電車は、銚子駅に着いた。
私は、銚子電鉄に乗り換え、犬吠埼を目指した。
犬吠埼に着いた。サーファーたちが、ペンギンのように沖合いの波間に揺れていた。
私は、海を見ていたが、何か違った。
そう思っているうちに、私は既に服を脱ぎ始めていた。
無意識の私は、海に入りたがっていた。
私は、海に向かった。
泳ぎ始めた。
心地よかった。
ただ、沖を目指して泳いだ。
一心不乱に泳いだ私は、泳ぎ疲れた。
身体を仰向けにして、泳ぎを止めた。
太陽が、まぶしかった。
私は、サーファーたちのように、波間に揺れていた。
手足を大きく伸ばし、波間に漂っていると、それは正にウォーターベッドだった。
眠くなった。
母の胸で寝ているように心地よかった。
私は、息継ぎもせず、まるで魚のように海中を泳いでいた。
すると、向こうのほうから何か黒いへんてこな形をした物体がこちらに向かってくる。
それは、海亀にまたがり、竿を背負った老人だった。
手には、黒い漆塗りの箱を抱えていた。
笑顔が見えた。
私は思わず「浦島太郎!?」と驚き、「嘘だろう!?」と、アホ臭いような声を上げた。
私の声は、泡になり、海面へ向かっていった。
続く
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