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木曜日に、宝生能楽堂に、「第65回 野村狂言座」を観にまいりました。
番組は、素囃子「神舞」、狂言「餅酒」・「宝の槌」・「岡大夫」。
素囃子「神舞」。大鼓・柿原光博、小鼓・鵜澤洋太郎、太鼓・小寺真佐人、笛・藤田貴寛。
狂言「餅酒(もちさけ)」。加賀の国のお百姓(中村修一)と越前の国のお百姓(野村萬斎)が、都へ年貢を納めに行く途中、道連れになります。
二人は領主の館に、それぞれの菊の酒と鏡餅を納めた後、年貢の品に関連づけた和歌を詠むように命じられ、見事に詠みます。
褒美として万雑公事(さまざまな雑役や労役)を免除されることになりますが、喜びすぎて騒がしいと叱られてしまい、今度は、大きな歌を詠むように命じられてしまいます。
これも見事に詠んで褒められた二人は、盃まで頂戴し、めでたく舞い、喜びながら国へと帰ってゆきます。
「佐渡狐」にある年貢を無事に納められて目出度いという新春らしい狂言。
狂言には、年貢の重税に苦しむというお百姓さんはでてきませんね。
能楽は、時の為政者によって庇護されてきたから、年貢を納めてもらう側にお見せする内容になっているのでしょうね。
今回は、とてもシンプルな舞いでしたが、より一層萬斎さんのブレのない舞い姿を堪能いたしました。
狂言「宝の槌(たからのつち)」。主人(深田博治)から、宝競べに出す宝物を買い求めてくるように命じられた太郎冠者(野村万作)は、都ですっぱ(詐欺師・内藤連)にだまされ、ただの古い太鼓の撥を、鎮西八幡為朝が鬼ヶ島から持ち帰った打出の小槌だと言って売りつけられてしまいます。
そんなアホな~と思うのですが、太郎冠者が脇差しをさしていないので、呪文を唱えれば、脇差しが出てくると、いいくるめ、すっぱはこっそり自分の脇差しを太郎冠者の前に。
これで信じてしまうんですね、太郎冠者さんは。
そして、急いで帰宅して、主人の前で馬を出します~と呪文を唱えるのですが、もちろん、出てくるはずないですよね、ただの撥ですから。
狂言「岡大夫(おかだゆう)。今日は最上吉日なので、花婿(高野和憲)が婿入り(初めて舅(石田幸雄)の家を訪ねること)の挨拶のため、舅宅を訪れます。
盃事が済んだ後、舅は婿に蕨餅を出します。
婿は、初めて食べた蕨餅。
美味しくて美味しくて、全部平らげてしまいます。
婿が蕨餅をすっかり気にいった様子なので、蕨餅は娘も作り方を知っているから、作ってもらえばよいと舅は婿に教えます。
しかし、この婿さん、信じられないほど物覚えが悪いんですね。
舅さんに何度聞いても、蕨餅という名を覚えられないんです。
そこで、舅は醍醐天皇の故事を引用して蕨餅は別名岡大夫とも呼ばれ、朗詠の詩も出てくるものだと説明します。
蕨餅も覚えられないのに、岡太夫は無理だと思うケド。
婿は、帰宅早々妻に作らせようとしますが、やっぱり蕨餅という名を思い出せない、もちろん「岡太夫」をいう別名も。
ようやく、朗詠という詩にでてくることだけはなんとか思い出して、関係のありそうな詩を妻に挙げさせますが、なかなか目指す名前にたどりつけません。
しかし、物覚えの悪い婿さんに比べて、妻は次々と難しい漢詩を暗唱するんですね。
イライラする妻でしたが、それでもなんとか、婿さんが蕨餅を思い出してめでたしめでたし。
かなり天然のお婿さんだと思いますが、あり得ることかもしれません。
我が家でも、ダンナさんのとんでもない単語から推理していくことがよくあります。
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