読書日記blog

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2007.04.18
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カテゴリ: 教養・実用


早稲田出版



岩畔豪雄とは何者だったのか。「謀略の岩畔」の真の姿に迫る。

ロジスティック、満州国の経済事務、諜報活動、陸軍中野学校の設立などで活躍した「謀略の岩畔」。大東亜戦争では南方作戦で活躍したほか、特務機関「岩畔機関」を率いてインド独立工作に従事している。ちなみに「大東亜共栄圏」という言葉を作ったのも、「戦陣訓」を提唱したものも岩畔である。もっとも岩畔の企図した「戦時訓」は、戦後のイメージとは全然異なるものなのだが。そもそも岩畔の活動の大半は、世間のネガティブなイメージの謀略というよりも、時代を先取りする先見の明にとんだ合理的なものだったといえるだろう。
しかし、岩畔の活躍の中で一番有名なのは、日米開戦回避の外交交渉だろう。日米諒解案を策定し、和平に向けての努力を重ねた岩畔の姿勢は、謀略的なイメージとは裏腹に、実に誠実なものだったそうだ。松岡外相が三国同盟に固執したために交渉ははかどらず、独ソ戦が始まってしまったことで、完全にタイミングを逸したため戦争は回避できなかった。いわば失敗に終わったため、岩畔の知名度はそんなに高くない。しかし、彼の真摯な取り組みは、アメリカから高く評価され、東京裁判で戦犯に問われることはなかった。

追記
現在『謀略』は絶版となっているが、著者である橋本恵のホームページ いわくろ.com で同様の内容が公開されている。





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Last updated  2007.04.21 00:24:45
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