私は以前、茨城県日立市に住んでいた。ここは日立製作所の城下町で、人口約20万人のほとんどが日製(地元ではそう呼ぶ)と何らかの関わりを持って生活している。ある新聞記者がその城下町ぶりを書こうとして筆の勢いあまって、「日立市の名前は日立製作所に由来する」と書いていたが、これは間違い。日立という地名の方が古い。日立製作所側が、創業の地から命名したもの。先日、「社名の由来」(本間之英著)を読んだ。以下、すべて同書から。メニコンは「目にコンタクト」から。ミノルタは、創業者が「稔るほど頭を垂れる稲穂のように」と母から常々言われていたため「稔る田」に。マツモトキヨシは、創業者が千葉県議会選に出馬した際に名前と店名を一緒にPRするため、「松本薬舗」から改称。トイザらスは、「Toys are us」から。ノヴァはラテン語の「新星」から。松下電器は、前身が「松下電気器具製作所」だったため異色の「電器」に。東宝は「東京宝塚劇場」が縮まった。ブリジストンは、同じタイヤメーカーの米ファイアストンとは無関係で、双方たまたま創業者(ブリジストンは石橋さん)にちなんだだけ。電通の社名は、かつて「電報通信社」だった時代の名残。富士通は、前身の古川電気工業の頭文字「ふ」と、技術導入した独ジーメンス社の頭文字「ジ」から。大関は、創業の1711年当時、相撲の最高位が大関だったから。カネボウは、綿紡績工場が東京府下墨田村鐘ヶ淵にあったから。ソニーは、サウンドのラテン語「SONUS」から。ニコンは、パリ市長時代のシラク(のちに仏大統領)に「日本光学工業は知らないが、小型一眼レフのニコンなら知っている」と言われて改称。ノーリツは熱効率のいい商品ブランド「能率風呂」から。朝日生命保険は敗戦後、新社名「文化生命」を大蔵省に届けに行った社員が、「ぱっとしない」と勝手に「朝日生命」と届けてしまったから。余談だが、住友生命も最初は「朝日生命」にする予定だったが先を越された。トヨタは、乗用車「トヨダ号」のマークを懸賞募集したら、採用作品が「TOYOTA」になっていてこれを社名に。話はちょっと変わって、ロゴマークのネタ。ローソンのロゴマークの中央にあるミルクポットは、米オハイオ州の創業者J.J.ローソンさんがミルクと日用品を売っていたから。トンボ鉛筆の「TOMBOW」は、TOMBだと墓になるから、最後をWに。花王の「月」マークは戦前、右向きの下弦の月だったが、将来の満ちていくように三日月に変えた。以上。