ところで、将来、雑誌やフリーペーパーのように企業の商品広告が掲載された (商品にリンクした) 電子書籍というものが登場してくる可能性もあるかなぁと思っています (もしかしたら、私が把握していないだけで、すでにあるかもしれません) 。
皆さんもよく目にすると思いますが、出版社はこれまで、紙の本の場合には本の最後のページに自社広告 (既刊の本や新刊の情報) を掲載していたわけですが、他社の商品の広告を載せた例はなかったのではないかと思います (本のテーマそのものが、他社の商品を紹介するもの、というものはありますが) 。
しかし、電子書籍の特性を活かせば (ちょっと安易な例になりますが) 、小説の中で主人公が “〇〇駅前のカフェで一杯のコーヒーを飲む” といったシーンで、本文中の “コーヒー” をクリックすると、その広告が現れる (ホームページが現れる) といったものや、本の適当なページに、その本の読者層にマッチした商品の広告を入れるということも考えられます。
つまり、出版社側にとっては、“その本のターゲット (主要な読者層) にアピールしたいという商品を持つ企業に対して、広告掲載を促す” ということも可能ではないかと思っています。 紙の本の場合には、(重版の際に差し替えるということは可能であっても) 一度出版するとその後もずっとその形として残っていってしまうということや、著者が苦労して書き上げた作品が広告のオンパレードでは申し訳ない (作品が台無しになってしまう) 、ということもあります。
電子書籍でも作品の価値を大切にするということは大前提としてあるわけですが、“読者が作品を読んでいる間、常に端末を介してインターネットに繋がった環境にある” という特殊性を活かし、単に著者の作品を読むだけではなく、新しい読書のカタチを提案するということも考えられるのではないかと思っています。
もちろん、上のコーヒーの例ではないですが、本文中でリンクする語句の頻度が多くなると、読者が作品の内容に集中できなくなることも考えられますし、(仮に本のターゲットと商品のターゲットが同じだとしても) 自分の本に見知らぬ商品の広告が現れることに同意できない著者の方も多いと思いますから、こうした仕掛けをするためには著者への了解が必要なことは言うまでもありません。
新しい取り組みに向けて 2011.07.10 コメント(1)
紙の書籍と電子書籍の同時発売のこと 2011.06.25
何事もチャンスを大切に 2011.06.12