出張というと、普段は新幹線を使ってのことが多く、それだと気分も仕事モードから抜け切らないのですが、今回はのんびりとした車窓の風景を楽しめたことが、旅気分を感じさせてくれたのかなと思っています。
ところで、編集者がどのように (自分にとっての) 新しい著者を開拓していくかということは、編集者によって様々だと思いますが、一般的には次のような場合が多いのではないかと思います。
・他社で執筆した著者の作品や雑誌の記事を読んで惚れ込み、自らもその著者に依頼する。
・いろいろな会合やセミナー、イベントなどに参加する中で、顔見知りとなる (関係を築く)。
・すでに自分と繋がりのある著者から紹介される (紹介してもらう)。
・ネットでの情報や良い意味でのうわさ話などから、著者の候補となりそうな方の情報を得る。
編集者であれば、他社での執筆経験がなくても秘めた力を持った、まだ無名な方を著者として発掘し、その方と一緒になって良い作品を創りたいという思いを持っているものです。 しかし、過去に一度も執筆経験がないということで、その方の力量が読み切れないということもあり、企画会議においては大きな決断が迫られることになります。
もちろん、これまで安定して読者の高い評価を受けてきた著者が、次の作品でも同じような評価を受けるということは決して言えません。その意味では、新しい作品を執筆して頂くという点においては、経験豊富な著者も、まだ無名な著者も同等と言えるわけですが、作品の完成度に対するある程度の予想ができるという点で、経験豊富な著者に執筆をお願いする傾向が高いことも確かです。 そして、これが結果として、出版社 (編集者) 同士での著者の奪い合いを引き起こすことに繋がっています。
そうした著者の争奪戦がある一方で、編集者として嬉しいことの一つは、こちらから執筆をお願いする前に、自分が信頼する著者の方から 「こんなのを書いてみたんだけど (こんなのを書こうと思っているんだけど)、ちょっと読んでみてくれないかな (相談にのってくれないかな)」 と声をかけられることです。 (どこよりも先に) 信頼する著者から声をかけられることは何よりも嬉しいことですし、このことは、編集者としての力量を表すことでもあります。
秘めた力を持った新しい著者を開拓する (見つけ出す) こと、そして、すでに繋がりのある著者との信頼関係を保ち続けることは、編集者としてどちらも欠かすことのできないとても大切なことの一つとなっています。
新しい取り組みに向けて 2011.07.10 コメント(1)
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