読書日記blog

読書日記blog

2006.02.07
XML
カテゴリ: 日本の小説


ハヤカワ文庫

日本崩壊(上) 日本崩壊(下)

経済破綻による未曾有の危機的状況を描く政治経済サスペンス。

公共事業の乱発、政治家・官僚・業界団体の「鉄の三角形」から来る財政危機を糾弾する小説。軽い内容ではないが、一応は小説の形態をとっているので楽しみながら読める。
ただ、政府批判や改革案の提言がメインとなっているので堅苦しいことこの上ない。しかしまあそれが本書の目玉だろうから仕方ない。「市民政府綱領」や「犯行声明」など、小説の一部とは思えないくらいの力作で論文かなにかのよう。狙撃犯の正体や、軍事的危機を煽った本当の黒幕の正体が明らかになるラストのどんでん返しは、本書のミステリとしての読みどころの一つだが、いまいち際立っていない。

内容の是非は、識者の方々がいろいろ論じているかと思うので割愛。筆記具好きの私から見た本書のポイントをば。
主人公が新聞記者であるため、筆記具に関する記述は多い。もしかすると元新聞記者だった筆者の好みや経験がもとにあるのだろう。主人公はカランダッシュのボールペンを取材のときに愛用する。お気に入りは愛人に貰ったモンブランのドネーションペンシリーズの第一弾「レナード・バーンスタイン」。よく行く文房具屋はもちろん銀座伊東屋。ニヤニヤしながらこれらの場面を読んだ。
筆記具以外にも鞄や時計などにもいちいちブランド名や能書きを書く。横に写真を掲載したらカタログ雑誌が完成しそうな勢い。また主人公たちが食べる料理の描写も長い。奮発してご馳走を食べるシーンは何回あったか数え切れない。新聞記者、政治家、官僚たちの豪華できらびやかな世界を強調するために高級感を出そうと書いているのだろうが、少しくどい。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.02.07 10:55:03
[日本の小説] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: