音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2022年02月11日
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テーマ: 洋楽(3405)
死後10数年を経て世に出たお蔵入り盤


 兄リチャードと妹カレンによるデュオ、カーペンターズ(Carpenters)のカレン・カーペンター(Karen Carpenter)による初ソロ作となるはずだったのが、1980年に一度は完成した『遠い初恋(Karen Carpenter)』というセルフタイトル作(邦題は、収録ナンバーの邦訳がそのままアルバムのタイトルとなっている)である。

 本盤作成の経緯というのは、次のようなものだった。1979年、薬物依存症からの回復のため、カンザス州のリハビリ施設に留まり、カーペンターズの活動は一時的に休止することになった。その間にカレンはニューヨークへ渡り、フィル・ラモーンをプロデューサーとしてソロ作の制作に取り掛かった。けれども、完成したアルバムは、レコード会社(A&M)にとっても、兄リチャードにとっても納得のいくものではなく、結局カレンは発表しないことを決断してお蔵入りとなった。

 1983年のカレン死去の後、本盤の収録曲のうち1.「ラヴラインズ」などいくつかのナンバーは、未発表曲集アルバム『ラヴラインズ』に収められた。そして、カレンの没後13年が経った1996年、お蔵入りとなった1980年作の本盤は正式リリースとなった。その背景には、日本でカーペンターズのリヴァイヴァルがあり、これに伴って日本だけでなく米国でもリリースされることになったらしい。

 お蔵入りとなったこのアルバムのどこがよくなかったのか。その当時はカレンも悩んでいたというが、全体としてカーペンターズと大きく作風が違っているのは明白である。1980年頃のディスコ調サウンドやフュージョン的なサウンドが特徴的である。このイメージチェンジの捉え方は、聴き手によってさまざまなのだろうけれど、少なくとも当時のレーベルや兄リチャードには前向きに捉えられるものではなかったということなのだろう。カレンの没後となっては、貴重な音源ということでリリースされたが、聴衆にとってみれば、おそらくはカレンの歌声がさらに聴けてよかったという人もいれば、カーペンターズとのイメージの違いに違和感を感じる人もいるという、そんな作品と言えるのかもしれない。


[収録曲]

1. Lovelines
2. All Because of You
3. If I Had You

5. If We Try
6. Remember When Lovin' Took All Night(愛の想い出)
7. Still in Love With You
8. My Body Keeps Changing My Mind
9. Make Believe It's Your First Time(遠い初恋)
10. Guess I Just Lost My Head
11. Still Crazy After All These Years(時の流れに)
12. Last One Singin' the Blues

1996年リリース。




 ​
遠い初恋 [ カレン・カーペンター ]






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Last updated  2022年02月11日 08時18分19秒
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