Time
2. Little Mama

4. Surrender To Me
5. Backstage Pass
6. Stopping Traffic
7. Feelin' Higher
8. Sad Boy
9. Release Me Girl
10. Bye Bye, Baby

1979年リリース。



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[枚数限定][限定盤]マッギン、クラーク&ヒルマン/マッギン、クラーク&ヒルマン[CD]【返品種別A】

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マッギン、クラーク&ヒルマン [ マッギン、クラーク&ヒルマン ]




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