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『氷河ネズミの毛皮』そして『水仙月の四日』 その 1
私の主催する朗読会で近々に取り上げようとしている宮沢賢治さんの2つの作品です。
先ずは氷河ねずみの毛皮から
お話しの冒頭近辺にさらりと出てくるこの文章に心釘付けです。
「(前略)ところがそんなひどい吹雪でも夜の 8 時になって停車場に行って見ますと
暖炉の火は愉快に赤く燃えあがり、ベーリング行きの最大急行に乗る人たちはもうその前に真っ黒に立っていました。 ( 後略 ) 」
時代背景を考え併せてみれば「超特急」も「ウルトラマン ( 超人 ) 」という言葉も概念もなかった時代です。こうした時代に「最大 ( 急行)」を思い描いたのです。
「最大急行」という言葉に行きついた賢治さんです。
最大急行の響きに賢治さんの感性の新鮮さ
(
特異さ
)
を感じます。
「超・特急」ではなくて「最大急行」という発想をした賢治さんに改めて惚れ直します。
身の丈を超えたという発想でなく身の丈を直視つつその丈のギリギリであるところの最大。
此の着眼点に畏敬の念さえ感じます。
『超』ではなくて『最大』という発想や感性の世界が私を圧倒し魅了してやみません。
しかも「べーリング行きの最大急行」というのもかっこいいじゃないですか。
10/1
に左被殻出血をして脳内で血管がプッツンした私です。
病気の再発に対してあなどらず注意深く日々の暮らしの在り方を見つめ直し作り替えようとしているとき『超』ではなくて『最大』という発想が脳卒中再発防止へのアプローチを底上げしてくれています。
『氷河ネズミの毛皮』そして『水仙月の四… 2017.12.04