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2010.09.01
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カテゴリ: Editor's Life




 だからと言って、これが誇張した表現かというと決してそういうことではなく、実際に個人で出版社を立ち上げているところもそれなりにあるわけで、そういう意味では、昔から出版というものは小回りがきくものであったと言えると思います。

 そして、現代における電子書籍の登場は、これがさらに小さくなって、出版社という形態はとらずとも個々 (著者と編集者) の繋がりだけで出版原稿を完成させ、それを電子書籍として販売するということを可能としてしまいました (実際には、著者だけですべてを行なうことも可能となっていますが)。 これは、もともとは生物用語ではあるけれども、社会における  「アメーバ」  の用法でいけば、これからの出版は “アメーバ化する” ということが予想されます。

 出版社というような組織を作らなくても、役割分担の機能を持った小さなかたまり (アメーバ) で出版が手軽にできることになり、そのことで、「私も電子書籍を出版しよう」 という動きが高まり、このアメーバがどんどん増殖していく、というのが (近い) 未来の出版の姿なのかもしれません。

 このことによって、これまで以上に多様な出版物 (電子書籍) が誕生してくると思いますが、多くの読者の共感を得る内容 (質) とするためには、著者の執筆力は言うまでもなく、編集者の編集能力もこれまで以上に問われてくるのではないかと思っています。 (著者自身が執筆と編集までも行なうということになれば、それはなおさらのことでしょう。)

 そうした未来の姿を想像した上で、力のある出版社には力のある編集者がおり、優れた企画力・編集能力が備わっていることを考えれば、出版社 (編集部) の組織内もアメーバ化し、例えば、「編集部全体での企画会議で検討してOKが出なくてはいけない」 という形ではなく、より小回りのきいた組織でその都度判断して動く、という変幻自在のスタイルも求められてくるのではないかと思っています。 






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Last updated  2010.09.02 00:20:08
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