読書日記blog

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2007.04.22
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カテゴリ: エッセイ


アルファポリス



現地に住む日本人の目から見た台湾の日常生活。

最近、台湾の政治や歴史について学者や政治家が書いた本を何冊か読んだ。今回読んだこの『台湾風』は、台湾人男性に嫁いだごく普通の日本人女性によるエッセイ。政治問題について書かれた書籍からは見えてこない、台湾の庶民の生活の一端を垣間見ることができた。

著者の夫が外省人であるためか、この本から見えてくる台湾像は、私が持っていたイメージ以上に中国的に感じられた。現状から見ても、歴史的経緯から見ても、台湾は大陸中国とは違う独立した国家としての実体を備えている。また、台湾を大陸とは一線を画す国としたのは日本統治の経験によるところが大きい。それらの事実についての知識から、台湾は中国よりもかつての日本に近いといったイメージが、実際以上に肥大化してしまっていたのかもしれない。外省人は、中国共産党を否定していても、中国を否定しているわけではないし、本省人も数百年前に大陸から渡ってきた漢民族である。台湾人の中国認識やアイデンティティーの問題は、実際に交流してみないとわからない問題だろう。
もっとも、大陸中国のことも、私は本を何冊か読んだ程度しか知らない。台湾人は、本省人の場合特に、自分達は大陸人とは違うとの意識がとても強いらしい。実際、大陸と台湾とでは、レベルが全然違う。この前、日本に来ている台湾人留学生は、「日本に来て、違いに戸惑ったことは?」との質問に「ない。ほとんど一緒だから」と応えていた。日本人の私が日本でこの本を読んで台湾も中国的だなと感じたと書いたが、それは台湾と中国の違いを知らないが故の、失礼なコメントなのかもしれない。台湾にしても中国にしても、その実体を知るには本を読むだけでは限界があることを改めて感じさせられた。





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Last updated  2007.04.22 01:17:55
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