幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

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Feb 29, 2016
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カテゴリ: シェフの雑記帳

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 牛タンです。これが原型の皮つき牛タン。

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 舌先はもうこれは固いので廃棄することが多いですね。タン先は焼肉屋さんなら食べ放題用とかランチ用とかに、、固いので薄めに切らないと食えません。タン下は、焼肉店ならタンカルビなんて名前でだすこともあります。ここは今回は自宅で食べるように煮込みにしました。(美味かった!)それで、15周年記念コースに使うのは上タンの部分です。

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 皮をむいて、タン先とタン下を外すとだいたい半分以下になりますね。これを、、IMG_20160225_140446.jpg

 フライパンで焼きます。良く焼いて旨味を閉じ込めるなんて言い方をしますが、あれは嘘。科学的に根拠ないです。ここで焼くのは、この料理の仕上がりが茶色っぽいからです。肉の焼いた色がソースにも移るわけ。だから香味野菜(玉ねぎ、ニンジン、セロリ、ニンニク)も強火で茶色くなるように炒めます。これも色づけと風味づけのためです。焼いたら鍋に入っている炒めた香味野菜の上にタンをのせます。

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 のせました。今回は牛タンが8本なので、赤ワイン6本とマデラ酒2本を投入!

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 入りました。この段階ではまだ出汁や水分は一切入ってません。強火で沸かして、、、

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 フランベ!ファイヤー!! ここでよくアルコールを飛ばさないときつい味の煮込みになるので火をつけて燃やします。これだけワイン使うと15分くらい燃えてます。撮影のため照明消してますが、昼間明るいとあまり炎は見えないです。アルコールが飛んだら、仔牛の骨3キロで取った出汁ををコップ2杯くらいまで煮詰めた濃いフォン・ド・ヴォーを加えて低温のオーブンで煮込みます。

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 ワインの酸の力もあってかワイン煮込みは意外に肉が柔らかくなるのが早いです。今回は3時間半くらい。太い菜箸がスーッと通るくらいまで煮たら、そのまま一晩置いておきます。翌日引き上げてバットに入れた肉ですね。これを冷蔵庫で1日冷やすとコラーゲンが固まってしっかりします。鍋から取り出すときはぎゅっと握ればつぶれてしまうくらい柔らかいです。取扱注意です。これを1人前ずつにカットして使います。

 煮汁は濾して煮詰めて、、、タンが赤ワインの色を吸ってしまうので、色づけにもう2本ワインを別鍋で煮詰めたものを足して、コーンスターチで軽くとろみをつけます。これがソースのベースとなります。

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 出来上がり。

15周年記念コースのメインです。






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Last updated  Feb 29, 2016 10:33:55 AM


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madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
ゆり777 @ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
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