ぼくの細道・つれづれ草

ぼくの細道・つれづれ草

2006.03.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ウォーホルのいる街で


    夕陽を見よう』
    相棒が誘ったので
    出かけた

    美術館と道路一本隔てて
    屋台村のような街区が
    のっぺらぼうに拡がっている

   『ここの もつ煮込みうどんが旨いんだ』
    相棒の口車にのって
    屋台村のようなところに入った
    唐辛子の利いた
    こってり味のもつ煮込みうどんを
    ふうふう言いながら呑み込んだ

    それから
    アンディ・ウォーホルを見た
   『おゝ ディマジオのかあちゃんだ』
    元草野球監督の相棒が奇声をあげた
   『マリリンの赤ちゃんを生みたかったなー』
   『んん?』
   『造次顛沛 爬羅剔抉
    現代ってつらいよなあ』
    相棒の言いっぷりが
    いかにもしんみりしていたから
   『そんなもんかなー』と
    その時は俺もそう思った

    美術館を出ると
    街角の店屋で鯛焼きを買った
    フォークロアな夕焼けをバックに
    太陽がずんずん沈んでゆく
    そいつを眺めながら鯛焼きを食った
    尻尾の先まであんこのつまった鯛焼きを
    ふたりで食った


  (註)
    爬羅剔抉(はらてっけつ)
     1:かき集めて抉り出すこと。
     2:隠れている人材を捜し集めること。
     3:悪事・欠点をあばき出すこと。
    造次顛沛(ぞうじてんぱい) 
     あわただしい場合と、つまずきたおれる場合。
     ほんの少しの間。しばらくの間。
                (広辞林より) 






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Last updated  2006.03.14 15:21:47
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