ここらのやがてのあかるいけしき

2008.01.28
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カテゴリ: 日記



今までに2度、取材というものを受けたことがある。
とは言っても、地方のご近所らへんに配る程度のもの。


一つ目は、就職して1年くらい経った頃。
受付に座って「もお嫌だ受付」と、思い始めていたころだったと思う。
それは就職情報誌だったのだが、人事部のオッサン部長が、
「もお、ええやんけココさんで」
みたいな感じで私を指名したというだけのことで、私はパシャパシャと写真を撮られ、自分に写真を選ぶ権利などはなからなくて、なんともマヌケそうな顔のものがドーンと載ってしまったのだった。
しかも、「いつものように受付で挨拶してください」かなんか言われたポーズだったと思う。
そんなの、狛犬とか招き猫の方がよほど可愛い。

情報誌側からすれば、「なんとか見える」ものを選んでくれたのかも知れないが、載った写真を見た瞬間、
「これは未来永劫抹消すべき冊子である」
と私は思ったのだった。
しかも、確か1時間くらいかけて話を聞かれたのが、上手い具合にはしょられて、

「キャッフー!仕事、楽しい☆」

みたいにまとめられていて、なんともバカそうだった。

可哀想だったのは、その私の「仕事☆天国」みたいな記事を真に受けて面接に来た女子学生たちで、受付の私に、
「この雑誌に載ってたココさんですよね!」
と、未来永劫抹消雑誌を見せ、
「これ読んで、この会社がイイって思ったんです」
と打ち明けてくれた中、何人か採用したのが、彼女達は半年も持たなかった。

と思ってたんじゃなかろうかと思う。人生狂わせて申し訳ないが、私もちょっぴり被害者である。
なんちゅうか、私はその件で、「印刷された自分」を受け取る人がどう扱おうとどう思おうと、それはもう私の手から離れてしまったことで、いかんともしがたいやるせない気持ちを味わった。
私の話は口をついて出た瞬間から端っこを捕まえてアレンジされ、こねくり回されて「誰が喋ったんだこんなこと」くらいの別物になり、それを読んだ人はそれを100パーで受け取る。
もう、にやけた招き猫に劣る私の写真は私の手を離れ、それは道端で突然便意をもよおしたときなどに、私の顔の部分だけを選んで緊急に使われてしまったとしても、私はぐうの音も出ないのである。



そして昨年末だ。

これ以上便所紙にされるのは真っ平と、
「やだプー」
と断っていたのが、どんどん話が回り、絶対断れないルートから改めて笑い事でない話として回ってきたために、渋々承知せざるを得なかった。
私は太りさらばえた顔面のまま何枚か写真を撮られ、これはやだプーと言っていた分だけ時間は押し、とっても急なスケジュールになってしまったため、ダイエットどころの騒ぎではなかったからなのだが、ということは私が悪いのか?

そして仕事についての苦労話やこだわりなどを聞かれたのであるが。

「一番苦労したのは、ゴキブリが出たときに自分で退治しなくてはならなかったこと」
と軽くジャブを打ち、
「こだわりなんて、あるわけないじゃないですかアーハハハハ」
と笑い飛ばして完全に先方を敵に回した。
下手な事を言うと、また「仕事☆天国」の悪夢再来になるのは目に見えている。
私の話1が10になる。
人の手が加わるというのは本当に恐ろしい。
ここでダラダラ書いている方が余程私であるにも関わらず、何かの圧力(それは先方にとってメリットがあるようにアレンジしようという動き)で、そこから飛び出る私はもう何か使命を背負わされた私なのであって、ここで便所紙にされちゃうとか言っている私ではないのだ。
それならば、守りを固めて始めから締まっていこー!と思ったのだが。


取材に来てくれた人は引きつっていた。
完膚なきまでにブサイクな写真を使われてしまったらどうしよう、と今更思う。






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Last updated  2008.01.29 00:51:56
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