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2022年07月21日
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カテゴリ: 横川典視
木曜担当のよこてんです。

 今日のお話は18日に行われたダートグレードレース『マーキュリーカップ』の振り返りです。

 まず結果から始めますと、勝ったのは2番人気のJRA・バーデンヴァイラーでした。2着も同じくJRA・テリオスベル、そして3着に10番人気!の岩手・ヴァケーションが食い込み、馬番3連単の配当は63万5880円、マーキュリーカップ史上最高配当ともなりました。


★第26回マーキュリーカップJpnIII/優勝バーデンヴァイラー

 今年のマーキュリーカップはJRA勢・地方勢ともに先行タイプが非常に多いと見られていました。人気を集めていたのもそんな先行タイプのケイアイパープルであったりノーヴァレンダであったり、メイショウカズサだったりしました。
 バーデンヴァイラーもその中の一頭だと思われていて、そんな先行タイプ同士のポジション争い、いわば“自分の競馬ができるかどうか争い”がどうなるのか?が今年のレースの一つの焦点だったんですけれども、バーデンヴァイラーは敢えて先行争いに飛び込まず控える形の競馬を選択。途中、これもやはり逃げ馬の一角とみられていて同様に控えていたテリオスベルの意表を突くマクリへの対応をしなくてはいけなかったそうですが、終わってみれば好位差し、差し競馬と言っていいような戦い方で勝利を手にしました。



「いつもとは違う形の競馬をしてみようと考えていた」とレース後に語っていた福永騎手でしたが「最初からクリアしてくれるとは思っていなかった」とも。結果的に課題を見事クリアしたものの展開によっては、場合によっては上手くいかない可能性も無いわけではなかったはず。例えば前走のようにですね。それをクリアしたのが馬自身の地力であり勢いであり、導いた鞍上の好判断という事なのでしょう。

 バーデンヴァイラーは2歳11月から3歳7月まで長期休養がありましたが、その後はダートに主戦場を変えつつ順調にクラスを上げてきました。半姉は昨年のBDディスタフを制したマルシュロレーヌ。祖母が1997年の桜花賞馬キョウエイマーチなんですが、この血統、ダートで走る馬も少なくないんですよね。



★半兄にあたるグレナディアーズはキャリア末期を岩手で過ごして1勝を挙げています

 自身の初重賞勝ちがマーキュリーカップという馬はまずまずいて、昨年・一昨年連覇したマスターフェンサー、2017年・18年と連覇したミツバがそうですし、ちょっと前だとマコトスパルビエロ、シャーベットトーン。ディーエスサンダー、ミラクルオペラなんかもそうですね。ただそれらの馬は以前にもなにがしかダートグレードレースに挑んで掲示板圏内の結果を残していました。バーデンヴァイラーのようにグレードレース2度目、それも大敗からの勝利というパターンは意外にレアパターンです。
 先に挙げた馬たちはその後もグレード勝ちを増やす、G1を勝ち負けするというところまで出世しています。“レアパターン”なバーデンヴァイラーですがその分伸び代が大きいともいえるでしょうし、レース後に齋藤調教師が言われていた「偉大な姉に近づけるような馬になってほしい」という願い、バーデンヴァイラーの戦いの道のりはまだ始まったばかりなのでしょうけども、今後の活躍が楽しみなのは間違いありません。





 同馬の前走は東京ダート2100mのスレイプニルステークス。この「東京ダート2100m」とマーキュリーカップとの関連性の強さは無視できないものだとこれまでも何度も言ってきたのですが、自分は10番人気1着という結果に少し甘く見てしまいました。データや傾向をさじ加減で取ったり捨てたりしてはいけないと改めて反省。


 そして3着に食い込んだ岩手のバケーション。みちのく大賞典3着からの転戦、2000mは距離は少し長いけれども動きが良くなっているし左回りの方が良さそう・・・というのが陣営の戦前のお話。単勝10番人気から3着という結果ではありましたが自分はフロックでは無いと思っています。
 同馬を管理する畠山信一調教師によれば次戦は遠征を選択する模様。マーキュリーでの走りを見て決めたいというお話でしたので、3着で“これならば”という事なのでしょう。




 4着のケイアイパープル。レース当日に鞍上が地元の山本政聡騎手に乗り替わりになって注目度がより増した印象がありました。昨夏以来5着以下が無いという近走成績もあって人気を集めたわけですけれども、結果的には先行タイプが多い中で自分の形に持ち込めず・・・になったのかなと思います。
 この馬の“自分の形”はすんなりハナを切って粘る・・・ではなくて、他の馬と競り合いながら、追って追って抜け出して追って追って勝ちきる・・・だと思うんですよね。なかなかその辺はテン乗りでは形にしづらい部分では。結果的には先行した馬の中では最上位だったわけですし、人気に応えられなかったのは残念ですけども、こういうタイプの馬としてはひとまず力を出し切っているのではないでしょうか。




 南関勢はグレード勝ち馬もいて粒ぞろいだと、特に直前の帝王賞に出走した南関勢が少なかったこともあり、こちらに照準を絞ってきたのかなとも思って見ていたのですが、終わってみればギガキングの5着が最高に。南関勢も先行タイプが多かったですから展開面が厳しかったという事でしょうか。

 ところで、レースとしては固い決着が多い印象のマーキュリーカップ、昨年までの過去5年間も三連複・三連単が組み合わせ1番人気とか2番人気とかで決まっていて、2015年にユーロビートが勝った時の11万2860円、翌2016年にタイムズアローが2着に飛び込んで17万9810円になった時なども“そうとう荒れた”感がありましたが、今回はそれらを大きく上回る配当に。三連複の14万5300円ももちろんマーキュリーカップでの最高配当です。
 さらに余談になりますが、マーキュリーカップで単勝10番人気の馬が馬券対象になったのは2000年の第4回、3着に突っ込んだミストフェリーズ以来。ワイド万馬券が出たのもその時以来となりました(今年のワイド1-2、2万950円も第4回の1-10、2万10円を超えていますね。ん?その年も1番・・・。そういえばタイムズアローも1番・・・)。

 ノーヴァレンダについても触れておきたいと思います。レース直後にSNS等で伝わった形でしたが、マーキュリーカップを8着で終えたノーヴァレンダはレース後に心臓麻痺で倒れ、そのまま亡くなってしまうという悲しい結末になってしまいました。


★一周目スタンド前を先頭で通過するノーヴァレンダ号

 自分はそのレースから引き上げてきた所の写真を撮っていたりして、普通に帰って行ったように思いつつ見ていたので余計に驚きました。


★引き上げてきた直後のノーヴァレンダ号

 その時の現場を見ていた方のお話を聞くと、レースを終えて馬房に帰る途中で急に倒れたと。そして当初は熱中症かということで近くにいた盛岡の厩務員さん達なんかも手伝って馬に水をかけたりしていたんだけども、程なくそこで事切れたということだったそうです。


 しかしせっかくダイオライト記念を勝ってこれから・・・というところで、夢半ばにして亡くなってしまったのは残念です。
 ノーヴァレンダは2018年の全日本2歳優駿の勝ち馬。そして3着に入ったヴァケーションは奇しくも2019年の同レースの勝ち馬でした。そんな“勝馬対決”でもあったんですけれどもね。ノーヴァレンダ号のご冥福をお祈りいたします。





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最終更新日  2022年07月24日 15時32分34秒


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