音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2022年07月11日
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早逝のシンガーソングライターのセカンド作 


 ティム・ハーディン(Tim Hardin)が、1966年のデビュー盤( 参考過去記事 )の翌年に発表したのが本作『ティム・ハーディン2(Tim Hardin 2)』だった。ジャケットには窓から外を見るハーディン自身の写真があしらわれているが、横にいる身籠った女性は、妻のスーザン・ヤードリーとのこと。第2作と言っても、ファースト作の後に一から作られたというわけではなく、ファースト作よりも前に録られた音源からファースト作がリリースされた頃までの音源(1964年11月から1966年8月)が本盤には収められている。

 さて、本アルバム全体のトーンは、ファースト作に比べるとやや落ち着いたものとなっている。特に前半(LP時代のA面に当たる1.~5.)は、フォーク・シンガーとしての彼の持ち味がより前面に出ている曲が目立つに思う。その一方、後半(B面)を中心にして、フォークの枠を飛び出た演奏も多く含まれ、朗らかだったりノスタルジックだったりする楽曲が並ぶ。

 本盤のいちばんの注目曲と言えば、1.「イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター」だろう。パーカッションを効かせつつも淡々としたバックの演奏で、静かにかつ熱く語りかけるようなパフォーマンスは、本盤収録曲の中でもベストだと思う。そして、何よりも、この曲はいろんなアーティストによってカバーされていくスタンダードとなった。本盤リリースの前年には、ボビー・ダーリンがこの曲を歌って全米8位のヒットとなり、その後もジョーン・バエズ、フォー・トップス、ジョニー・キャッシュらがヒットさせたほか、ロバート・プラントやボブ・シーガーなんかもこの曲をカバーしている。

 他の気になる曲もいくつかだけ挙げておこう。4.「レディ・ケイム・フロム・ボルティモア」はソフトタッチのフォーク調のラヴソングで、さらりとした歌い口がいい。6.「ザ・グレイス・オブ・リヴィング」は、フォークから万人に聴きやすい音楽へという、当時の彼の試行錯誤が感じられる。10.「ハンク・ウィリアムスに捧ぐ」は、文字通りカントリー歌手のハンク・ウィリアムズへのトリビュート。この人物の短い生涯について歌われていて、このカントリー・シンガーの各方面への影響(フォーク、ロックなどの様々なアーティストに影響を与えた)の一端を見ることができる。


[収録曲]

1. If I Were a Carpenter
2. Red Balloon

4. The Lady Came from Baltimore
5. Baby Close Its Eyes
6. You Upset the Grace of Living When You Lie
7. Speak Like a Child
8. See Where You Are and Get Out
9. It's Hard to Believe in Love for Long
10. Tribute to Hank Williams

1967年リリース。




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ティム・ハーディン2 [ ティム・ハーディン ]




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Last updated  2022年07月11日 20時11分06秒
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