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はぃな(´・ω・`)b題名通りブログ移転しまーす(´・ω・`)http://wreith.blog39.fc2.com/↑(´・ω・`)まったりすぎる絵描きブログですはぃ。。ょヶればd(´・ω・`)b
2008.05.14
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報告遅れたヶど自己推薦合格ヾ(´∀`*)ノ ダーッ!!wこれで楽に(´・ω・`)w(ぁ
2008.03.03
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今日は私立高校の合格発表日でしたッw見事合格_|\○_ ヒャッ ε= \_○ノ ホーウ!!←でも絵ばっかり描いてた人ゃはり隠れた実力・・・・・( ´_ゝ`)フッ...(違うだろ(蹴絵は赤石のテイマsです(´・ω・`)bちょぃ訂正版貼ればよかったけど(なら貼れ 、スキャナに通すのが面倒だったヵら、色づけしたのでもはろぅヵな(´・ω・`)bってヵ、誰か正面からの脚の描き方教えてください・・・・・*・゚゚・*:.。..。.:*・゚_| ̄|○゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*
2008.02.05
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初詩ですなwまぁ、目を通すぐらいで流してくださぃ(´・ω・`)b俺のナイフがここに3本ある。3本ある内、2本には血糊が付いている。その内の1本は・・・去年かな。ちょっとした事で腹立った奴に、脇のちょっと下ら辺から太ももにかけてね。縦に。奴、よく俺いじめてたしな。だけど今になっても、奴がいてもいなくても同じような感じがして余計腹が立つ。奴が、時々頭の中を駆け巡る。肉体を裂いても、奴は後ろから歩幅をわざわざ合わせて来る。正直、後悔した。服は汚れたし、せっかくのナイフも錆付いた。でも、まさか奴がここまでしつこいとは思ってもみなかったさ。ナイフを研(と)いでも研(と)いでも、奴の血糊は取れやしなかった。あの時すぐに磨いとけば、奴も失せただろうに。もう1本は・・・半年前だろうな。夏休みの終わり頃。そのまた半年前の記憶が刺激だったのだろうか。・・・別の意味の快楽だったのだろうか。犯して捕まる奴らの気持ちが少し分かった時だった。・・・誰でもよかった。それと不意討ちの緊張感。最高だったな。返り血をまともに食らった時は、思わず笑った。ナイフの刃全体に、満遍(まんべん)なくついた血糊・・・カーブミラーで反射した太陽の光を浴びて、いやな位まぶしく、赤黒く染まった刃にこれでもかというほど上乗せで血を焼き付けてゆく・・・正直鳥肌が立ったな。残りの1本のナイフ。血も何も付いていない物だ。・・・準備は整っている。右脇腹に去年の物を、左脇腹に半年前の物を。・・・まだ、生きている。最後のナイフで、制裁を下す時。だが、ふと拒む。ここまで来たのに、今更拒む。正気に返った自分を・・・後悔した。一回死んでみたいなど、思うものじゃない。腹から上下に染み渡る、この痛み・・・。だが、もう遅い。涙と血が混じる。このまま痛み続け自然に尽きるか。自分の手を加えて尽きるか。まだ生きたいだと?ふざけた事を考えたものだ。自分の選んだ道は、反らしたところで変わりやしない。反れずに切り開ければ道は見える。新しい道が。そう、切り開けばいいのだ。切り開きさえすれば・・・。はぃどーも(´・ω・`)無論フィクション(´・ω・`)b
2008.01.29
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ふと気づいたら輪郭線etcの黒い線を変え忘れてましたとさ(´・ω・`)b
2008.01.24
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おめでとうございます!(遅すぎってヵ、久しぶりです・・・・・(´・ω・`)なnヵ勉強が忙しいもので・・・・・(´・ω・`)・・・・・・そんな中で絵を描きましたb涼宮ハルヒの憂鬱の、長門sですょ(´・ω・`)b単に模写なので、2時間ぐらいで完成(´・ω・`)bw
2008.01.07
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久々のUPになります(´・ω・`)w中身の違ったような(何 翠星石描きましたが・・・・・・なんヵ申し訳ない(´・ω・`)=3(ぇやっぱりまだまだ(´・ω・`)b
2007.11.20
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「目が覚めたか、クローヴィス。」今は翌朝。気が付くと馬車内に座っていた。夕食も食べないまま寝てしまい、今までぐっすり眠っていたわけだが、起きると外傷が痛みだし、ふと気が付くと傷口が膿(う)んでいた。長い馬車内の奥からレイスがやってきて、その膿(うみ)をとってはくれるものの、しばらくは安静にしておいた方が良さそうだ。「あと1~2時間ほどで集落に着くはずだ。それまで朝食をとるがいいでしょうな。奥の馬車台所にいけばパンがあるはずですぞ。」僕は洗顔を済まし、自分の寝ていた所から20m程も離れた馬車内道を早歩きで移動し扉を開けると、かなり広い空間が広がる。そもそも精霊馬車に使用される馬型の精霊はどんな重たい物でも引っ張ることができ、中はほぼ亜空間で、収容人数や重量が存在しない。不思議なものである。丁度そこにセルクがいた。「おや、クローヴィス。起きたのかい?ここにパンが3枚あるから、好きなだけ食べていいよ。」セルクの掌から、炎が発し、パンを焼いている。「セルクって、将来の夢は何?」僕が気軽に聞くと、セルクがパンを焼いているのを中断して、僕の方を向いた。「僕の将来の夢は、『マジシャン』になることさ。だってほら、精霊を召喚しないで、物事が果たせるだろう?まぁそれなりの体力や頭の良さが要るけど、それはこれから頑張ればまだ間に合うから、今特訓中・・・・・・ってとこだね。」そういい終えると、セルクが自分のポケットから革でできた小さな袋を取り出し、その中にあった豆のような石を出して見せてくれた。その豆のような石は、いろいろな色をしていた。そう、それは小さく加工された精霊石であった。「今は9つあるかな・・・・・・マジシャンは精霊を常に召喚してないから、こうやって小さい精霊石に納める方が都合がいいんだよ。・・・・・・といっても、今火霊石が1つ余分なのがあるから、クローヴィスにあげるよ。火はあらゆる場面で使えるから、結構役立つと思うよ。あ、でもクローヴィス自体は使えないんだっけ。まぁ、他の人がついていれば、どこでも使えれるから、持っておきなよ。」といって、3つ赤い石があるうちの1つを手渡しされた。「その中に入っている火霊はね、『ゼミケル(ヴァイパライド科)』(猫型♀&♂)っていう、珍しい精霊なんだよ。まぁいわゆる、【2人で1人】っていうこと。つまり、2体入っているのさ。」僕はその精霊石を受け取ると、セルクがアヴァナスで早速召喚。猫型の精霊が1匹出てきた。そして即座にパンの上を駆け回り、いい焼き色に仕上げて石の中に戻っていった。「さっきのは『ゼル(♂)』。遠距離支援系。戦闘になると2匹とも出てくることが多いけど、最近は近距離格闘系の『ミケ(♀)』だけが出てくることが多いみたい。自分はあんまり精霊は召喚しないけど、数回出てくる内にわかったことなんだ。」僕は相槌を打ちながらパンを齧(かじ)っていると、奥からジンの声が聞こえてきた。「・・・・・・ぉぉ~ぃ、そろそろつくぞぉ・・・・・・」小さな声でよく分からないが、集落までもう少しのようだ。「ヴァンス・・・・・・お前は、何をしに向こうへ行った。」ヴァンスが座に座っている人物に向かって、跪(ひざまず)いている。「・・・・・・申し訳ございません。しかし、『あの物』は、お届けいたしました・・・・・・。」座に座っているその者は、立ち上がって執事を呼んだ。「我が僕(しもべ)ヴァンスよ・・・・・・我々が、あのクローヴィスとかいう若者に宛ててあの精霊石を送ったのには意味がある。分かるな。」その者は手を強く握り、怒りが蔓延(まんえん)している中、ヴァンスは冷静に答える。「・・・・・・承知の上でございます。あのケルイバルが用いた幻霊を再度仕えし者が現れたことを察し、我々が対処できなかった精霊を、彼の手により呼び戻す指令。忘れた覚えはございません。」そしてその者に再び執事がやってくると、執事はその者に本を渡した。「お前が持っている『エルガーラの書』。その書は半径3km以内に毒気を発し、お前共々玉砕し、その若者を殺すのが指令だったはず。元々お前は、ニクスに化けた捨て駒だった。だが今、お前とエルガーラの書はここにある。お前はこの指令に失敗した。この失敗を、お前はどう償う。答えてみよ。」ヴァンスが息を詰まらせていると、その者は執事から渡された本をヴァンスの前に投げ渡した。「ではもう一度、指令を与える。その本を用いて、若者クローヴィスの親友と呼ばれる『ジン・ナパイヤー』を抹殺するのだ。就く者も少し遣(や)る。それで、この本『ビヴィラヴァロスの書』を使用し、お前諸共(もろとも)玉砕するのだ。詠むと爆破するこの呪本を使ってな・・・・・・。これが、私がお前にやる『最終指令』だ。これは名誉、お前の名が高く挙げられる行動だ。失敗せぬ様に。以上。」ヴァンスは目の前に落ちているビヴィラヴァロスの書を身の懐に隠し、暗い部屋の中で仄(ほの)かに光る眼で、憎しみの憑いた眼で、その者に一礼してその場を去った。「邪神王ナイトメア様の仰(おお)せなるままに―――。」―――あれから数ヶ月、僕達は何事もなく、平和な日々を送っていた。そしていつの間にか年を越し、今日は1月23日。ジンの誕生日だ。それと・・・・・・僕は朝食を取り、少し休憩すると、プレゼントを『2つ』持って外出した。僕がとある大きな建物の扉をノックすると、少し声の高いおじいさんの様な声が奥から聞こえてきた。執事のようだ。「これはこれはクローヴィス殿。ようこそアクドル邸へ。待っていましたぞ。皆様奥に居(お)られます。まぁ奥といいましても、ここから突き当りまで真っ直(す)ぐ行きまして、そこを右に曲がっていただきます。そこから2番目の角を曲がった所に5つ部屋の扉がございます。その内、左から2番目の扉の奥に皆様がご着席しておられます。クローヴィス殿の席は、入って右から3つ目の列の手前から34番目の椅子に・・・・・・・」まるで眠くなってしまうような道案内だったので、結局執事に案内してもらった。ここはレベッカの屋敷。そう、今日はジンの誕生日と同時に、レベッカの誕生日でもあった。目の前には豪華な料理が並び、周りは花や観葉植物でいっぱいであった。めったにレベッカの屋敷には来ないので、毎回その屋敷の大きさには圧倒される。ただ単に娘の誕生日なだけなのに、いろいろなところから人が来るので、今見ただけでもざっと120人ぐらいは、いるだろう。執事に案内されて、奥へ奥へと入っていくと、言われた大部屋へと出た。奥の方にジンとレベッカが横に並んで座っていて、なにかと仲良く話しているのが目に入った。僕からジンまでの距離はだいぶ離れていて、到底プレゼントを渡せそうにない。ここは人数が減ってから渡しに行くとしよう。よく周りを見ると、ワイル家やウィル、ティクル、オスカーも顔を見せている。しばらく経ってから、執事が司会をとる。「え~、本日は、真に喜ばしい日でございます。レベッカお嬢様とジン殿の生誕日が一緒というわけでございまして・・・・・・」と、聞き苦しい口調の司会発言の最中、パウラーは目の前にあるご馳走を頬張っていた。一般庶民の食事の10、20倍も豪華で、司会の話を聞く時間がもったいないのが、度々身に沁(し)みる。その時だ。大部屋の扉が勢いよくバタンと開き、青い髪、ショールカラーの浮遊したマント、目に見えるティール感覚を宿らせた男が、入室してきた。「・・・・・・ここに、マクロフィア家の子は居(お)らぬか。居たら外に出てきて頂こう。少し話がしたいのだ。」僕はすかさず立ち上がり、その男の元へ行った。ロリヤックかと思うが、油断はできない。ヴァンスのような事がある可能性があるため、警戒して、オスカーからもらった銃を携(たずさ)えて行った。僕は、その男の後ろをついて行き、やがて屋敷を出、屋敷の裏へと回った。横を見ると、崖であった。自宅よりレベッカ邸の方が地面が高い上、自宅からでは屋敷の裏は見えない。屋敷の裏に崖があるというのは、今日生まれて初めて知ったことだった。やがて男は立ち止まり、僕のほうを向いて、崖に背を向けた。「・・・・・・君に、妙な小包は届いてなかったか。精錬されたような精霊石が入った小包をが、届いてはなかったか。」僕は躊躇(ためら)う事なく、問い返した。「なぜあなたは僕の元に小包が届いていることを、なぜ知っているのですか。それはあなたにとって、何か重要なことですか。」男は黙った。浮遊しているマントから、色白とした仮面が1つ、取り出された。その仮面の額には、深緑の色をした石がはめ込まれている。「なぜ知っているのか。そう私に問うということは、届いているのだな。・・・・・・それでいい。ならば、この仮面と交換する気はないか。」「・・・・・・その気はないよ。これは、僕に当てられた小包・・・・・・」僕がそう言い切る前に、その男は話し始めた。「マァティスの仮面を所持しているな。『カミルの雫』というものも知っているだろう。そのカミルの雫は、7つの島々に眠る輝石の一つ。ヴィルム島の輝石が、カミルの雫。そしてこの深緑の閃光を放つ輝石は、メイリル島の輝石『ナーガスの種』。メイリル島の一つの集落『ウォンキャベルネイ』の守護風神『ナーガス』が蒔(ま)いた種が、長い時間を経て石化したものだ。その風神ナーガスは、今も尚(なお)、存在している。推定年齢は1万~1万5000歳。まぁ、精霊の中では長生きな方であろう。その風神ナーガスが所持していた『参武塵風剣』。『風神の秘剣・ゲルクナーガス』、『風神の左籠手(さこて)・バルクナーガス』、『風神の右籠手(うこて)・ダルクナーガス』の事だが、この内、君はどれか、所持してはいないかね。」僕はハッとした。『ウォンキャベルネイ』。どこかで聞いたことがあると思いきや、オスカーの故郷だ。しかも、風神の秘剣・ゲルクナーガス、この剣は、オスカーが所持している愛剣だ。しかし、この男に話してもいいのだろうか。警戒して、この男と関わらなければならない。「そもそも、なぜあなたは自分がマァティスの仮面を所持していることを知っているのですか。どこからその情報を・・・・・・」男は、さっきから憐れみ深く笑っている。「ではこの人物を知っているかね。1週間ほど、敵の者たちと寝食共にし、味方の頭(かしら)からの命令を忘れていた。しかし、挙句の果てに自分の精霊の力が果てかけてきたことに気づいた頃に、命令を思い出し、遂行しだすようになった者の事を。その者に与えられた命令、どんなものか知っているか。」僕は当てはまる人物が目の前に居るような気がして、少し怖かった。答えたくなかったのだ。今となっては敵、そう思えばなんともないはずだが、何か、心残りだった。しかし、次に男の口から出た言葉に僕は絶句し、その人が何をしたかったのか、不意に感じ始めた。僕を、仲間を失いたくないという気持ちが、その命令の内容を打ち砕いていたのかも知れないという事に。「教えてやろう。その者が、お前に宛ててしなければいけなかった2つの指令を。」 『お前の友を殺し、お前共々、玉砕する』―――。
2007.10.28
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バナーつくりましたw好きなようにもってってくらはいb
2007.10.22
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またまた桶元真未様のお絵かき掲示板で描いたものですが・・・・・・・投稿して一番に思ったこと(´・ω・`)コワッwこんなキャラじゃないんすょ(´・ω・`)wwwwまぁあれですょ、σ(・д・Mё)のお絵かき掲示板で修行じゃ修行(`・ω・´)
2007.10.12
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桶元真未様のお絵かき掲示板で描いた娘です(´・ω・`)wなんかあれなんですょ(´・ω・`)タッチが完全に女の子化してしまいまして(´・ω・`)=3ついに背景までも女性っぽく・・・・・・・・(。-`ω-)ンーまぁ、イイジャマイヵ(ノ∀`)ペチッ(ぉぃ最近テイルズ系のキャラとかにハマってたり+。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。+゚
2007.10.12
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題名どおりです(´・ω・`)wブックマークから飛んじゃってください(´・ω・`)w自由に描いてもらって構いませんょΣd( `・ω・´)グッ
2007.10.10
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「・・・・・・あれ、クローヴィス?」男性の方が自分に話しかけてくる。自分もどこかで見覚えがあるような・・・・・・「・・・・・・セルク?!1ヶ月ぶりぐらいだね!」その男性の人は、カルメス山に帰る途中、ロイドランゲイス湖付近で出会い、ヴィルム島の首都『ベルティナ』を案内してくれた6人の1人『セルク・トラバナス』であった。「アハハ・・・・・・まさかこんな形で再会するとは・・・・・・」僕とセルクは笑いあった。その姿を見てジャルースは仰天。「ありゃま。セルクはクローヴィス君を知っておるのか?」セルクは黙って頷く。「だって爺ちゃん、クローヴィスと会った事なんか教えてくれなかったじゃないか。お母さんとしばらくナイルスから離れてベルティナで過ごしている間に、いつの間にかどこかと合併しちゃってるし。ナイルスのあった場所に行くと、跡形も無くなくなってるし。だからいままでベルティナでのんびり過ごしていたんだ。んでもってさっき『ベジリス』で連絡あって駆けつけて、この有様。」(な、なんか今まで大変だったんだな・・・・・・)僕が内心そう思っていると、ジャルースが大笑い。「ハッハッハ・・・・・・いやぁ、今日は笑うことが多いのぉ。でもまぁいいわい。ここから10何kmの所にあるレヴェナス・・・・・・」セルクがため息を漏らす。「爺ちゃん・・・・・・それベジリスで聞いた・・・・・・」「・・・・・・。」女性の方は必死に笑いを堪(こら)えている。「そういえば、その女性の説明をお願いしてもいいですか?」セルクが反応すると、セルクはその女性の背中を軽く叩いてクローヴィスの前に寄せた。「この子は僕の妹で、『レイシー・トラバナス』。日頃は大人しいけど、話し始めたら結構面白い奴なんだ。仲良くしてな。ちなみに僕は16でレイシーが14だ。」レイシーが軽く礼をすると、ジャルースに伝言を伝えてどこかへ行ってしまった。「夕食の準備をするそうじゃ。ここは廃墟にもかかわらず結構いろいろな物があるからの。調理ぐらいチョチョイのパじゃ。」セルクが頷くと自分も手伝うことを告げて、その場を去った。「・・・・・・さてクローヴィス君。先程の話だが、水晶玉の様な精霊石を見せたと思う。実はあの中に、「未確認の精霊」が入っている可能性が高い。手を近づけてみたティール感覚ですぐ分かった。だが、どうやら素人のわしらではお目にかかれぬようじゃ。この精霊石は君に預ける。まぁ少し考えてみるが良いじゃろうな。ほいじゃ、味見でもしてくるかのぉ・・・・・・」ウキウキ気分でジャルースは部屋を出た。(素人にはお目にかかれない精霊・・・・・・)僕は黙ってずっと考えていた。「・・・・・・ヴァルスィンのような精霊なんだろうか。特定の人しか持てない、幻の精霊、『幻霊』・・・・・・か。」その精霊石は、擦ると異様な音を出す。水晶なら、キュッキュッというはずが、フォーンフォーンという音を奏でる。しかし、今自分が疑問に思っていることは、なぜこんなに完全な丸に石を削ることができるのかということ。それは真珠のような自然体で、どう見ても人間の手で作ったものとは考えられない。もしかして、自然で作られたものなのか?そもそも精霊石には人造というものが無く、自然に作られた石の中に収まっているのが普通なのだが、石の綺麗なことといい、あまり長い間放置され続けた物とは思えないくらい、中が透き通っていた。だが、これが自然の美しさなのかもしれない。そう思っているうちに夕飯が出来上がり、とても美味しく頂くと、再び床に就いた。その夜、僕は考え事をしていた。だいぶ前の話になるのだが、ジンとヴァンスと共にカルメス山に登り、ミスリルとオリハルコンを発掘に行った時の事だ。あの時、登る途中でラールがオリーブ色からセルリアンブルーへと色を変えた。その時発したヴァンスの言葉がこれだ。『・・・・・・どうやらラールが疲れてしまっているようだ。しばらくラールは使うことが出来ないが、我慢できますか?これでも生き物なので。』ここに矛盾点がある。精霊は普通、『疲れ』という事を知らないのに、なぜかここでは1つの『生き物』として捉(とら)えられていて、精霊なのに疲れというものが存在している。それに、そのとき野宿したときに見せてもらった『エルガーラの書』というもの怪しい。自分の持っている本『ケルーハの書』は、ローレライから逃れるために開くと、自分達の身体が砂になった。それはそれでよかったのだが、あのエルガーラの書という本はなんなのだろうか。もしかして、あの時言っていた呪本なのだろうか。しかし、ふと思い出すと恐怖心に怯(おび)える事がある。それは、『ヴァンス・ラールには、7つの能力が控えている』ことである。今、瞬間移動の能力を使い、武器化の能力で僕を殺しに来るかもしれない。今、推読の能力を使い、こちらのやる事を読み取って来るかもしれない。今は、そんな気持ちでいっぱいだった。その時、ドアがガチャッと開き、1人の男性が入ってきた。ガウセルだ。「クローヴィス殿。先程はだいぶ苦戦しましたな。私も少し油断をしていました。」僕が頷くと、軋(きし)んでいるドアから癒霊が入ってきた。女性型のようだ。「この精霊が私を治癒してくれたので、今はこの通りだ。この方の名は癒霊『レイス(サピエンス科)』(人間型♀)。君も癒してもらうといいだろう。」そのレイスという精霊は軽くお辞儀をすると、僕の腹部辺りに手を置いて、癒しの魔法『ヒールスメイル』の魔法文を何回も唱えた。そのおかげで少々外傷は残っているものの、ほぼ完治した。レイスは何も言わずにその場から立ち去ると、下から賑やかな声が聞こえてきた。どうやら夕食の時間に楽しくやっていることだろう。しかし、その声が聞こえたと同時に、どこからともなく歌が聞こえてきた。『道を遮る赤き山 行き場を無くす青き谷 行方も知らずただ無意味に漂って 光る道の土に顔を伏せる 息ができないくらい苦しくて 降り続く雨の中に1人 優しい人は天にいて 親しい人は風になる 谷を照らした優しい人が 山を崩す親しい人が 山谷を道に変える 新たな私を今 見守る人が 私の歩く 道になる』「・・・・・・。」精霊石が静かに光る中、僕は放心状態のままでその歌を聴いていた。まるで話しているかのような声の抑揚で、僕は深い眠りに落ちた。
2007.10.08
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「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」 僕の腕は、ヴァンスの打ってくる弾丸を跳ね返す時に起こる反動に耐え切れず、CMファングを装着していた左腕がついに麻痺してしまった。まだウィークルを持っている右腕は動くのだが、CMファングの重さと自分の体重とのバランスが合ってなく、座り込んで防御することぐらいしか今はできない状態に陥(おちい)っている。そうして耐えている内に、やがて僕の牙に亀裂が入ってきてしまった。(うっ・・・・・・もう駄目か・・・・・・)ジンもガウセルもボロボロにやられ、もう言葉も出ないほどにまでになっていた。そしてついに牙に仕込んである精霊石に亀裂がさしかかった途端、銃声が鳴り響き、目の前に血が飛び散った。「ふぅ・・・・・・間に合った・・・・・・方かねぇ。」オスカーらしき人物が2丁流で銃を構えている姿が目に浮かんだ。僕がドサッと倒れると、なにやら耳の奥からたくさんの人の声がして・・・・・・「・・・・・・。」僕は静かに眼を開けた。そして、ハッと勢いよくベッドから身体を起こした。しかし、身体に激痛が走ったため、ベッドに再び吸い付かれる。「・・・・・・目覚めたか。ジンやガウセルも無事だ。」目の前にはジャルースが椅子に座っていた。「うっ・・・・・・ここは・・・・・・」僕が起き上がろうとすると、ナンシーがかけ布をかけた。「まだ無理しちゃダメ。かなり傷が深いわ。でもまだ命があっただけでも幸いね・・・・・・。」そうナンシーが言った後に、ジャルースが話を始めた。「ここは元産業都市ナイルスの中央病院だ。エージニア渓谷から一番近い病院は、廃墟(はいきょ)だがここなのじゃ。少し日当たりが悪いが、その点は我慢してくれ。まぁその話は置いといて、君に渡したい物がある・・・・・・。」ジャルースはあの箱を袋に持って来ていて、僕の枕の隣に置いた。「この箱は、午後3時のティータイム時に、セルヴォイ殿とわしとでお茶をしているときにナンシーさんが宅配物として届けに来てくれた、『送信者不明の』、クローヴィス君に宛てた荷物だ。中は、精霊石と、予言のような1文が記された紙1枚が同封されていたのじゃ。なぜクローヴィス君宛てに来たのかも分からん。しかし、1つだけ分かることがある。それは・・・・・・」僕は、ジャルースの言うことを一語一句逃さずに聞いていた。「この精霊石の中に・・・・・・『誰もが見たことの無い精霊が入っている』ということだ。」僕はその言葉を聞くと、少し自分が何者かに選ばれたような気がして、なにやらよく分からないプレッシャーを感じた。「そして、同封されていた手紙の中を読んでみなさい。」僕はナンシーの手を借りて少しずつ起きると、箱の中に納まっている紙を取り出し、黙読してみた。(・・・・・・クローヴィス君、この石は、君の運命を左右する・・・・・・。君の運命を変えし者より・・・・・・?)「クローヴィス君。なにかこの言葉に心当たりはないかね・・・・・・?」僕は僕に宛てた人の名前がなんとなく判ったような気がしてきた。そして僕はもう、行かなければならない場所が分かった。「ジャルースさん・・・・・・。1ヶ月と1週間ぐらい前、悪夢を見た人が限られて出現したんです、僕達の集落に。その悪夢を見た人達で、この傷が完治した時点で、デーモンの生息地に行ってみようと思います・・・・・・。」ジャルースとナンシーが少し驚いたが、ジャルースは少し笑みを浮かべた。「・・・・・・そうか。そういえば、デーモンが昔住んでいたと思われる場所があったな。たしか・・・・・・」ジャルースが頭を傾(かし)げていると、ナンシーが補足した。「・・・・・・フェイギル島です。あそこに行くといいでしょうし、船旅の途中にメイリル島があります。そこは・・・・・・」その話が聞いたことがあったので、僕が続きを話した。「たしか、オスカーの故郷と聞いたことがあります。『ウォンキャベルネイ』っていう集落が出身だそうで、オスカーがまだ2~3歳の頃に仲間割れが起きたらしくて、争いがあったそうです。そして、自分達も巻き込まれないように、オスカーの両親は何らかの移動手段で、ヴィルム島に来たそうです。それでもって、今に至っています。」と、僕が話していると、もう夕方の5時であった。その途端、ナンシーが話を割り切った。「ごめんなさい。そろそろ私、学校が始まるので・・・・・・これで失礼します。クローヴィス君も無理しないでね。」僕が軽く頷くとナンシーはその場を立ち去った。僕達の住んでいるヴィルム島では、20歳になるまで学校は無く、それまでは両親から教わったりする。しかし、20歳になるまでが大変。大体家で教えることは読み書き計算程だが、20歳までにどれだけ勉強しているかによって、行ける「成人学校」が絞られてくる。例えに僕を使ってみると、読み書き計算の他に、精霊の性質や人と人との接し方、それを実践したりするのを親から学んできている。僕の将来の夢は、立派に精霊を操る『サモナー』になること。そのためには、『サモナーズ成人学校』に行って、専門的なことを学ばなければならない。それまでには精霊のことについて沢山学んでおかなくてはいけない。ナンシーはここの学校に通っている為、かなり精霊の事について詳しいはずだ。ちなみにこの学校は夜間登校だ。その他にも、精霊の所持する魔法を駆使して集落を守る仕事に就く人や、聖職者になりたい人向けの学校『マジシャンズ成人学校』、オスカーが目指している魔法銃剣士を夢見て、自分の家族や世の中の人を守りたい職業に就きたい人向けの学校『ウィザードリィ成人学校』、病院や戦場では欠かせない癒霊を使って、病気の人や怪我をしている人を治したいと思っている人向けの学校『ヒーラーズ成人学校』、盗賊のように素早く情報源が沢山入って、情報誌などを製作したりして、人の役に立ちたいと思っている人向けの学校『シーフィーズ成人学校』などがある。僕はそれなりに勉強ができる方なのだが、今の年代の人達と学力を競ってみたいと時々思うのだが。「まぁクローヴィス君。今日はここでゆっくり休みたまえ。その間、自分の孫が来てくれとる。」と、その言葉と同時に2人の男女が入ってきた。
2007.10.04
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ハイ。題名通りッス(´・ω・`)w絵チャにて眼の練習をしますた°+(*´∀`)b°+°まぁ参考にしたのはひぐらしのレナEyeΣd( `・ω・´)グッ っていっても中身だけですが(´・ω・`)wとりあえずNewEye習得Σd( `・ω・´)グッ SAIとかでも練習していかんとなぁ・・・・・・・
2007.09.30
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終わッたら必ず誰かにバトンタッチしてください 早くも工工エエエエェェェェェヽ(゚Д゚;)ノ゙ェェェェエエエエ工工1.そんな6人にバトンを回す(回す人を先に書いておく)誰にでもあげますヨ━━━━━━ヽ(´∀`ヽ)━━━━━━ン !!!!!(ぉぃぃゃホンマに迷うんですゎ(´・ω・`)・・・・・・もってく人コメしてくれたら嬉しいかも.゚+.(´∀`*).+゚. 2.お名前は?clawvis or жレイスж Σd( `・ω・´)グッ 3.おいくつですか? (。-∀-)15ッス4.ご職業は? 中学生.゚+.(´∀`*).+゚. 5.ご趣味は?絵、小説6.好きな異性のタイプは? 大人しくてロンゲ好み.゚+.(´∀`*).+゚. 7.特技は?バドミントン強いほうヵも(´・ω・`)w8.資格は何か持ってる? (。-`ω-)ンー検定なら(´・ω・`)wとりあえず理検3級と漢検3級(´・ω・`)ショボil||li(つд-。)il||li11.好きな人はいますか? リアではおりません.゚+.(´∀`*).+゚. 12.あなたが愛する人に一言 今日そっち行って(○´3`)ノοκ?13.回す人6人とその人の紹介をお願いします紹介待ってます(`・ω・´)16.今の恋愛を一言で言うと? 順調アヒャヒャ。゚(゚ノω`。゚(゚ノωヽ゚)゚。´ωヽ゚)゚。ヒャヒャ ってヵいきなり13から16ッすか.゚+.(´∀`*).+゚. 17.年上と付き合ったことある? 眼中にな(ry18.これだけは負けない 小説のオリジナリティー°+(*´∀`)b°+°19.一人旅に出るとしたら? 地面掘って土竜生活(ぉぃ ↑もぐらっすw漢字カッコェェww20.本気で酔った時 飲む気ナス(´・ω・`)w21.好きな芸能人は? ハリセンボン.゚+.(´∀`*).+゚. 女性のお笑い芸人ってなんか好きやわぁ.゚+.(´∀`*).+゚. 22.動物に例えるなら? (。-`ω-)ンーマンボウ?w(ぇ 23.最後の発信履歴は? 配信メール解約届(´・ω・`)24.最後の着信履歴は? ウィルスバスター広告(´・ω・`)25.最後にメールしたのは? My Friend26.アドレス帳の27番目は誰? アメリカンフレンド°+(*´∀`)b°+°27.携帯の機種は? 所持しておりませぬ.゚+.(´∀`*).+゚. 28.アドレス帳の29番目は? 同上(ノ∀`)ペチッ29.何フェチ? 長髪さぁ~ん(ノ∀`)ペチッ30.このバトンを回してきた人はどんな人?ホーミンPq゜v`◆)*・+.。゜賢くていい娘だょ~(ノ∀`)ペチッちょっと最近会ってないからサビシイヵも(´・ω・`)=3
2007.09.24
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僕達は素早く身を潜めた。その人は見た目は別人だが、面影はヴァンスと似ている。そもそもデーモンという血統種族は物や人に入り込むことができるので、この光景は常識に過ぎぬことであろう。群青(ぐんじょう)色だったローブは真っ赤な肩当て付きの黒いマントに変わり、少し背が高くなっている。髪は地毛の紫色だが、左耳にかかっている髪は暗い黄色になっている。ヴァンスに似たその人は左手を渓谷の方に向け、どうやら精霊を集めているようだ。僕達はその人に近づくことを試みた。そろりそろりと陰から抜け出し、彼に近づいた。「あの~・・・・・・あなたはここで何をされているんですか?」その人は左手を静かに下ろし、その手に握っていた精霊石をポケットに入れ、僕達の方を見た。「・・・・・・君達は・・・・・・『妖精』を知っているか・・・・・・?」えっ、と言わんばかりに僕達はどよめいた。「・・・・・・。」その後ずっと黙り続け、僕達に背を向けて立ち去った。呼び止めようとしたが、無意味だと分かっていた。「おやまぁ。命と言う誕生日プレゼントでも持ってきてくれたのか?小僧。」フッと気が付くと後ろにヴァンスがスッと立っていた。僕達は素早くヴァンスとの距離をとり、精霊を召喚。僕は右手にウィークルを構え、左手にCMファングを『覚醒装着』した。『覚醒装着』とは、精霊石が埋め込んである装備には、そのままではその武器の長所を十分に発揮できないのだが、一度その武器に精霊を入れてやると、その武器が覚醒し、本来の姿に目覚める。ちなみにCMファングの武器属性は『幻』という特殊な属性なので、今のところヴァルスィンしか覚醒することができない。しかも、その武器の属性に合った精霊を入れて覚醒しないと、本来の力を出すことはできないのが、『覚醒武器』の欠点である。「ヴァンス殿、あなたは変わりましたな。というより、あの時の体では動けないのでは?」ヴァンスはせせら笑いをすると、懐(ふところ)から剣銃を取り出した。「クローヴィス君・・・・・・この武器の面影を見たことはないか・・・・・・?」ジンが目を凝(こ)らして見ると、ジンの顔つきが一転した。「おいお前、その銃、『クローヴィス』から引っ手繰った(ひったくった)物だろ。」その言葉を耳にしたとき、僕はハッと思い出した。ジンから僕への誕生日プレゼントに、『翼の剣』をくれたのだが、それをヴァンスに預けたままだった。「・・・・・・おかげで言った通りの物ができたよ。『剣を銃にする』事をな・・・・・・。」僕達は人数的には勝てると思ったが、その変わり果てた翼の剣は、自分達の武器よりも遥かに丈夫そうだったし、威力も有りそうであった。「さて・・・・・・そろそろ謝肉祭を始めようか。」ジャキッという銃を構える音は渓谷中に響き渡り、その武器は暗めの緑色に鈍く光る。どうやらラールが憑(つ)いているらしい。僕達は自分達の身が危ないことを知り、防御魔法を唱えるだけ唱えた。「・・・・・・我らに磁力の加護を。『ゾートファミリム』!」という魔法文をガウセルが唱えた瞬間に、ヴァンスの放った弾丸が自分の所に牙を向けてきた。しかし、その魔法は強力な磁波で、なんとかその弾丸の軌道を逸(そ)らす。ジンもバリウスを召喚し、雷属性の防御魔法『バゼラーダディノウ』を唱えて電気の壁を作り、少しながらもその弾丸の威力を抑えようとしている。辺りは、風が渓谷の間を通り抜ける空(むな)しい音が響くが、その音はやがて銃声や金属音で掻(か)き消され、無力と化す。・・・・・・やがて何も音がしなくなり、渓谷は元の静けさを取り戻した。その頃、僕達が勝手に精霊馬車を出し、置き手紙まで残して外出したことにセルヴォイが腹を立てていた。「ハァ・・・・・・冒険に対する好奇心が旺盛なのはいいが、守護神の微笑みも3度までだ。」その言葉にジャルースが苦笑する。「3回までって・・・・・・大分セルヴォイ殿はクローヴィス君をほったらかしにしていたようですなぁ。その言葉がうっかり口から出てくるとなるとのぅ?」セルヴォイが頭を掻きながら相槌を打っていると、ドアを誰かがノックした。「ナンシーです。宅配物をお届けに参りました~。」セルヴォイが足早(あしばや)に玄関に行くと、片方の肩にファルンを乗せ、掌(てのひら)に乗るほどの小さな荷物を持っているナンシーが立っていた。「これはこれはナンシーさん。お荷物ありがとうございます。え~と、サインが必要かな?」ナンシーが軽く頷き、サイン用紙を渡すと、セルヴォイは苗字「マクロフィア」と薄く記した。「これで、よろしいかな?」そしてそのサインをナンシーは受け取ると、ファルンが弱く炎を出し、そのサインを炙(あぶ)った。この世界では、特定の訓練を受けた火霊には郵便配達の仕事に就く事ができる。そして、サイン用紙にその訓練した火霊の炎で炙ると、その荷物がサインしていた人宛に送れているかどうかをチェックすることができる。実際に炙ると、サインした部分の文字が「苗字」ではなく、その家族内の誰かの人の「名前」に変わるようになっている。もしもサインした家が違う人であれば、そのサイン用紙は燃えてなくなり、他人の手に渡らないように筆記盗用の防止にもなる。「えっと、この荷物はクローヴィス君宛ですね。もしかして、また無断外出ですか?」セルヴォイがため息をしながら頷くと、ナンシーはアハハと笑うばかり。「まぁ今頃の年の子達は早く自立したいという気持ちの表れだと思いますよ?ここはせめて大目に見てあげないと・・・・・・と思うのが私の本音ですが。一時私もそうでしたから。」 と、喋りながらも小さく笑い続けるナンシーを見て、セルヴォイもつられて笑っていた。「あ、そういえばこのお荷物、精霊石のようですよ?まぁティール感覚で見れば・・・・・・」と、ナンシーが少し困った顔をした。「この精霊石・・・・・・自分は見たことがないような霊が入ってそうです。こう・・・・・・初めて感じるティール感覚・・・・・・」 ティール感覚とは、精霊石が発する『気』のようなもので、火霊なら赤く暖かく、水霊なら青くほんのり冷たくと言うように感じるのがティール感覚である。「ほぅ。そうですか。まぁ私が受け取っておきましょう。」セルヴォイはナンシーからその荷物を受け取ると、ナンシーは軽くお辞儀をして玄関を出た。リビングに戻ってきたセルヴォイをジャルースが呼び止めた。「むっ、珍しいティール感覚。ちょっと、その箱をお貸しくだされ。」セルヴォイが椅子に座ってジャルースとの間に挟んである机の上にその箱を置くと、ジャルースはゼーセルグを召喚。「ゼーセルグよ。この箱の中から異様なものを感じんか?」ゼーセルグが箱に近づき、箱に手を当てようとした途端、急に手を引っ込めた。「・・・・・・ん?どうしたゼーセルグ。」ゼーセルグが少し黙りこくると、口を開いた。「申し訳ございません殿下、この精霊石に納められている精霊は、私では確認することができません。」ジャルースがその言葉を聞くと、少し髭(ひげ)を撫でた。「ふむ、そうか。ならいいのだ。わしもこのティール感覚は初めてじゃからな。分からないのも無理はない・・・・・・。」「ジャルースさん。・・・・・・開けてはみませぬか?わたしゃどうもこの中身が何なのか知りたいもので・・・・・・」と、セルヴォイがニヤニヤ笑うと、ジャルースは顔をニカッとして、「そうじゃのお、そうじゃのお!開けてみたいのぉ!・・・・・・ここは1つ、2つの選択肢を選びますかな?セルヴォイ殿・・・・・・。」クックックと、笑いが収まらないジャルースに、セルヴォイは2つ選択肢を出した。「そうですな・・・・・・1つは、クローヴィスが帰ってくるのを待ってから開ける。そしてもう1つは・・・・・・」セルヴォイとジャルースが声を合わせて言い放った。「今、ここで開ける!」選択肢を挙げた意味もなく、セルヴォイとジャルースは紐(ひも)を切断魔法『ジーシィリ』を唱えて切り離し、箱の周りを包んでいる紙を大人気(おとなげ)無く破き、箱を開けた・・・・・・。その箱の中には、精霊石と手紙が同封されていた。その手紙の内容は電報のように短く、次の通りである。『クローヴィス君、この石は、君の運命を左右する。 君の運命を変えし者より。』セルヴォイとジャルースは書いてある内容の意味が分からなかった。しかし、その同封されている精霊石は、水晶玉の様にツルツルの球体で、傷一つ無かった。もちろん手垢(てあか)も指紋もだ。「しっかしこの精霊石は異様な色をしていますなぁ・・・・・・ん?」と、ジャルースが疑問符を打った。「セルヴォイ殿。何か見えませぬか・・・・・・?黒い髪の人物が座り込んでいるのを・・・・・・。あぁ、なにか苦しそうな目をしている・・・・・・。しかも若く、男子の様・・・・・・まるで・・・・・・」そこで、ジャルースは息を詰まらせた。この子の名前が頭の中を過(よ)ぎる。もう、あの名前しか浮かんでこなかった。(クローヴィス・マクロフィア!!!!)
2007.09.19
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『セレーカス』・・・数ある物(銃弾、矢等)を無限に使用できるようにする魔法。本人が唱える魔法文の長さにより、増殖する量や速さ等を調節する事ができる。最高持続時間:5年程【~により増殖せよ。】
2007.08.28
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今日模試がありますた(っ´・ω・`)見事に撃沈.゚+.(´∀`*).+゚. そんな最中、上半身だけ描きましたΣd( `・ω・´)グッ なんヵ、もっと勉強しろって怒られてるみたいですil||li _| ̄|○ il||li
2007.08.26
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テイルズオブジアビスの、アリエッタ(o`・ω・)ゞデシ!!デフォキャラを描くのに少々はまってる今日この頃。
2007.08.24
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『アーフォス』・・・自分の所持している精霊を召喚する基本的な精霊呼出魔法。微弱に疲労感を感じるが、すぐ治る。【我を守護する聖なる霊よ。】
2007.08.15
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『ハマター』・・・精霊同士を融合させ、1つの精霊にする魔法。新しい種族や能力を使用することが出来る様になるが、使用者は体力を少し消費する。 【我らの所持する精霊を融合せよ。】
2007.08.15
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とある絵チャットでしばしの間修行を積み、描いてみた絵です。どうかのぅ・・・・・(ノ∀`)ペチッ
2007.08.14
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ぁ~薄いですね・゜・(つД`)・゜・ 何故か描きたくなったので描いてみましたが・・・・・・全然ですね(´・ω・`)ってヵ、もうちょっと濃く描いたほうがよかったかな。。なんか紙の下の方で描いたので、文字が入っちゃってます゚+.(・∀・).+゚.。oO(ヤッチマッタガナ)
2007.08.05
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単なる落書きです。。この下手さといい・・・・・・・・・まだまだ精進しなくては。。でもいずれこの人もどこかで登場させようかな・・・・・・・
2007.07.27
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郵便配達員のナンシーs(*`・ω・*)ゞでぇす彼女はまだ学生なんだな(ノ∀`)ペチッちょっと右目を描くのに慣れてきた今日この頃ww
2007.07.22
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ヴァンスが居なくなったあの出来事以来、僕は6月23日以降、日記を書くのをぱったりと止めてしまった。日記を書き始めてから1週間も満たない事である。ヴァンスと出会ってから、1週間も満たず・・・・・・僕達はその事から離れ、残された磁力の指輪の事について考えている所であった。「しかしこの1週間は実にハードだったなぁ・・・・・・山行ったり都市行ったりジタバタして・・・・・・」ジンが自分の書いた日記を黙読しながらそういうと、実体化していたガウセルがさりげなく相槌(あいづち)を打つ。「そうですな。しかしそれらの経験があったからこそ、アルメさん達や私と会えたはず。今までの事を放棄していたら、多分・・・・・・」ガウセルが続きを言おうとすると、ヴァルスィンも実体化してきた。「私にも話を交(まじ)わらせてもらおうか・・・・・・。」ガウセルが軽く頷(うなず)くと、続きを話し始めた。「多分、クローヴィス殿は平凡な暮らしをしていたでしょうな。それでも良かったのかも知れぬが、それなら今のレヴェナスは無いと考えればよかろう。しかし今の状況が良いと考えれるならば、今までの行いは全て・・・・・・正解と言えるでしょう。」僕は悩み、ヴァルスィンは腕を組み、ジンはココアを軽く啜(すす)り、ガウセルは大きくため息を吐いた。「しかし問題はここからだ・・・・・・。重要な鍵を握る人物がいなくなった今、残された鍵は、知るところ後1つ。」ジンの言葉を耳にしたガウセルは、自分の指にはめていた磁力の指輪を抜き、テーブルの上へ置いた。「この指輪の内側に記された、『カイラマ&セライ』という文字だけですな。」僕達はそのカイラマとセライの意味は分かっていて、場所も知っている。しかし本当の問題は『交通手段』だ。カイラマ島とセライ島の周りは邪悪な結界が張ってあると聞いたことがあり、迂闊(うかつ)に近寄れないのが現状だ。船ではもちろん襲撃され、海上では馬車の移動もできない。それにヴィルム島からも距離があり、帰って来られるかどうかも危(あや)うい島々だ。「まぁ焦ることは無いです。向こうから襲撃が来ることは、前以(まえもっ)てクローヴィス殿が知らせてくれる様ですし、こちらには元産業都市がついているようですしな。地道に策を練りましょうぞ。」・・・・・・その後僕達は考え続け、1週間、また1週間と経ち、ついに1ヵ月後を迎えた。「・・・・・・さて、あれから何十日と経っただろうか。」僕達は、ハァ~と、魂が抜けたかと思うぐらい、重いため息を吐いた。ため息を吐けば幸福が逃げるとはこの事だ。「あ、そうだクローヴィス。7月24日の今日、何の日か知ってるか?」僕は無頓着に首を横に振ると、ジンがまたもやため息を吐いて口にした。「・・・・・・今日は・・・・・・ヴァンス・ラールの誕生日だ。」僕達の中に広がっていた閑静な空気が、どよめきと驚きが混ざったような空気が、疾風の如(ごと)く、目の前を通り過ぎる。「そうだったのか・・・・・・そういえば聞いたことあるなぁ・・・・・・。そうだ!もう一度、エージニア渓谷へ行ってみないかい?もしかしたら・・・・・・」僕が最後まで言わなくても、皆は理解してくれた。誰も賛成か反対かの声もなく、全員外に出て、ナパイヤー家の馬車へと乗った。どこにでもあるこの馬車は、何人でも乗ることのできる優れ物で、人数が多くなるたびに車両を足せばいいし、その車両も、倉庫にしまえる位に小さくできる為、余分なスペースを必要としない。なので、やたらと便利であるが故(ゆえ)に、動力(どうりょく)も馬型の精霊で進むことができるので、石炭や電気とやらも必要ない。もちろん、精霊は『死亡という現象が無い』ので、永遠運行が可能だ。「ジン殿、スピードを出すために、二頭立てか四頭立てにすればよいのでは?」ガウセルの指示を受け、ジンは普段なら一頭立てのところ、二頭立てにした。ジンは全員乗り込んだところを見計らい、馬車回しに寄せて簡単な伝言メモを残した。そして間も無く出発の暗示を精霊にかけ、僕達はナパイヤー家から再びエージニア渓谷に向けて出発した。まだ朝方で少し冷えており、少し空には雲がかかっていた。精霊は快調に走り、渓谷に向けて行くにつれて雲の間から日差しが覗き、美しい朝を迎えた。周りには川が通り、ヴィルム島で一番大きく、僕もこの前訪れたロイドランゲイス湖に繋(つな)がっているに違いない。と、ふと僕はあることに疑問を持った。「ねぇガウセル。なぜ悪の心を持った人がやられると炎がたつのだろう・・・・・・」ガウセルは眉間(みけん)にしわを寄せながら答えた。「それは違うぞ。あれは自分がやられた時にたてる合図だろう。まぁ昔で言う狼煙(のろし)ですな。烽火(ほうか)とも言われるものだが、それで遠距離から味方にでも合図を送っていたのではないか?まぁ実際に自分の身体を生贄(いけにえ)に発火し、味方に知らせる魔法があるが、大抵自分の化身を燃やすことが多いとよく知られている魔法だ。『レストディアー』というのだが、魔法文が短くてすぐ唱えられる。まぁ敢(あ)えて言うが、もしも火霊か雷霊がこの魔法を取得していれば大変な事になる。まぁ聞き流してくれるだけでいい。『我が身を合図に』だ。」僕は言葉通り聞き流し、とりあえずガウセルにお礼を言うと、少し窓の情景を眺めた。馬車にカタンコトンと優しく揺られながら見る風景は少しずつ流れる。空には鳥型の精霊が数体飛び交(か)い、草木の葉は微(かす)かに揺れ、近くを流れる川には魚型の精霊も少なくない。と、僕が大自然の美しい風景に見惚(みと)れていくうちにだんだん眠くなり、僕は少しの間眠った。丁度2時頃で、昼寝にはピッタリの時間帯だ。柔らかな日差しが心地良かったので、馬を操っているジン以外は、僕と同様、少しの間眠った。実は昨日、ミルイが大事にしていた指輪が突然無くなり、徹夜までして探したという大騒ぎになったのだ。その指輪は先週の20年目結婚記念日にセルヴォイからもらった指輪らしく、世にも珍しい『ブルーローズコランダム』と言われるサファイアの1種といわれていた宝石を司(つかさど)った指輪なのだが、色は青紫と言うか赤紫と言うか、とりあえず紫っぽい色をしているのが特徴だ。しかしその値段は聞いただけで目を瞠(みは)った。輪に2つ付いていたのだがその値段はなんと約30ガルン。ヴィルム島から一番近く、ロリヤックが主に生息するウォンバー島で採取できる物だが、これはあまりにも高すぎる品であった。一応見つかったのは良かったのだがミルイが鬼のようになっていたのは、夜の12時を過ぎても治まらなかったので、当然僕達は寝不足だった。そうやって少しうとうとしていると、もうエージニア渓谷に着いた。寝起きのような顔を擦りながら降りると、思わずあくびをしてしまう。「おい、早く隠れろ!誰かいるぞ。」
2007.07.20
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目の開閉、レベッカのたくらみ時の目、シュリーの天使化時の目(ネタばれごめ;;)です。(右側4つ)画質悪くてゴメ━━━゚(ノД`゚)゚。━━━ン!! (修正しました)あと、シュリーの口を少し修正しました。
2007.07.19
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落雷疾風記のレベッカ・アクドルcですbこの子もちょっとだけ出てきましたが、後ほど出てきます(≧ω≦)b しかし上の絵は半月前に描いた絵、下の絵は今日描いたものです・・・・・・相変わらず下手il||li(つд-。)il||liもっといろんな人の絵を見て、学習せねば(´・ω・`)
2007.07.18
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ぇと・・・・・・脇役のシュリー・ワイルsです。まだ登場してませんが、何故か自分は超脇役を先に描く&女性人が先なわけですil||li _| ̄|○ il||li絵を意識し始めてまだ1ヶ月経つか経たないか・・・・・・まだまだ下手。。さすがに素人からの独学はきついですil||li(つд-。)il||li
2007.07.18
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一番大きな国『ファインランド』。守護者サニアとその住民は、必ずどこかに日の恵みを与え続けている。「あぁあ~・・・・・・今日も暇よね~・・・・・・レイニアスとかいたら面白いのに。」と、愛剣のメルレイアをこまめに磨きながら呟(つぶや)く能天気なサニアは、住民からの願望がきては、答えたり行動したりの繰り返し。それがもう何億年も続いている。ここスカイアースの5つの守護者達やその住民は、戦の時はちゃんと使用する武具が決まっている。ファインランドは剣、クローヴルエンパイアは杖、レイニーキングダムは弓と矢、エアカントリーは槍、サンダーユニオンは銃という風に、規定の武具が決まっていて、その象徴となる武器は、守護者が所持している。サニアのメルレイアがそれである。すると、自分のいる大広間に一人の使いが来た。どうやらクローヴルエンパイアの者だろう。2本の杖を所持している。「サニア殿。一時この場所を貸していただけないでしょうか。少々地上人が暑がっている模様。」「承知しましたわ。レイニアスも呼んで、少し御遊戯でも如何(いかが)かと伝えておいてくれないかしら。」使いは少し下がり、軽く礼をすると、すぐその場を立ち去った。数十分後、クローディスが大広間に入ってくると、共に握手を交わした。「使いから聞いたように、半日ほどここにクローヴルエンパイアの領地と者が入ってくる。そこを御許しあれ。」と、クローディスは大きな窓から地上を見渡し、少しずつ影ができている事を確認し、椅子に腰掛けた。「相変わらずクローディスは固いわね~。もうちょっと柔らかくしたらどう?まぁ、それだから使いの人もああなのかもしれないけれど。」「いやはや、これは遺伝というやつだ。私の父や祖父もこのような性格だったらしい。まだ私は未熟な方だ。サニアの気持ちも分からんことはないが、どうやらこの態度をとる事が癖になってしまったらしい。」と、苦笑しながら会話していると、レイニアスが大広間の扉を開けた。「おやまぁ、御揃いで。自分はちょいと忙しかったんだが、まぁすぐ終わるかと思って、軽~い気分では来たものの・・・・・・まぁ、話すことが無ければ、今回は引かせてもらおうかと思うが、どうかな?」サニアが少し眉を動かしたことに関して、レイニアスは少し殺気を感じた。「・・・・・・っと思ったけど、計画上ではここ上空でのやるべきことは済んでたみたい。ちょっとだけお邪魔するか。」サニアがクローゼットの上から、縦横3mの巨大な双六を出し、せっせと準備していた。「んじゃぁ、ちょっとの間時間つぶしでも!もう暇で暇で・・・・・・」と、サニアは大広間から出て、4、5人程人を集めてくると、強制的に遊戯に参加させた。というより、このゲームは陣地の取り合いシュミレーションのようなものなので、将来継承者がいるならば、結構ためになるゲームのため、住人の間でも結構評判の良いゲームなのだ。このように、守護者と住人はとても仲が良く、たまに一緒に遊んだりすることが多い。しかし、ファインランドの人達が白熱するほど、温度は上昇し、地上人は苦しむ。それと同様に、クローヴルエンパイアの住人が白熱した事柄をやると、雲量が増え続ける。レイニーキングダム、エアカントリー、サンダーユニオンの住人も同様だ。そのため、こうやっていろんなところの守護者や住人を集めることにより、白熱するゲームでもバランスが保て、とても面白いものとなる。そのため、サニアがクローヴルエンパイアの進入の許可や、レイニアスを呼んだのは、このためである。しかしその日、レイニーキングダムの住人が有利かつ激しく白熱したため、サニア達はひどくがっかり。レイニーキングダムの住人とクローヴルエンパイアの住人達が激しく陣取り合戦をしたため、一時地上人達は、原因不明の突然な台風の出現で、酷(ひど)く苦しんだ。その状況を窓から見たクローディスは大慌て。「おい、お前達。そろそろけりを付けたまえ。地上が大変なことになっている。」その言葉は、レイニアスに耳には入っていない。まだクローヴルエンパイアの人達と、激しく陣取りをしている。「だーっ!もう!やめよやめっ!このゲームの陣地は滅んじゃってもいいけど、地上は滅んじゃダメなのよ!」その瞬間、原因不明の台風は、何の予知も無く温帯低気圧に変化した。「いや・・・・・・まず種を蒔いたのはサニアだろ・・・・・・」レイニアスが少し呟(つぶや)くのを、サニアは聞き逃さなかった。おかげでサニアは顔が日の様に真っ赤。低気圧すら消え去ってしまった。「おいおいサニア。約束が違うじゃないか。まだ1時間ほどだ。少し落ち着いたらどうだね。」冷たく冷やした氷水を一気飲みすると、椅子にどたっと座り込んだ。「あーもー。ってか、このゲームレイニアスに勝った事があるの数える位しかないんですけど。どういう戦法を練っているのやら。」レイニアスが一人で大きなボードを片付けている最中(さなか)、サニアはぶつぶつと独り言を、聞くに堪えない言葉遣いで、態(わざ)とレイニアスに聞こえるように、呟き始めた。「醜(みにく)い光景だよな~こういうの。自分はこれ片付けたら帰るぞ~。」と、言い終わった時点で、もうクローゼットの上に置いていた。「それじゃあクローディス、自分はお先に帰るからな~。」レイニアスは使いを連れて、遥(はる)か東へと姿を眩(くら)ました。クローディスは軽く咳払いすると、サニアの方から退屈だとか、暇だとか、なんでレイニアスはああなのかだとかいう愚痴が聞こえてきた。「ねぇ、クローディスはレイニアスの事何も思わないわけ?」という疑問に対して、クローディスはきっぱりと答えた。「私とレイニアスは同じ雲類同士で仲がいい訳だが・・・・・・」「はぁ~・・・・・・もういいわ。貴方に聞いた私が馬鹿でしたわ。」すっかりサニアは機嫌を損(そこ)ねてしまった。「少し外の空気を吸ってきてはどうだ?それに、住人の人達と世間話でも持ち込むのもいいと思うが。」そうクローディスが言っている間に、彼女は大広間を飛び出していた。「やれやれ・・・・・・私は影が薄いのだろうか・・・・・・。」クローディスも少し気分が曖昧(あいまい)だったので、大広間を出て軽く洗顔をしていた。
2007.07.17
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さて・・・・・・・・・・・イラストの件ですが(´・ω・`)そろそろ自分で描いたらどうだと自覚しbegan(o'ω')しょーもない絵を載せるのもアレだから、只今特訓中(´・ω・`)でも絵って・・・・・難しいな(´・ω・`)今でも模写がやっとなのに・・・・・・オリキャラとかも形にならないし・・・・・・・(´・ω・`)しかも小説や勉強と両立できない・・・・・・・(´・ω・`)誰か教えてくれんかなぁ;;
2007.07.16
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ここは、大地の無い世界『スカイアース』。この陣地の無い途方もなくある空間に、5つの国ができていることを、ご存知であろうか。その国は何億年も前からあり、大地に住んでいる獣達に、恵みや時に災いを齎(もたら)していた。5つの王国は、晴天の国『ファインランド』、曇天の国『クローヴルエンパイア』、雨天の国『レイニーキングダム』、疾風の国『エアカントリー』、閃雷の国『サンダーユニオン』があり、それぞれが天空にある地域に、それぞれの恵みを施していたり、災いを齎していたりするのである。各国をまとめているのは守護者という地位の者で、晴天の守護者『サニア』、曇天の守護者『クローディス』、雨天の守護者『レイニアス』、疾風の守護者『ウィンディア』、そして閃雷の守護者『ライアン』で国は成り立っていて、それぞれ軍勢を所持している。多く住人を持っている国順に並べるとレイニーキングダム、クローヴルエンパイア、エアカントリー、ファインランド、そして一番少ないのはサンダーユニオンの住人だ。考えてみての通り、ファインランド以外の国らは移動する国で、その国が上空に存在していたり、それぞれが接触すると、天候が変わる。接触しなければ、一帯はファインランドの区域となり、天候は変わらず晴天のままという、変わった世界スカイアース。上空ではどのような協力、戦闘等が繰り広げられているのだろうか、人類はその心を読む事はできないであろう。さぁ、がんばるぞ(`・ω・´)
2007.07.15
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本当にゴメンなさい・・・(´_`illi)あまりにも別のファンタジー系の案が浮かんだため、新しい小説の執筆を開始しました!その名も「気まぐれ天気、時に戦・changeable weather」この小説は、日頃当たり前のように変わる天気を題材とした小説です。晴天の守護者サニア、曇天の守護者クローディス、雨天の守護者レイニアス、疾風の守護者ウィンディア、閃雷の守護者ライアン達が持つ国の協力、争いを、天気の移り変わりに比喩した作品を作っていこうと思います。多分(ぉぃ 面白いと思うので、ぜひ呼んでみてください.゚+.(´∀`*).+゚.
2007.07.15
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校門前に来ると、見事に閉まっている。「おい・・・・・・こうなった場合どうすればいいんだ?」「問答無用。アンタ達ナラ通レルヨネ?ソレトモ、コノ門ヲアタイノ『陰陽術』デ破壊シロトデモ?」3人は息を詰まらせながらも校門をよじ登り、学校に侵入した。まず3人は陰陽術のことも知らない為、校門自体を知らず知らずの内に壊されると大変まずいからだ。「ソシテ次ハ、3-Dノ教室ノ掃除ロッカーヲ退(ど)カシテ、退カシタ先ニアル取ッ手ヲ右ニ。ソウシタラ屋上ニ繋ガル裏通路ガアルカラ、ソコヲマデ行コウ。」すると次の難関がやってきた。教室が閉まっている。かといって職員もいないわけだから、職員室も開いていない。「ショウガナイネェ。偵察人形ノ『力』ヲ見セテアゲルヨ。」すると、葵から蔀が離れ、ドアの鍵の前に立った。「『封式・錠外切開』。」そう唱えたのはよかったが、その後また葵のところへ戻った。「丁度イイ。コレモ練習ヨ。サッキ錠外シノ陰陽術ヲ唱エトイタカラ、指ヲ入レテミテヨ。開クカラ。」と、単刀直入に言う人形に対して右往左往。訳もわからず葵はためしに人差し指を鍵穴に触れさせてみた。するとどうだろう。派手にガチャッという音とともに、ドアが開いた。「ソレミナサイ。~式トイウ風ニツクノガ、陰陽術ナノサ。サテ、今度ハ葵ガヤッテゴランヨ。封式ハ変ワラナイカラ、チョット考エテ唱エテミテ。他人ガ中ニ入ッテコナイヨウニ、『内側から錠を掛ける』コトヲ想像シテミテヨネ。」「う~ん・・・・・・錠を内側から・・・・・・切開はどうやればいいのかな・・・・・・」そこに、陽炎が補足した。「葵、開ケタモノハ、再ビドウスルノ?」「・・・・・・再び閉める。あ、再閉かな?とすると、『封式・錠内再閉』でいいのかな・・・・・・?」葵がそう口にすると、蔀が動揺した。「スゴイジャナイ!正解正解、大正解ダヨ!モウ一度唱エテ、内側カラ閉メテゴラン。」葵が唱えると、蔀の腕が鍵のようなものに変わり、内側から鍵を閉めた。「マァ教室ナンダカラ、内側ニ付イテイル鍵カラ閉メレバヨカッタンダケドネ。マァ、コレモ練習。」3人と3体は教室の掃除ロッカーの前へと移動し、立ち止まった。「んで?ここからこの掃除ロッカーを退かせばいいのか?」命狩が頷くと和希と剣吾は力いっぱい掃除ロッカーを動かそうとした。しかし、その掃除ロッカーは異常に重く、ピクリとも動かない。自分たちの教室の掃除ロッカーは、2人もいれば持ち上げることまでできるのに。「奥ガ隠シ扉ダカラナ。ソウ簡単ニ動カセテモラッテハ困ル。一番早イノハ、『破壊』ダナ。」なぜこの人形達は『破壊』という言葉が好きなのだろうか。と、3人が考えているうちに、命狩が掃除ロッカーの前に立っていた。もう分かるであろう。「『烈式・時雨雹打(れつしき・しぐれひょうだ)』」時雨の如く降り注ぐ雹の様に、掃除ロッカーに打撃を次々と与えて行き、最終的に―――。―――バキッ。掃除ロッカーを貫通。人形達は無頓着で中に入るので、剣吾達もついていった。奥へと目をやると、道がある。通路は暗く、後ろから注がれる一筋の光だけが唯一の明るさであった。やがて教室より少し狭い部屋へと抜けた。「『麻式・腐乱飛丁(ましき・ふらんひちょう』」どこからともなく、陽炎に向かって一本の果物ナイフが飛来してきた。しかし陽炎はなんなく避(よ)けると、投げたと思われる所に近づき、投げ返した。「・・・・・・相変ワラズダナ。デモ、今ハソンナ事シテイル場合ジャナインダ。紫電(しでん)。」コトッコトッと音を立てながら歩き、こちらにやってきた1体の人形。「ソノ者ハ連レカ。」「アァ、ソウダ。自分達ヲ選ンダゴ主人様サ。」そう陽炎が言うと、紫電とか言う人形は口を上下にカタカタと動かし、微笑した。「陽炎トハ、戦闘ヲ交エタクナイナ。遣イガイルダケデ、カナリ違ッテクルカラナ。」遣いというのは、人形を操る人のことだ。「ン?オ前、遣イガイツモト違ウジャネェカ。」「悪イカ?」「悪イモ何モ、マタ最初カラスタートサセルノカ。マァ、俺ハモウゴメンダナ、束縛サレテルミタイデ。」と、彼らの話が十数分間続き、けりがついたところで、紫電は消えた。「でも、本当にこんなところあったんだねぇ。びっくりしたよ。」と、剣吾は、少し狭い部屋の壁をコンコンと叩いてみる。音が幾度となく響き渡り、冷たい鉄板の温度が、音と比例して身体に浸透する。「サテ、練習ヲ始メヨウカ。」人形達が各別々に動き始めると、奥から等身大のわら人形を引っ張り出してきた。「コイツハソコラノ小サイワラ人形トハ格ガ違ウ。燃ヤサナイ限リハ、ホボ永久的ニソノ姿ヲ保チ続ケル。練習相手ニハモッテコイノ相手ダ。」特定位置に設置し、命狩が和希に近づくと、「マズハ、俺ガサッキ出シタ『烈式・時雨雹打』ノ練習ダ。コレハ殺戮人形ノ基本的ナ技ノ一種ダカラ、早ク覚エテオキタイモノダ。」そういって、最初に武術の技の稽古が始まるのであった。
2007.07.14
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やがてエージニア渓谷に到着した。今は晩の7時である。すると渓谷の端に誰かいるのにジンが気付いた。群青色のローブ、赤髪、周りには黄緑色の光・・・・・・(・・・・・・ヴァンスさんだ。なんでここにいるんだ?)僕はふとそう思った途端、茂みに隠れていた僕達めがけて火を帯びた鋭い羽が飛んできた。僕とジンは素早く避けると、目の前にはヴァンスが。「ほぅ、君達はいい物を耳につけているねぇ。・・・・・・そのような汚(けが)らわしい物を!」ヴァンスの指先から針状の炎が出現し、僕達のつけていたピアスを貫いた。「フッ、君達は運がいい。私のこんな姿を見れたのだからな・・・・・・。」するとヴァンスの身体に異変が起きた。真っ赤だった髪は薄い紫に変わり、犬歯や爪が伸び、美しく群青色に染まっていたローブは茶色に汚れた。それはまるで・・・・・・「・・・・・・ヴァンスさん・・・・・・いや、ヴァンス!あなたは『デーモン』だったのか?!」ジンが足を少し引きながら問うと、ヴァンスは憎たらしく笑うだけ。「ハハハッ。まさかこんなに早々と私の正体がバレるとは・・・・・・もったいないことを。」「何がもったいないんだ!」ジンは少しキレ気味で、腰の銃に手を掛けている。「もう少し私を利用すれば良かったのにと言っているのだ。その方が、命拾いできたものの・・・・・・残念だな。ククク・・・・・・」僕はヴァンスの所へ行き、睨みつけた。彼がなぜここにいるのかを知りたかった。「教えてやろう。私がここにいる理由を。・・・・・・死んだ仲間の魂と、そいつらの精霊達の生命力をラールが吸収するためだ。だからラールは無形体なのだ。」「ならなんで火霊なんか持っているのさ。」「フン。まだ分からぬのか。この者の元々の髪が赤だったからだ。」「えっ・・・・・・それが理由?だってお前はデーモンのはずじゃ・・・・・・」ヴァンスはため息をついた。その息は重く、臭いがきつかった。「ハッ、馬鹿め。この者はもう死んでいるも同然だ。いいか、よく聞け。得にクローヴィス・マクロフィア!私・・・・・・い、や俺の名前は・・・・・・」ヴァンスが言おうとした途端、ヴァンスは吐血した。何か体内に異常があるのだろうか。「グフ・・・・・・まぁよい。俺の名前はまだ言わぬことにしておこう。この身体では不十分な要素がありすぎた。」倒れたヴァンスの身体から紫色の火が上がり、ヴァンスは骨とミスリル、オリハルコンの破片だけが残った。「・・・・・・どうやらヴァンスは身体を借りていたらしいな。」「ジン・・・・・・彼は無情すぎる!今まで仲間だと思っていたのに!」ジンは僕に近寄り、肩を抱いた。「クローヴィス、言ったはずだ。『大切な物を盗まれるかもしれない』・・・・・・とな。」僕は仲間がこれから徐々(じょじょ)にいなくなるのではないかと言う恐怖心を覚えてしまった。今、仲間と思っていた人が1人減った。これは偶然ではなく、『運命』。ヴァンスはニクス、赤髪であった。火霊を持ち、いかにもニクスであった。しかし、無形態の精霊は本来存在せず、おかしいとは会った時から分かっていた事だが、彼の従順な態度により、その疑問は吹き消された。そもそも、このエージニア渓谷に来る事となった原因は、商人からもらったピアスだ。いろいろな事で頼りにしていた人が居なくなった為、今度は自分達で考えなければならない。もしかすると、これは『試練』なのかもしれない・・・・・・
2007.07.13
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「おいクローヴィス、どうしたんだいきなり。何かショックなことでも思い出したのか?」ジンが心配そうに僕の肩を軽く叩いた。「あ、ううん、いやなんでもないよ。ただ・・・・・・」「ただ?」「ヴァンスさんの口調がディヴァル島の話になると、突然『~だな』とか、敵の陣地の話にもかかわらずなぜかにやけてたり、とにかく変だったんだ。」ジンは膝を立てて地べたに座り込み、ベルティナの生き残りゲームの参加商品だったピアスをポケットから取り出し、耳に装着した。「クローヴィス、このピアスにはめ込まれている物、なんだか分かるか?」いきなりの質問に、僕は途惑(とまど)った。少し濁った様な石の様だが、ジンが何もしなくても少し揺れているので、軽い物に違いない。「え・・・・・・精霊石か何か?」「いや・・・・・・これは・・・・・・」ジンは下唇を噛締め、頭を少し掻(か)いた。「・・・・・・『歯』だ。」僕は息詰まった。ピアスに歯を使うなんて、聞いた事も無かったからだ。「だが安心しな。これはライトエルフやロリヤック、ラレスやニクス、ニクセの物じゃない。・・・・・・『デーモンの歯』だ。だが問題はここから。この歯を、このデーモンの歯を、あの商人がどうやってこの歯を手に入れたが問題なんだ・・・・・・。」僕はジンの隣に座り込み話を聞き始めた。「デーモンはフェイギル島に住んでいたといわれるが、ここ最近、どこかへ移住したか絶滅したかで姿を消したらしい。もしかしたら近くにいるかもしれないし、埋葬されたのかもしれな・・・・・・」「ジン!エージニア渓谷に行こう!あそこなら何か手がかりがあるかもしれない!」僕はジンの手を引っ張ると、即座に家へ戻った。「母さん!これからちょっと用事で、エージニア渓谷まで行ってくるよ。だから父さんの馬車を・・・・・・」ミルイは完全に拗(す)ねて、怒りを飛ばした。「クローヴィス!さっきは呼んだのに無視するし、おまけにあの危険な谷に行ってくるですってぇ~?!」(ジン!やばい!逃げよう!)「いい加減にしなさい!」怒りという銃で頭を貫かれた。これはダメージが大きい。僕達はナパイヤー家に逃(のが)れた。「ねぇジン、夜中に行ってみないかい?」「おいおいクローヴィス、そいつはやめといたほうがいいぜ。あそこには落とされた奴らが持っていた精霊が、晩になると現れると聞いたことがあるぞ。今回は珍しく僕とジンとの立場が逆になっていた。「いや、その精霊達に話してみるってのはどうだい?」「ハァ・・・・・・言ってる意味分かるか?悪質な奴らの墓場なんだから、たいてい居ると考えれるのは変な精霊ばかりだ。ジャルースさんの精霊は『盗霊』とか言うらしいけど、あぁいう精霊は悪質な奴らばかりだ。あの精霊は偶々(たまたま)善意だったからよかったとしても、もしかしたら大切な物を盗まれるかもしれないぞ?・・・・・・『仲間』とかな。」僕はその『仲間』という言葉が胸に残りっぱなしだった。僕はジンに断りを入れると、僕は家に戻った。もちろん、ミルイやセルヴォイにはこっ酷(ぴど)く叱られたが、これでよかったのだろう。30分の説教後、自分の部屋に戻った僕は、机の引き出しに置いてあったデーモンの歯で作られたピアスを取り出し、それを装着した。(そういえばヴァンスさんはどこで寝泊りをしているんだろう・・・・・・。今度会った時に聞いてみよう。)そう思いながらピアスを弄(いじ)っていると、ドアのベルが鳴った。「クローヴィス!いるかい?ちょっと来てくれ。」ジンだった。僕は階段を飛び降り、外に出てドアを閉めた。「クローヴィス、エージニア渓谷に行こう。ここからはそう遠くないはずだ。今すぐ馬車を出さないと、帰ってこれるのは明日になるかもしれないぞ。さぁ早く!」「え・・・・・・でも馬車はどこに・・・・・・?」「俺の家の馬車を走らせる。だから早く来い!・・・・・・あ、そうだ。そこに少し書き留めておきなよ。何も知らせずに行ったらさすがにヤバイからな。」僕は「最低でも明日には帰ります。クローヴィス」とだけ書き、郵便受けの中に入れた。そして、ナパイヤー家の裏に走った。裏には馬につなぐ車があった。人は車の中から精霊石を取り出し、馬型の精霊を召喚した。「さぁクローヴィス!早く乗れ!気付かれないうちに!」僕は馬車に駆け込むと、ジンは何も言わずに精霊に指令を出した。精霊は音も無しに走り出すと、聞こえるのは風を切る音だけ。耳に着けたピアスが激しく揺れ、風で髪が靡(なび)く。その時、心の底からヴァルスィンの声が。「行けば悲しきことが起きる。私はそう感じる・・・・・・」
2007.06.30
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僕の部屋では、ヴァンスとガウセルが椅子に腰かけ、何かと悩んでいた。「おや、ジン君達。どうかしましたか・・・・・・?」「さっきの戦闘で、ローレライが落としたものや、死体の所持品を漁(あさ)っていたんです。するとこんな物があるローレライが所持していたポシェットのような物から出てきたんです。」僕は胸ポケットに入れておいたあの紙切れを、ヴァンスやガウセルの前で広げて見せた。そして十数秒後、「なっ・・・・・・これは・・・・・・ガウセル、あれを。」ガウセルは右手の中指にはめていた指輪を一旦外し、僕達の前に差し出した。「磁力の指輪とはこの事だ。そしてその裏側には、カイラマ島とセライ島を意味する文字が記されている。どうやらこの2つの島々、何か関係がないかと思い、ベルティナの宿亭にいるときに、私とヴァンス殿とで考えていたのだ。今、ローレライの騒動は一段落ついた。次の目的地は・・・・・・」ガウセルとヴァンスは立ち上がり、部屋にあったラグナロク諸島全体地図の中のカイラマ島とセライ島をそれぞれ指差し、その場所を示した。「彼らの拠点は、この2つの島々のうち、どちらかにあるか、それかどちらにともあるかのどれかだ。しかし、我々が行ったところで、袋叩きに遭う事は目に見えている。向こうも文明を持っている限り、近寄れないのだ。」僕はカイラマ島とセライ島の地形をじっと見て、ある事を思い出した。「父が昔、ラグナロク諸島は1つの陸だったと聞いたことがあります。それはとても長い年月をかけて地盤が動き、やがて7つに分かれたそうです。そう考えると、カイラマ島の西側の海岸線と、セライ島の東側の海岸線との形が一致します。そのローレライの先祖はカイラマ島とセライ島が離れる前に、1つの島として住んでいた可能性があります。そして、長い年月をかけ、ローレライはカイラマ島とセライ島へと分かれ、2つがローレライの住居地となったという話を聞かされたことがあったような・・・・・・」 そこへ盗み聞きをしていたのか都合よくセルヴォイが現れ、話に加わった。「その話は4年前に確立したんだ。おそらくヴァンスさんやガウセルも知っているはずだろう。ならば話が早い。クローヴィス、お前は初めてヴァンスさんに会った時、悪夢を見た人達の名前が挙げられたはずだ。その人達を連れて、ここに行け。」セルヴォイは親指の爪を噛みながら地図の前へ行くと、セライ島からウォンバーを横切り、その丁度真横にある島を指差した。「・・・・・・ドモヴォイの生息地といわれる、『ディヴァル島』だ。セライ島からの距離は約2000km、ここヴィルム島からでもウォンバー島を挟んで行っても約3400kmも遠くにある島だ。だが、相手は悪意心のドモヴォイ。もしかしたらグループを組んで、他の悪意者の種族と生活を共にしているかもしれない。このレヴェナスの様にな。」僕は目を瞠(みは)った。そんな危険な所には行きたくもないし、聞くのも嫌だった。「しかし、独特の『海下道』という、この世には存在しないといわれていた、「海の下にある道」がある。ここから乗り込む事もできるはずだ。その道のりは、善意者の宝庫でもあり、このラグナロク諸島で一番大きい島『ウォンバー島』の首都『ゼラニーベ』から海下道に入ることができ、そこから何らかの移動手段で、そこから約900km離れたディヴァル島首都に侵入することができる。残念ながらその首都名は不明なのだがね・・・・・・」するとヴァンスがニヤリと微笑し、セルヴォイの意見に賛同した。「我々もついて行く事にしよう。元々を辿(たど)ると、私が原点だからな。」おかしい。ヴァンスの口調が微妙ではあるが変わった。何かつるんでいそうだが、そんなことは水に流してしまった。「そうしていただくとありがたい。クローヴィス、すまないがまた家を留守にしてもらわなくてはならない。これも世界のためだ。」僕は返事もなしにジンと部屋を出た。誰も僕を止めなかった。そして階段を2つとばかしで下り、ミルイに呼び止められたが、無視して外出した。
2007.06.04
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そこでは金属音が幾度なく鳴り響き、中には倒れる人も。僕は自分の牙とオスカーの銃を装着し、ジンと共に向かった。僕は銃を構え、8発連射した。6~7発は2体のローレライに集中打撃を与え、1発は弾(はじ)かれた。キィン!という音が鳴り響く中、たった一つ、銃声が鳴り響く。そこにオスカーと合流した。「全くなんて事だ。先程まで何もなかったのに・・・・・・。」そう述べた後、オスカーは戦場の嵐へ消えた。僕は牙を、ジンは銃を2丁構え、同じく突撃した。前後左右から足の裏に仕込まれたハーライドが飛び交(か)い、避(よ)けながら斬り続けたものの、あるハーライドの一閃(いっせん)が、装備している牙の防御域に入っていない肩を掠(かす)った。戦闘用に作られた丈夫な衣類用繊維もスパァンと斬られ、僕は少し腰を屈(かが)めた。他の人達は大量に生産している銅の盾で必死に耐えていた。敵の攻撃を一閃一閃浴びる度(たび)にヒビがはいり、徐々に耐久力を失ってゆく。僕は援護ながらも銃を構え、運よく相手の首筋に銃撃が当たると、バタリと倒れた。そうしている内にホッとしてきたが、それも束(つか)の間。いつの間にか背後には1人のローレライが。そして、僕にかかと落としを構え、一気に振り下ろしてきた!ジンも間に合わない!すると、牙が勢いよくカッと光を放った。僕は恐る恐る眼を開けてみると、手の爪が鋭く尖っていて、鬣(たてがみ)がある人影が。「・・・・・・ヴァルスィン・・・・・・?」矛盾の世界を駆け上がり、本色で登場した龍人幻霊ヴァルスィン。黒く軽そうな鎧に、茶色の鬣(たてがみ)、七色に光る首飾り。僕の頭上で、ハーライドを素手で受け止めていた。「ご主人様。大変時間がかかってしまい、申し訳ありませんでした。」そう冷静に謝ると、ヴァルスィンは受け止めていたハーライドを軽く弾いた。すると、そのローレライは激しく向こうの壁に叩きつけられ、息絶えた。ここから壁までの距離は、まず30mはある。僕はすかさず立ち上がると、飛んでくる剣の破片を避(よ)けながら突進した。すると、ドン!と誰かにぶつかると、それはカルディスであった。「ほぅ、こやつはなかなか運の良い奴だ。」と、僕の首筋を掴(つか)み、握られてしまった。しかしヴァルスィンがカルディスの腹部に膝蹴りをしたので、すぐに開放されたものの、カルディスは距離をとってから、あの厄介者のティルを召喚した。力尽きた精霊は瀕死(ひんし)状態のため、しばらくすれば再召喚ができる。そしてあっと言う間に僕は感電した。ヴァンスの言っていた事が実感できたが、これは長時間耐えることはできない。僕は牙を無造作(むぞうさ)に振り回し、カルディスとの距離をあけた。ヴァルスィンがカルディスの背後に回り、腕を抑え固めると、僕はカルディスに銃を向けた。しかし、カルディスもなめてはいない。ティルに暗示で指示を出し、さっきよりも強い電撃を与えられてしまった。それにもかかわらず、僕はカルディスに向かって発砲した。「ゴホッ!ウゥゥ・・・・・・俺は・・・・・・まだ・・・・・・」そしてヴァルスィンがカルディスを手放すと、抵抗無くバタリと倒れた。「・・・・・・ご主人様。このカルディスという者は仮の姿でございます。なぜなら、この小さな戦闘に易々(やすやす)と首領が出てくる訳がございません。本物は果てなく遠くにいるものと思われます。」仮の姿のカルディスの死体はいきなり発火し炎上。その炎に気付いたのか、3つに分かれていたローレライ達が一斉に北西に撤退した。「クローヴィス君!大丈夫かい!」僕の家の方からジャルースやセルヴォイがやって来て、共に握手をした。「よくぞ耐えてくれた。死傷者はいるが心配せんでよい。死傷したのは兵士達だ。オスカー君は傭兵(ようへい)として戦ってくれたが、幸い傷も浅い。他の一般市民の人達は、わしの家の向かい側へある公会堂に避難している。さすがにここからローレライは気付かなかったらしく、その周辺の人達は皆無事じゃ。これからやられたローレライの駆除をせにゃおえんから、君達も手伝ってはくれぬか?なぁに、相手の貴重品を取り、そのローレライの死体をこの南に行った所にある『エージニア渓谷』に投げ捨てるだけじゃ。といっても10km近くはあるのぉ。」エージニア渓谷という所は昔、邪悪な魂を鎮圧する力を持った精霊が生息しており、よく邪悪な者の遺体を投げ捨て、その精霊達の力を借りて、供養していた。しかし今はその精霊も姿を消してしまい、一応昔の名残(なごり)で、今でもその方法で駆除している。僕は早速、一番激しかった中心の戦地へ向かった。そこではもう駆除活動が市民総出で行われており、貴重品が一箇所に集まっている場所を見てみると、精霊石はもちろんのこと、精霊石とは違う魔石や魔書、首飾り、懐中時計等があり、価値がある物やない物、それぞれ分別されていた。そこへ、僕がいる所から10~20歩行った所に、1つの遺体があった。腰にポシェットのような物を着けており、中には親指ほどの大きさの火薬が30個ほどあった。そして更に探ってみると、奥の方にメモをした様な紙切れが1枚、4つ折にして、揺れても絶対に落ちないような隙間に挿(はさ)んであった。そこにはこう書かれていた。『ケヌヲジモノクラウユシキテレワ。 ケレゴウベニリオナトノワビユノークヨリジン。』「・・・・・・。」「・・・・・・。」僕とジンは途方に暮れてしまった。重要なことが書いてある様に見えるのだが、何が書いてあるのやら分からない。「う~ん・・・・・・俺にとっては最後の『ジン』っていう所が気になるな。しかもその前が『ヨリ』。~様より・・・・・・ってよく言うじゃないか。多分ローレライの間では、より~様なのかも。」「そうだけど、こういう読み方でしか読めないのかな。最後に『ン』があるから、逆には読めないはず・・・・・・」そう僕が言い終わろうとした時、僕は気付いた。「ジン、この文章は僕達でも読めそうだよ。2文ある内、2番目は置いといて、1番目の文は逆から読むと、『われてきしゆうらくのもじをぬけ。』つまり、『我らの敵の集落の文字を抜け。』っていう意味だよ。そして、2番目からその文字を抜けばいいんだよ。この文章の中での敵は、僕達の集落の事だよ。たった今レヴェナスになったばかりだから、多分この文章で抜く文字は・・・・・・」ジンも納得して、その文字を指差した。「べをヴェに直すと、レ・ヴェ・ナ・ー・ン・・・・・・だな。そうして逆から読むと・・・・・・」「『じりよくのゆびわのとおりにうごけ。』つまり、『磁力の指輪の通りに動け。』って意味だね。」しかし僕達は躊躇(ためら)った。磁力の指輪とは・・・・・・?「これは・・・・・・磁神のガウセルに訊(き)いた方がいいな。すぐ行こう。」と、僕達は自宅へ走った。
2007.05.23
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僕はドアを開けると、ジャルースが来ていた。どうやら10日に1回の長同士の会議らしい。「おぉ、クローヴィス君。帰ってきましたか。・・・・・・ほぉ、その武器はなかなか良い素材でできていますな。ミスリルとオリハルコンが見つかり、それを材料として作ったのですか。精霊石も着けてありますな?それでいいのじゃ・・・・・・。」僕はジャルースにオスカーから借りている銃も見せた。「・・・・・・これもまたかなり使い込んだ銃ですな。しかし、なかなかデザインも良いし、撃ち心地もよさそうじゃな。しかも無限弾丸の魔法までかけておるな。」僕は驚いた。ジャルースは何でも見通す力があるのを。「まぁわしの所持している精霊がいなければこんな事はできんのだがな・・・・・・。」「え、ジャルースさんも持っているのですか?」ジャルースは長いひげを撫(な)でながら答えた。「あぁ・・・・・・。わしの髪の毛は黒いが、実は染めとるのじゃ。母がラレス、父がニクスでの、その間に生まれたわしは頭髪が真っ赤だったのじゃ。そして10歳ぐらいじゃったかな、まるで熟したリンゴの様に赤かったわしの髪を、その時染めることにしたのじゃ。とりあえず、オールラウンドのライトエルフの髪の色に染めたんじゃ。黒だけじゃったから、値段も他のよりやすかったぞい。」と、いきなりジャルースは高らかに笑い、僕もその勢いで笑ってしまった。「まぁ毛の話はそれぐらいにしておいてだな、わしは・・・・・・忍霊を持っておるのじゃ。しかしわしはあまりその精霊は使いこなせてはいない。しかしじゃな、わしが命令せんでも、この誠実な精霊は自分のやるべき事を果たしてくれる。その精霊の名は忍霊『ゼーセルグ(イディー科)』(犬人型♂)といってな、動きが素早い精霊の一種じゃ。」とその瞬間、ジャルースの隣に精霊が来臨した。身軽そうな服装に、肩、腰、太股(ふともも)に忍びナイフが仕込んである。「御呼びでしょうか、殿下。何かご用件を。」畏(かしこ)まった口調で登場したゼーセルグ。人の様な体つきに眼が光り輝き、いかにも生き生きしている。「いや、今お前の紹介をしていたところさ。少し自己紹介でもしてくれ。」ゼーセルグはジャルースに向かって軽く礼をすると、僕とセルヴォイの方に向いた。「・・・・・・大変申し遅れました。私(わたくし)の名はセーゼルグと申す忍霊。是非(ぜひ)、貴方様達のお力に少しでもなればと思っております。これから長い間とは思いますが、よろしくお願い申し・・・・・・」と、畏(かしこ)まった口調で自己紹介をしていると、何だか外が騒がしくなってきた。そしていきなりドアがバン!と勢いよく開いた。集落の住人2人だ。「セルヴォイさん!敵襲です!ローレライだ!急いでください!」皆(みんな)は慌てて外に出た。するとどうだろう。さっきまで何も異常はなかったレヴェナスが、3箇所で争いが起こっていた。「これはいかんぞ!早くそれぞれの所へ援護を!」ジャルースも勢いあまって外に飛び出した。僕はジンと組み、一番西である争いの援護へ向かった。
2007.05.13
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なっ、なんとっ!ブログにチャットルームを開設してしまいました!(≧ω≦)b皆さんにたくさん使っていただきたかったので、なんと5つも開設(≧ω≦)bできれば、小説などを題材に話をしていただきたいと思います!もちろん、世間話もおk(≧ω≦)b左のメニューの上のほうにチャットルームがありますので、そこからお入りください!尚、ここからでもいけます。チャットルーム皆さん、まってますb
2007.05.06
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2時間ぐらい経(た)っただろうか、サウザント・クロー自体は完璧に仕上がり、ジンは精霊石を埋め込む場所を設(もう)け、僕の精霊石を加工しはめ込み、その上から青銅のカバーの様な物を付けて、完成した。本来サウザント・クローには精霊石が含まれないので、僕が名前をつけた。その名も『CMファング』。鉤爪(かぎづめ)どころか、牙のように鋭かったからだ。さらに僕のイニシャルをつけた、完全オリジナルだ。CMファングには、歯の様に刃が8本もあるという珍しい武器で、広範囲を攻撃でき、威力もあるのが利点だ。装備している手の肘まで覆うので、防御面でも優れている。もちろん手に装備する物だ。僕は早速小屋の外へ出た。ジンの事だから、重かったりはするだろうが、切れ味は抜群なはずだ。しかし驚いた事に、重くない。「鉤爪や牙を基本とした武器は、軽くなくちゃあ意味が無い。日頃使っている手や歯と同じぐらいの軽さでないと、扱いにくいからな。」僕は納得しながら、ジンが用意した割ってない薪(まき)を10本ほど用意し、僕はその薪に向かって牙を向けた。スパァン!という爽やかな音と共に、太い薪はバッサリ切れた。しかし、ヴァルスィンは出てこない。「・・・・・・もしかしたら気合が足りないとか、その点はどうなんだ?」と、ジンに指摘された。ジンにも聞いた所、魔法文は間違ってなく、夢の情報は間違ってはいなかった。そこへ夢で会ったオスカーが訪れ、久々に会った様な顔をする。「・・・・・・クローヴィス、帰っていたのか。無事でよかった。・・・・・・戦闘の過程を進めているのか?」僕やジンは頷きながら理由を話すと、訳も言わずに稽古に加わった。オスカーは周辺の割れた薪を数本拾い上げ、ちょっとした台の上へ並べると、僕に試練を出した。「『一刀両断』という技がある。神経を集中させ、並べた物が倒れない様にそのまま横に切るのだ。・・・・・・クローヴィス、お前にはできるか?」僕は返事をしないまま楽な姿勢になり、集中した。30秒後ぐらいに僕はCMファングを構え、一気にその薪に突撃した。1本の薪は横にスパァーンと切れたものの、その振動で周りの薪が数本倒れてしまい、見事に失敗。「・・・・・・まぁクローヴィス。見ているがいい。」と、懐(ふところ)に潜めてあった短めのナイフを取り出すと、素早く走り出し、2本の薪を一気にバッサリと切った。周りの薪は倒れず、切った下部も倒れてはいなかった。「・・・・・・という風に、斜めに切るのがコツだ。・・・・・・試しに銃を使っては見ないか?狙いを定める練習にもなるし、定めるには集中力も必要だ。」オスカーは太股(ふともも)に着けていた2つの短銃を外し僕達に手渡されると、すぐに構えて十数秒後に僕は発砲した。「・・・・・・外したようだな。ジンはどうだ?」ジンの方から銃声が耳を貫通すると、見事に外した。「まぁそう焦らせるなよ、オスカー。もうちょっとだったのにな。」僕達が撃った距離は、わずか20m。集中力が衰(おとろ)えているのが一目瞭然(いちもくりょうぜん)だ。オスカーは、装備している銃器をジャキジャキいわせながら的に向かって歩いていくと、ある所へ印をつけて手招きをした。どうやらここで撃てとの事らしい。僕とジンは走って近寄り、素早く銃を構えると、集落中に響き渡る銃声と共に薪を貫(つらぬ)いた。「うむ・・・・・・なかなかいい線に立っているな。ここから的までの距離は、わずか10m。この腕なら、まだ近距離戦にしか使う事ができない。本来、銃という物は遠距離戦や暗殺に使用されてきた。今回の戦いでも、我々レヴェルス側の大きな戦力になるだろう。クローヴィスの場合、片手に銃、もう片手に自分専用の武器を装備すれば、十分だろう。その銃はお前達にしばらく貸しておいてあげよう。弾は無限弾丸の魔法をかけてあるから、最高持続時間5年のところ、今は2年は持つようになっている。練習に集中できるよう、健闘を祈り、期待する。」そう言って、オスカーはその場から立ち退き、残ったのは僕とジン、撃たれた薪。銃弾に撃ちのめされたものの、無限弾丸の魔法がかけてある限り、撃った弾丸は数分後に消え失せる効果があるらしく、よく撃った痕跡の残らない暗殺によく使われたとか。しかし最近になると、消え失せるのはこの魔法ぐらいしかないのと、撃たれたと思われる所が激しく凹(へこ)んでいる所があれば暗殺容疑になる為、暗殺などの事柄は以前よりだいぶ減ったとセルヴォイから聞いたことがある。ジリジリと僕達を照りつける空をハッと見ると、太陽が真上を横切ろうとしていて、僕達にお昼を告(つ)げた。僕はCMファングを抱き、午後2時に会う約束をすると、僕は家に向かって帰った。
2007.05.04
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ハッと気付くと、僕は机の前にいた。転寝(うたたね)していたのだろうか?そうすると、昨夜ベッドで寝たのは夢だろうか?昨夜(ゆうべ)寝られなかった事も、オスカーに会った事も、時計を2時まで睨(にら)み続けた事も、全て夢なのだろうか・・・・・・もしかしたら、無意識の内に製作図を取り出そうとして、そのまま寝たのだろう。僕は夢の中で踊っていただけのようだ。階段をトットットッと下(お)りると、先に起きていたセルヴォイが食パンの耳を齧(かじ)っていた。「おぉい。遅かったな。もう10時だぞ?」「それじゃぁ今そのパンを齧(かじ)ってる父さんはどうなんだよ。どうせ今頃起きて、朝ご飯食べてるんでしょ。」セルヴォイは僕から目線を逸(そ)らし、小腹が空いたからという事を理由に、食パンを食べきった。「それよりクローヴィス、ジャルースさんが家を出た後、ジンが何か用件がありそうだったらしいが、お前はどこにいた?」「え?寝てただけだけど。まぁ、パンをおくれよ。僕もお腹空いてるからさ。」僕はセルヴォイの前に置いてあった2、3枚ある焼きたてのパンの内、1枚を手に取ると、蜂蜜(はちみつ)をたっぷりかけて齧(かぶ)り付いた。「それじゃぁ後でジンの所に行ってきな。多分、武器関連の話だろう。」僕は頷(うなず)きながら、逆(さか)さまにしてあるコップを戻して牛乳を注(そそ)ぎ、半分ぐらいまで飲んだ。すると、あの時ウィルが値切って買ったジャガイモをミルイが分けてもらったらしく、それを軽く焼いて、バターを乗せたバターポテトが、ミルイに連れられ奥からやって来た。僕は軽く平(たい)らげると、ミルイに断りを入れて家を飛び出した。あっと言う間にジンの家に辿り着き、ベルを鳴らすと、アイリが出てきた。「おはよう!もしかしてジンに用件があるの?」アイリは常に気高なのが長所だ。「・・・・・・あぁ、今いる?」すると、アイリの背後からジンがヌッと現れた。何だか暗い顔をしている。「クローヴィス・・・・・・なんで昨日出てこなかったんだ・・・・・・?せっかく『サウザント・クロー』の製作をやろうと思ったのに・・・・・・。もしかしたら今日、ローレライが・・・・・・」「あ・・・・・・ごめん!今日必死扱(こ)いてやろう!」そういうと、ジンは機嫌を取り戻し、自分の小屋に手招きした。「・・・・・・にしても、あの時は大変だったなぁ・・・・・・危(あや)うく見つかる・・・・・・」と、少しばかり昔のことを僕は話し始めると、ジンが止めた。「まぁ昔のことはもう気にしないでくれよ。また仲が悪くなってはたまったもんじゃないからな。」ジンは少し笑いながら答えた。色々と言っている内に小屋に到着し中に入ると、もうサウザント・クローの模型が作られてあった。模型は拳(こぶし)ほどの小さな物だったが、姿形(すがたかたち)は図鑑の絵の通りだ。「・・・・・・後は製作だけだ。材料はもう用意できているから、2~3個ほど作れば十分だろう。」そこで僕は精霊石を取り出し、ジンの前に差し出した。訳を言うと、ジンはすんなり承知し、僕専用のサウザント・クローを作り始め、僕は材料運びと設計チェックだ。
2007.04.29
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「うぅ・・・・・・。」僕は目を覚ますと、自分の部屋のベッドに横たわっていた。風景は変わらなかったが、なんと時間が約10時。寝すぎてしまった。僕はベッドから降りると、ランプが点いている机の上にある精霊石を見て、思い出した。指輪の事だ。恐る恐る左手の中指を見てみると、その指輪は見事にはまっていた。その指輪には読めない文字が書いてあったが、ロイドランゲイス湖にいた時、ジンが設計図に書いていた文字にそっくりだった。ジンは仲直りした両親の許(もと)へ帰ってしまい、自分の部屋には沈黙の2文字しか当てはまらない。いつもの様には戻ったものの、やはり淋(さび)しかった。僕はベッドへ寝転がり、明々と点いているランプから放たれている熱に包(くる)まれながら、姿勢の悪いまま日記帳を開いた。『6月23日 ついにレヴェナーンに帰って来ることに成功した。しかしレヴェナーンの姿は変わろうとしており、産業都市ナイルスと合併する予定。合併すると、レヴェナーンはレヴェナスに名を変え、戦力を増す。ローレライも軽々追い返せるだろう。ナイルスの長ジャルースさんは、初めに寄った休憩所でマァティスの仮面を授けてくれた老人だった事にはさすがに驚いたが、僕が一番驚いたことは、そのお孫さんの内、3人は僕とほとんど同い年だとか。早く会ってみたいなぁ・・・・・・。』少し今晩は気が弾まず、元気も無いまま再び床に就いた・・・・・・。僕はその晩、夜中の1時になっても眠れなかった。昼間に寝すぎたのではなく、気分が落ち着かない。僕はこっそり部屋から抜け出し、ご無沙汰だった家の周辺を散歩した。周りはとても暗く、月明かりが雄一の灯(ともしび)。足元に気を付けながら、テクテクと行ったり来たり。そこへ1人の男性が僕に近寄ってきた。「・・・・・・カルメス山はどうだったんだ?相当疲れただろう。」オスカーだった。聞いた話によれば、オスカーは真夜中になるとレヴェナーンの事レヴェナスを歩き回り、その剣銃捌(さば)きを活(い)かして夜間パトロールをしているそうだ。「あぁ、結構疲れたよ。だから落ち着かなくて・・・・・・」「・・・・・・そうか。俺はなぜあの悪夢を見てしまったのだろうか・・・・・・。今でも疑問に思うのだが・・・・・・。」僕はカルメス山に行く前の事柄を思い出した。僕とオスカーの他にも、ティクル、シュリー、ジンがいる。しかし、これはあくまでも重大な鍵を握っている人物の話。「僕も時々そう思うんだ。そもそもなぜ悪夢で知らせる必要があったんだろう・・・・・・。」「そうだな。しかしそれは俺でも、他の人でも分からないだろうな。とりあえずナイトメアとは何らかの縁があるのだろう。だがそれなら、セルヴォイさんも関係してくるはずだ。しかし彼は悪夢を見なかった。どういうことだろう・・・・・・?」僕は少し寒気を感じた掌(てのひら)に軽く息を吹きかけ、そのときにチラッと見えた指輪の事を話すことにした。「この指輪の中には、僕にしか持てない精霊が眠っていて、名前はヴァルスィンって言うんだ。昼寝をしていたら、夢で会ってさ、元々はお祖父さんの精霊らしいけど、凄く誠実な精霊だったよ。」「へぇ~・・・・・・俺も精霊は持っているぞ。『風』だけだがな・・・・・・・。それで十分。」と、腰に差していた名剣『ゲルクナーガス』を抜き、地面に刺して魔法文を詠んだ。ゲルクナーガスは、刀身が半透明だがほぼ透き通っている、まるでガラスで出来ているかのような剣だ。なぜこの剣が名剣かというと、今から20年程前、オスカーの故郷でもある、メイリル島の『ウォンキャベルネイ』という集落の周辺で善良な者同士の仲間割れが起きた。その時まだ幼かったオスカーのはといつの間にか離れ離れになり、1人で修行をし、風を味方につけたそうだ。その途中、別名『風神の秘剣』と呼ばれていたゲルクナーガスを発見し、愛用してきた。そもそもゲルクナーガスのような種類は残り2つあり、ゲルクナーガスの他に、『風神の左籠手(さこて)』の事『バルクナーガス』、『風神の右籠手(うこて)』の事『ダルクナーガス』の2つがあるらしい。これらの3つが揃(そろ)って、『参武塵風剣(さんぶじんふうけん)』と呼ばれる為、それらの3つは秘剣と呼ばれる様になったらしい。やがて、1体の狼の様な精霊が現れた。「ふぅ・・・・・・。こいつの名前は『エリス(アバリット科)』(狼型♀)。『炎』や『水』など、形ある魔法の手助けをする魔法を得意とする、援護精霊だ。移動の時も、背中に乗れるから結構速いのが特徴だ。」そこで、僕はオスカーに精霊の召喚魔法文を教わった。「いいか、自分の所持している全ての種族の精霊は、『アーフォス』という魔法で召喚できる。文は、『我らを守護する聖なる霊よ』と言えばいい。アーフォスと言ったところで、精霊は出てこないから気をつけろ。」僕は頷(うなず)き、早速その魔法を唱えてみる事に。「・・・・・・わ・・・・・・我を守護する聖なる霊よ。いでよヴァルスィン・・・・・・!」唱えたものの、精霊は出てこない。「ほぅ。どうやらその精霊は出す所と出してはいけない所を区別できるようだ。まぁしばらく待て。」僕は少しがっかりし、オスカーにもう少し精霊の事について聞こうと思ったが、あまりパトロールの邪魔をしてはいけないと思い、理由を言わぬまま、家に戻った。親が眠る中、僕は床が軋(きし)む音にドキドキしながら部屋に戻り、机の前に座り、柔らかなランプの明かりに顔を照らされて、気分は朝方の朝日を浴びる様。時計は2時を差しそうで、しんみりとした空間の中、刻々と時間が過ぎる。チッ、チッ、チッ、チッ・・・・・・時計は、何だか僕を甘やかしている様な音で、時を刻む。別に時計を憎(にく)んでいる訳ではないが、それは自分が自分を甘やかしている気持ちでいっぱいの時、そう感じるのかもしれない。・・・・・・ついに時計は夜中の2時を差した。特別な時間ではないが、1時間は早い。僕はなぜか疲れが生じてきたので、ベッドの布団に潜り込むと、息絶えるかの様に、眠った。
2007.04.21
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ハッと気がつくと、僕は見知らぬ所にいた。地面は真緑で、空は赤い。周りは紫の草原が広がり、少し先には黄色の池が。とにかく、今いる場所は普通ではなく、全ての物の色が矛盾していた。僕はしばらく歩き、辺りを見渡すと、閑散(かんさん)とした雰囲気の打ち破るような存在感のある龍人がいた。服がなんとも言えぬ色合いで、ほとんど黒に近いが、よく見れば、赤っぽくも見えるし、青っぽくも見え、緑にも見える。多分、この服の色も、矛盾しているに違いない。顔は人間ではなく、龍の顔にしか見えなかったが、体つきは丸っきり人間だ。髪の毛は馬の鬣(たてがみ)の様に生え、紫に近い。手には龍の様な爪があり、鋭く尖っている。首飾りも着けており、中心の小さい球体がキラキラと輝いている。そしてまもなく、その龍人は僕に近づき、その場に跪(ひざまず)いた。「ケルイバル様の命により、貴方様の近くに置いて頂ければと思います。私の名前は幻霊『ヴァルスィン(アフィリム科)』(龍人型♂)と申します。・・・・・・貴方様はケルイバル様が亡くなった理由をご存知でしょうか。」僕は気付いた。あの時ケルイバルが僕に授けた精霊は、この精霊だったという事を。「え・・・・・・そもそも、僕は精霊を持てないのでは?あの時、祖父が言っていました。お前にしか持つことのできない精霊を授けると。あれは嘘なのでしょうか?」「では、申し上げます。貴方様が持てない精霊は、一般的に皆様が所持している『火霊』、『風霊』、『水霊』、『雷霊』、『自然霊』、『磁霊』、『守護霊』、『邪霊』、『呪霊』、『忍霊』、『刻霊』、『癒霊』、『盗霊』などの事でございます。しかし、それは貴方様が特別だからなのです。しかしながらこの私『幻霊』は、逆に一般の皆様が所持する事が出来ない精霊でございます。ケルイバル様は、私を一番初めに発見した方として、一生仕えさせて頂きました。しかしケルイバル様がこの世にいなくなった今まで、私はその間、身を潜めておりました。」僕はその誠実さに圧倒されながら聞いていた。ヴァルスィンは一息入れて、更に続けた。「しかし今、私の目の前には貴方様、いわゆるクローヴィス様がおられます。貴方様にお仕えする為、今この場を借りて、お話をさせてもらっております。」ヴァルスィンは懐から指輪を出した。そして僕の手を取ると、その指輪を左手の中指にはめた。「その中には特殊な精霊石が埋め込んであります。それさえあれば、私は貴方様をできる限り護衛いたします。ではこれで・・・・・・。」ヴァルスィンは矛盾している世界の中を駆け巡り、身体の色を変えながら消え去った。しかしその後、僕はいきなり身体の力がスッと抜け、その場に倒れてしまった。身体が重く感じるにも拘らず、起き上りたいのはやまやまなのだが、そんな気分もやがては薄れ、眼も重くなり、まるで死んでしまう様な気がした。
2007.04.21
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彼の名は、三八九 聖(さばく きよし)。20代後半の独身。職業はオカルト作家という微妙な人であるが、評判は悪い訳でもなく、性格も悪くない。剣吾達にもいろいろと世話をしてくれる優しい人だ。「普通、マリオネットに刃なんか仕込んでないし、テグスもこのマリオネットから放出されたものだろう。誰かに操られている訳でもなく、機械的に動かされていたわけでもない・・・・・・。」ふと葵が恐々マリオネットの部品を拾うと、あることに気付いた。「あれ・・・・・・マリオネットに、指輪・・・・・・?」蝶番(ちょうつがい)が仕込まれた左太股の部品と見られる所から、小指にはめるものなのだろうか、小さめの指輪が出現した。「それをはめると、人形が操れる・・・・・・なんてね!」和希が冗談半分で言っている間に、葵がその指輪を小指にはめていた。するとどうだろう。葵が持っている指輪の入っていた太股の部品が手から離れ、バラバラになっているマリオネットの部品が掻き集められている所から十数個の部品が宙を舞い、やがて1体のマリオネットが元の姿に戻った。「あら、これ私が使ってたマリオネット。すっかり元通りになっちゃった。」その姿を見た聖は奇声を上げながら部屋を出て行った。オカルトのネタが思いついたらしい。聖はこういうことに敏感で、性格がガラッと変わる。「コンニチハ・・・・・・。」「わっ!喋った?!」剣吾が驚く様子を見ると、そのマリオネットは話し始める。「イキナリ壊スナンテ、ナカナカ人間モヒドイ事スルンデスネ。アタシノ名前ハ蔀(しとみ)。人形種ハ偵察人形。マタノ名ヲ『スパイドール』ッテイウンヨ。」葵がヒクヒクしながら聞いてると、その茜とか言うマリオネットは、他のバラバラになった2体のマリオネットを見てびっくり。「ナ、ナンテコトスルノヨ!オトコ2人ガバラバラジャナイ!ホラ、アタシト同ジヨウニシテ、アノ2人モ元ニ戻シテヨ!」その言葉に剣吾と和希は驚き、辺りに蝶番の付いた部品がないか探した。「おっ、あったあった。これだな。」和希がその部品を開けると、やはり指輪が。この指輪は中指に付けるのが良さそうだった為、和希は中指に装着した。すると前と同様部品が集められ、また1体のマリオネットが元の姿に戻った。「フウ・・・・・・ヤレヤレダナ。・・・・・・ン?オ前ガ俺ノゴ主人様ッテ訳カ?マァイイダロウ。俺ノ名ハ命狩(めいが)。人形種は殺戮人形。マタノ名ヲ『キラードール』トイウ。」そう説明してる間に、剣吾も指輪を発見し、薬指に装着。残りの部品が宙を舞い、3体目のマリオネットが完成した。「オヤ、ハジメマシテ!僕ノ名ハ陽炎(かげろう)。アナタガ新シイゴ主人様デスネ?ヨロシクデス!」どうやら、持ち主と人形の性格がよく似るようだ。「チナミニ、自分ノ人形種ハ暗殺人形。『アサシンドール』デス。」3体の人形をよく見ると、繋ぎ目が消えている。見た目は人間そっくりで、口調がおかしい所以外は、普通の人間と瓜二つであった。「サテ、アタシラヲ覚マシテクレタコトニハ礼ヲ言イマスワ。ホンマ、アリガトサン。ホヤケド、アンタラニハチョイトシタ『シケン』ッテノヲ受ケテモラワナ、アカンノヤ。『人形遣いとして』ノナ。」蔀の言葉を聞いて、和希が反応した。「ちょ、ちょっと待てよ。・・・・・・何?『人形遣い』としての試験って。」その一言を聞いた3体は動揺し、陽炎が答えた。「エッ、貴方達ハ『人形遣い』ニナリタクテ僕達ヲ覚マシタンジャナイノデスカ?」こちらにとってはよく分からない発言に、あたふたするばかり。「マァ、俺達ヲ覚マシテシマッタコトハ、ショウガナイ。『人形遣い』ニナッテモラッタ方ガ話ガ早ソウダ。既ニオ前達ハ俺達ヲ操ル為ノ『リパルリング』ヲ装備シテシマッテイル。ソノ指輪ハ、「死ぬまで」外ス事ハ出来ナイダロウ。コレカラ、スグ近クノ駅ノプラットホームニ来テモラオウ。ソコデ、『午後5時23分に3番線から来る【葬謁知高鋼車(そうえつちだかこうしゃ)】』トイウモノニ乗ッテモラウ。一般ノ人間ハ、ソノ電車ハ見エナイ。一応無料デ通過デキルヨウニシテオイテヤロウ。」命狩はそう言い伝えると、その場に座った。「一ツ聞クガ、オ前達本当ニ何モ知ラナインダナ?」剣吾たちが頷くと、命狩や蔀、陽炎が自分の持ち主の前に立った。「ンジャァ、5時23分ガクルマデ、僕達ノコトヲ少シ学ンデオイタ方ガイイネ。チョット練習シニ行コウカ!」3体のマリオネットは、それぞれの主の体に装備された。命狩は和希の左肩、蔀は右膝、陽炎は左手に。(ソレデハ、イツモ行ッテイル学校ヘ!)剣吾達は自転車に跨(またが)り、学校へと足を運んだ。
2007.04.07
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「親父、俺はあの時家を出た。俺は一瞬喜びを感じたんだ。ちょうど反抗期だったからな。ちょっとした事で怒り易くなると聞いた事があったが、本当だったんだな。・・・・・・正直、俺も反省してる。悪かった。母さん、ごめんな・・・・・・この一言しかかけられないよ。今まで育ててくれたこと、感謝してる。・・・・・・ありがとう。それとな、これを見てくれないか?」そういうと、僕とウィルに目線が合わせられた。ウィルがバルセンダーの入っている皮袋と鞘を取り出したので、僕も出した。そして、鞘からバルセンダーを抜き取ると、思い切り地面に突き刺した。周りの住民は驚きの声が上がる。「俺達3人は、首都ベルティナで生き残りを賭けたサバイバルゲームに挑戦し、見事に未成年3人1チームの生き残り時間を更新したんだ。その賞品に、昔ベルティナでしか作れなかった『バルセンダー』という片手剣を貰ってきたんだ。3本もね。これで新しい武器でも考えよう。」ジンはバルセンダーを両親に手渡すと、両親は涙を拭き取り、4人を抱いた。「いや、実に良かった!これでもう仲直りしましたね。丁度今、ローレライが攻めてくる事が判明しています。貴方達ご家族の活躍が期待される時です。頑張ってください。」セルヴォイが喜びながら話すと、ジン達は頷きながらその場を退けた。「ところでクローヴィス、3時間ぐらい前から来ているお客様がいるのだが、会ってくれないか?」僕は頷き、家に向かって走り、ドアをそーっと開けた。「おぉ!少年!無事に帰ってきたか!」その人は、集落を出てから初めに寄った休憩所で会った、あの『マァティスの仮面』を授けてくれた老人だった。「あぁ!あの時の!あの時はありがとうございました。おかげで・・・・・・」僕がお礼を言っている途中にその老人は話を止めた。「いやいや、今更お礼なんざいらんよ。確か・・・・・・クローヴィス君だったかな?お礼を言わせてもらうのはこっちじゃよ。本当に感謝しとるぞい!」僕は照れながら、老人が座っているソファの反対側の椅子に腰を掛け、カバンの中を探った。「このマァティスの仮面はお返しします。とても役立ちました。」と、机の上に差し出したが、老人は受け取らなかった。「いやぁ、それは『同盟』の印として持っておれ。」僕は一瞬驚いた。・・・・・・同盟?「おや、まだ話されておらんかったかの?・・・・・・実はのぉ、あれからわしは自分の集落『ナイルス』に戻り、お金を貰った事を話すとじゃな、その中にセルヴォイを知る者がおってな、多分そのセルヴォイの子じゃないかという事で、ここに来たんじゃ。そして見事にそれが一致してのぉ、あの時のお礼として、レヴェナーンとナイルスは同盟を結び、3時間ぐらい前に、『合併』したんじゃ。ナイルスの者は近いうちにこちらに引っ越し、この新しく生まれた集落『レヴェナス』で、暮らす事になったのじゃ。よろしく頼むぞよ!しかも、近いうちにローレライが攻めてくるが、このナイルスは産業都市じゃったのでな、戦力は抜群に上がるはずじゃ。皆でローレライを退けようぞ!」僕はしばらくの間、呆気に取られいた。ついにセルヴォイが他の所との合併した事に・・・・・・。「おっと、まだわしの名前を知らんじゃろ。わしの名は『ジャルース・ギルジナル』という者じゃ。わしの孫に、お前さん位の年頃が3人ぐらいおるからのぉ、仲良くしてやっておくれ。」「はい、分かりました。とても楽しみにしています。では、僕は戦闘の為の武器の設計図を作らなければならないので、これで・・・・・・」僕が椅子から立とうと思ったが、ジャルースに止められた。「まぁ待て。少し聞きたい事がある。・・・・・・聞いた話なんだが、君は誰も持っていない能力を身に付けている様じゃのう?」「えぇ、僕はその能力を使いこなせてはいませんが、不定期に『予知能力』の魔法を勝手に唱えてしまいます。無論、魔法文も分かりません。」ジャルースはいかにも興味があるという顔をし、少し感心しているようだった。「ほぅ、その噂はやはり本当だったのじゃな。わしはずっと疑問に思っとった。それで、今修行中かの?」僕は頷くと、ジャルースは持参していたカバンの中から自分の拳程の大きさのある、無色の精霊石を取り出した。「この石は普通の精霊石ではない。特殊な精霊石じゃ。お前さんはこの精霊石を使いこなす事がいずれ出来るはずじゃ。お前さんはさっき、戦闘の為の武器の設計図を作ると言ったな?この精霊石をお前さん用の武器に仕込んでおくが良い。きっと強い見方になってくれるはずじゃ。・・・・・・わしの話は以上で終わりじゃ。設計図作りに精を出しておくれ。」そうしてジャルースは席を立ち、軽く礼をして、家から出て行った。僕はジャルースが座っていたソファと、自分が座っていた椅子の間にある机を見て、その精霊石を眺めた。まるで金剛石の様な輝きを放っていたが、少し曇っており、とても美しいとは言い難(がた)かった。僕はその精霊石を台所の水道で洗うと、曇っていて輝きが衰(おとろ)えていた精霊石が少しずつその輝きを取り戻していることに気付いた。僕はその精霊石を持って2階に上がり、自分の部屋のドアを開けると、しばらくご無沙汰だった部屋の空気を吸った。僕はベッドに寝転がり、綺麗に洗われているシーツや掛け布団で少し精霊石を磨いた。そして、その精霊石を自分の机の上に置くと、僕は天井を見た。いつもと変わらないが、眼を閉じると、ほんのり樹の匂いがして、僕を眠りの世界へ誘った。いままで他の所や野宿だったので、落ち着きが無かったのだが、この家に帰ってきた今、久々に落ち着いた空間で寛(くつろ)ぐ事が出来た。時計を覗(のぞ)くと、まだ2時を少し過ぎた程度。お昼寝感覚で少し休憩を取る事にした・・・・・・。
2007.04.07
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「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・。集落が見えたぞー!」ジンが息を切らしながら叫んだ。見た目は特に何の問題も無いレヴェナーンを見た時はホッとしたが、もう少し。僕達は最後の力を振り絞り、走った。ついに集落に戻ってきた。短い期間だったが、とても長い旅に感じた。「・・・・・・見ろ!クローヴィス達が帰ってきたぞー!」一番先に僕達に気付いた人が声を張り上げ皆に伝えた。その声を聞いて、皆は歓声を張り上げながら僕達に走り寄り、胴上げをした。そして、ついに親分が口を開けた。「よくぞ帰ってきた我が息子よ!わしはお前を誇りに思うぞ!」僕は父セルヴォイに近寄り、目的の鉱物を目の前に差し出した。「父さん。あの未確認鉱物、発見したよ・・・・・・。これらを使って、早く武器を作ろう!」セルヴォイは軽く頷き、僕の後ろを見た。「ジンよ。よくクローヴィスの面倒を見てくれたな・・・・・・。心から感謝している。」ジンは照れながら頭を掻き、妹達を紹介した。「セルヴォイさん。この3人は、俺の兄妹なんです。この集落に置いて頂けませんか?」アルメ達は軽く礼をすると、セルヴォイは驚きの表情を隠せれなかった。「その子達はアルメちゃん達かい?!久しぶりだなぁ・・・・・・。あの日以来から・・・・・・。いいだろう!この集落に居座る事を許可しよう。」そして、セルヴォイが周りをキョロキョロし、何かを発見すると、今まで緊張していた眼の力を抜くと、軽く笑った。「さぁ、あの方々の方へ、行きなさい・・・・・・。」セルヴォイがその方へ手を差し伸べると、そこにはジンの両親がいた。その両親らは一瞬ビクッとなったが、隠れず、自分達から前へ進み出し、皆に囲まれている中、アルメ達の前まで歩いてくると、そこで立ち止まった。アルメが敬語使いで話し始めた。「始めにお伺いします。・・・・・・なぜ私達をお見捨てになられたのですか?なぜ、ジン兄さんだけを家に残し、私達を追い出し、捨てたのですか?私達は幼いにも関わらず、今までカルメス山付近で、周りの人や精霊達の力も借りて、ここまで成長しました。」そうアルメが説明している途中に一旦切ると、アルメ達は自分達が所持している精霊全員を召喚した。「この精霊達がいなければ、私達はもう何年も前に昇天していでしょう。しかし一昨日、クローヴィスさん達に出会い、私達は障害も少々有りながらも、このレヴェナーンに戻って来ることが出来ました。」アルメ達は精霊を戻した途端、ジンのお母さんは号泣した。「・・・・・・アルメ・・・・・・アイリ・・・・・・アリア・・・・・・全て私が間違っていたとは思っていたよ・・・・・・。しかし、捨てなければならなかったのよ。私達の本職は鍛冶屋。繁盛期は争い事がある時。争い事が無い限り、儲からない職業なのですよ。その中、先にジンを生み、その後にアルメ、アイリ、アリアと立て続けに生まれ、少しも儲からない私達の生活は一気に苦しくなったんだよ・・・・・・。鍛冶屋は男が命。そう思った父さんと母さんはジンだけを育てるのがやっとだった・・・・・・。血のつながっていない子達を他人に預けるわけにもいかなかったから、うぅ・・・・・・」ジンのお母さんは声がしゃがれ、もう喋れなくなってしまった。ジンのお父さんが代替わりに話し始めた。「本当に申し訳ないと思ったよ。この通りだ。もう・・・・・・繰り返さないことを約束しよう。」お父さんは土下座までし、涙を流した。そして、ジンに視点を変えた。「・・・・・・ジン。父さん達はお前が家を出た時、もう駄目かと思ったんだ・・・・・・。アルメ達を追い出し、ジンだけを一生懸命に育てた。そのジンが!数少ないレヴェナーンの鍛冶屋を継ぐ子が!・・・・・・死んでしまったのと同じだと思ったよ・・・・・・。」その言葉を聞いた時ジンやアルメ、アイリは泣いた。アリアはため息を吐くばかりだった。
2007.04.04
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ベルティナの町並みは徐々に消え失せてゆき、辺りはカルメス山や、草原・・・・・・分かりやすく言うと、ほとんど緑一色だった。「ここから集落までは、わりかし近い。・・・・・・地図を見ると、だいたい7km程度だ。」ジンは余裕の表情を見せたが、意外と遠いものである。地平線が見える・・・・・・とまではいかないが、レヴェナーンまでの道のりは険しそうだ。僕達は生き生きとした草原の草を思い切り踏みながら、集落を目指した。時には周辺に生息する生物達も顔を出し、時より僕達を和ませてくれた。ジンは親指の爪ほどの大きさのチョコレートの袋詰めを片手に、地図を見ながら先頭を歩く。「・・・・・・にしても、蒸し暑いですねぇ。さっきみたいな暑さは少し和らぎましたが、曇り空なのに蒸し暑いです・・・・・・。」アルメが気になったこと口にすると、ヴァンスが困りながら相槌を打った。「この状況の中、多分、雨がしばらくの間降ることでしょう。周りを見ても、カルメス山にも雲が掛かっています。しかも、雨宿りをする場所がないのでねぇ・・・・・・。困りました。」ヴァンスが少しかすれた声で言うと、軽く咳払いをした。「どうしよ~・・・・・・ちょっとさっきからポツポツ来てるよ~・・・・・・。」アイリが少し心配そうに空を見上げると、言った通り、3秒に1つぐらいのペースでポツリと来ている。「う~む・・・・・・ここで火霊ラールの魔法を使いたい所なのですが、この炎系防御魔法『フィーゼルムサイゼス』は、私達の周りに炎の壁を発生させることが出来ます。なので、雨ぐらいの水分なら蒸発させて防ぐ事が出来るのですが、周りは一面の草原。火事になるだけでしょう。」そこで、アリアが口を開いた。「シェーラ・・・・・・の魔法、・・・・・・使うよ。・・・・・・『エルメトール』・・・・・・!」そういってシェーラを召喚し、『エルメトール』を唱えた。エルメトールとは、聖なる強い熱線を放ち、本来は相手を焼き焦がす裁きの魔法なのだが、その魔法を上に向かって唱えた。もしかしたら、一時的に雨風を避けられるかもしれない。シェーラが放った熱線は、もの凄い勢いで水分を蓄えた大きな雲をバッサリと裂き、吹き飛ばした。隙間からは少し青空が見えたが、それもまたいずれ、大きな雲達に覆われてしまった。「何回か・・・・・・やれば・・・・・・・やり切れるはず・・・・・・。」「さすがですねぇ・・・・・・。私も守護霊が欲しいものですよ・・・・・・。」そうヴァンスがいうと、アリアは少し笑った。僕はアリアが笑ったことは見た事がなかった。とても趣(おもむき)のある、柔らかな笑い方だった。一時、皆笑っていた時があったけど、アリアだけ笑っていなかった。どうやら、自分が褒められると嬉しいらしい。僕達はこの様に凌(しの)ぎながら、集落に向かって走り出した。そして、ついに・・・・・・
2007.04.04
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久々の日記です。。といっても宣伝ですかね。。この頃ですねぇ、そろそろ挿絵がほしいと思いまして。なんだったら自分で書けよ!と御思いの方々には申し訳ないですが、これも交流の一環として^^;イラストレーターを募集することにしました^^上手下手は関係なく、やる気があればコメントしてください^^採用者の絵はブログに載せたいと思っています^^(著作権は守ります。)1人からでもコメントがあれば、専用のメアドを設立します。それは後日。。意気込みや誰を書きたいか(落雷疾風記:精霊 人形遣い:人形 でもおk)、どこの場面かなどを明細にコメントしてくれるとありがたいです^^極力キャラがどんな姿だろうが、オリジナルが良いという方はそれでもかまいませんw(ただし落雷疾風記の場合は、登場人物の頭髪色に注意)希望者にはメールやコメントでそのキャラクターの特徴などを御教えします。とまぁこんな感じでしょうか。。上にも記しましたが、著作権は絶対守ります。ペンネーム(なるべく本名はナシ)も記載してもらったら助かります^^その他聞きたいことがあればコメントしてください^^応募待ってます^^メアド設立しましたwclawvis_irasuto@yahoo.co.jp↑に上記のことをなるべく細かく書いてメールください^^お待ちしています^^
2007.04.01
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