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October 15, 2006
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カテゴリ: 小説

第1話は こちら こちら

 仕事帰りの電車の中、美優は吊革に掴まり、車窓からの見慣れた

景色をぼんやり眺めていた。前の座席には、中年のサラリーマンが

スポーツ新聞を広げ読んでいる。ふと視線を落とすと、その紙面に

"修二熱愛発覚!"

 という大きな文字が躍っているのが見えた。息を呑み、目を凝らす。

 その下には、スクープされた写真が載っているようだ。心臓がドキド

キする。"修二"とは、修二のことなのだろうか? 内容を詳しく知りた

くて紙面をじっと見ていると、そのサラリーマンは新聞を折り畳んでし

まった。美優が覗き見していることに気付いたみたいだ。

"ケチーッ!"

 温和な美優でも、この時ばかりは心の中でそう罵った。

 駅に着くなり足早に売店に向かい、先ほどの新聞を購入する。逸る

気持ちを抑えながら、ベンチに腰掛け紙面を広げた。

 そこには、修二と女性がマンションから出て来る写真が載っている。

深夜、修二がその女性のマンションから出て来るところをスクープし

たとの添え書きがされている。

 その女性とは、以前ドラマで共演したことのある女優だった。

 修二と同じく元モデルでスタイルは抜群。同姓の美優から見ても格

好良いと思えるキリッとした顔つきの美人だ。性格も自立した女性を

感じさせ、同姓からの人気も厚い。とても美優が太刀打ち出来る相

手ではない。

 目の前が真っ暗になった。別にキスをしている写真でも、手をつな

いでいる写真でもない。けれど、これが全くのデタラメなら、修二から

何らかの連絡があってもいい筈だ。

 呆然としながら自分の携帯を確認するが、留守番メッセージもメー

ルも何も届いていない。

 いつか、こんな日が来るかも知れない。心のどこかでそう覚悟はし

ていた。けれど、それがこんなに早く現実となって美優の身に降りか

かって来るとは思いもしなかった。

 とにかく修二と話をしたいが、もし別れ話を切り出されたら。

 そう考えると恐ろしくて、こちらから連絡を取ることなんて出来ない。

もう少し最悪の事態を受け入れられる心の準備が出来てからにしよ

う。

 準備、出来るだろうか......。

 どうやって家に辿り着いたのか分からない。ただいまも言う気力が

ない。いつもは家に帰るなりラフな家着に着替えるが、そんな気にも

ならない。テーブルの上に置いた携帯電話とスポーツ紙をぼんやり

眺めながら座っていた。

 その時、家の呼び鈴が鳴った。無意識にヨロヨロと立ち上がり、相

手を確認もせずドアを開ける。

 ドアを開けるなり、何かズッシリと重いものが美優の胸の中に飛び

込んで来た。勢いで後ろに倒れそうになると、その物体が美優をギュッ

と抱き締め支えてくれる。

「美優」

 体を離すが、両手でしっかり美優の肩を掴んでいる修二。会えて嬉

しそうな、それでいてバツの悪そうな笑顔で美優を見つめている。

「修二」

 驚きの余り笑顔を作れない。

「ごめん。見ちゃったよね?」

 呆然としている美優をもう一度抱き締め、申し訳なさそうにつぶやく。

 修二は、今朝の新聞でスクープ記事が出たことを知り、スケジュール

を終わらせた後真っ直ぐこちらに向かって来てくれたのだ。電話やメー

ルで言い訳めいたことを言うよりも、会って直接あの記事は誤解だと話

す方がいいと考えてくれたと言う。

 修二の話を聞いていると、涙が出て来た。

 安心感からだけではない。

 こうして直接会って話をするために、新幹線で九州から大阪まで飛ん

で来てくれた修二。いつも、もっと自分に自信を持つよう言ってくれた修

二。そんな修二の気持ちを信じられず、いじけた考え方しか出来なかっ

た自分に無性に腹が立ったのだ。

 修二は、いつも美優の一番の味方でいてくれたのに。一番の理解者

でいてくれたのに。

 修二に対してただただ申し訳なく、泣くことしか出来なかった。泣いて

いる美優をギュッと抱き締めていてくれる修二。

 修二の胸の中にいると、美優の心の中の氷が溶けるような、そんな

温もりを感じることが出来た。

 あのスキャンダルが出た日を境に、美優は変わった。修二の気持ち

をあれこれ頭の中で考えていたって仕方がない。ただ修二を信じてい

ればいいのだ。修二なら信じられる。

 修二と会えない時は会えない時で、自分の時間を大切にしようと努

力することにした。中身も外見も綺麗になれるように。修二に相応しい

女性になれるように。

 自分の将来についても改めて考えるようになり、日本語教師になりた

いと真剣に考えるようになった。美優は、学生時代英語、フランス語、

韓国語と三つの外国語を学んだが、外国語を学んだことで改めて日

本語の素晴らしさを感じるようになったからだ。

 修二に話してみると、いい考えだと美優の背中を押してくれた。

 日本語教師の資格学校に通うため仕事を辞めることにしたが、辞め

てから学校が始まるまでの間、1ヶ月ほど海外で過ごさないかと修二が

誘ってくれた。

 今のドラマの撮影が終わった後、セブ島で写真集の撮影があるが、

その撮影の前後1ヶ月ほどスケジュールを空けてあると言う。

 もちろん大賛成だ。周囲の目を気にすることなく、思いっきり修二と普

通のカップルのようなデートが出来る! これは、頑張った美優に対す

る神様からのご褒美だ。そう思うと心が躍った。

第9話へ つづく

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Last updated  October 15, 2006 10:14:20 PM
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