一時期ボクはこのアルバムの「Doing All Right」と「The Night Comes Down」ばかり聴いていた時期があった。 この2曲はこのアルバムの中でもちょっと異質で、印象的には スローテンポで妖艶なフレディのボーカル
が堪能できるナンバーだった。 ただそこはクイーンです、単調なまま終わるわけもなく、テンポの変化や転調や全く別のメロディを持ってきたりと ドラマチックな展開
が楽しめる1曲となっている。
「Doing All Right」における前半部分の美しいメロディと演奏はまるでナイトパブ・バンドのようでちょっとドキッとした(*^。^*) 特に間奏のハードロック・パートに入る直前(1:50あたり)のロジャーのジョンによる肩の力を思いっきり抜いたバッキングは、それはそれで逆に凄くグッとくるものがある。
この時期のBBCライブを収めた『AT THE BEEB』というアルバムがあるが、それを聴いてもブライアンのギターの音はスタジオ盤と遜色ない…というかそのままの音でたまげる。
「The Night Comes Down」も同様にドラマチックな様相を呈している。 いきなりブライアンの必殺アコギ奏法が不思議なサウンドを生み出している。ジョンのそれに合わせて素晴らしいベースラインを奏でる。 そしてロジャーのドラム。 このブリティッシュ独特の湿った感じが堪らない!! この曲でのフレディのボーカルは本当に艶っぽい。 瑞々しくって“こんな素晴らしいロック・ボーカリストはいないっ”とさえ思っていた。 後年この色っぽさを失ったのは非常に辛かったなぁ。