B面1曲目はチャップリンの"Smile"。ドーハムの微笑みに満ちたテーマ演奏にまずは癒されてみる。この曲はドーハムのために書かれたような曲に思えてくる。人懐っこいテーマだが、どこか陰影に富んでいて、人生の陰の部分がさりげなくにじみ出ている。こういう曲を吹かせたら、ドーハムの右に出るものはいまい。次の曲は"Beautiful Love"。お涙頂戴系のマイナー曲なのだが、今度はマクリーンがテーマを演奏する。マクリーンの凄いところは、お涙頂戴曲の臭みをかき消すだけのカッコよさだろう。独特の節回しで、演歌だって何だって立派なハードバップに早変わりなのだ。猫麻呂もこの曲はレパートリーとして取り上げることが多いが、実はこのマクリーンのカッコよさに憧れるからなのである。3曲目の"Prelude"はドーハムの泣きのトランペット全開の曲。曲というよりも、ドーハムの独白に近い。流石はジャズ界の藤田誠だけあって、渋いトランペットが堪能できる。こういうところで泣かせるから、ドーハムは偉大なのだ。ドーハム節で目頭が熱くなったところで、最後は"There Goes My Heart"を聴きながら、気持ちよくエンディングを迎える。うーん、よくできたB面だ・・・!