ヴェネツィアの獅子たち

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Reiko Fujiwara Marini

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カテゴリ: 島物語

 リドは、ヴェネツィア本島の東南に位置する長さ12kmの細長い島です。「LIDO」は、砂州、砂浜という意味のイタリア語なので、ヴェネツィア以外でもリドは存在するのですが、一番有名な「リド」は、このヴェネツィアのリドということになるでしょう。

 文字通り、ラグーナとアドリア海との間に出来た砂州で、遠浅の場所で波が沖合で砕け砂が堆積してできたものです。

 19世紀までは、サン・ニコロ教会とサンタ・マリア・エリザベッタ教会の他は、菜園と松林があるだけで、人はほとんど住んでいませんでした。ただ、ヴェネツィア入りする船の最初の入り口でもあったため、過去には要塞や見張り台などの役目を持っていました。

 19世紀になってリゾート地として注目され始め、20世紀の初めには映画祭の開催にもともない、高級リゾート地として定着しました。



 このイタリア人の「ビーチ通い」には、ほとんど「信仰」もしくは、「強迫観念」に近いのではないかと、思う時があります。テレビで皮膚科の専門医の「紫外線の浴び過ぎは危険です」の警告も耳に入らないように、せっせと砂浜に通い、デッキチェアに寝そべり、うわさ話をしたり居眠りをしたりして午後中を過ごさないと、夏は終われないようです。

 これには、戦後以降の二つの観念があると思います。太陽をいっぱいに浴びることは、とにかく健康的という観念。日に焼けた姿は、良いヴァカンスを過ごす経済的なゆとりがある、というイメージ。
 その固定観念も、たいがいもう古いかなとも思うし、猫も杓子もとも思うのですが、その中に、長いヴァカンスを満喫するイタリア人への、一抹の「嫉妬」がないと言えばウソになるでしょう。





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Last updated  2008/08/08 03:55:08 PM
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