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2020.05.18
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テーマ: お勧めの本(7264)
カテゴリ: 社会派小説
・新コロ感染予防対策で図書館が休館しているのでアマゾンで購入した。パンデミック読書シリーズ編としては「夏の厄災/篠田節子」に続いて2作目。恥ずかしながら小松左京さんの長編はたぶん初読みかなと思う。

​​ 〇『復活の日』は、インターネットもなく、コピーも普及しておらず、海外渡航もままならない時代に書かれた作品だったのです。(解説より) ​​


​〇核ミサイルの時代になって、「惑星的な危機」が現実の問題になった時、われわれはもう一度世界と人間とその歴史に関する一切に問題を「地球という一惑星」の規模で考え直す必要性にせまられていると思う。(初版あとがき)​
●確かにそういう本だった。核問題は2020年の現在でもいまだ解決せず、さらに新型コロナ感染が蔓延している今、そういう目線や広い視野で考え直してみるための一冊かなと思った。


2020.5.14読了

​​
​​
・ところで小説としては、正直ちょっと読みにくかった。センテンスが長すぎて、主語がどれだったっけ?とかこの説明はどこに掛かっているのかな?とか読み返さないと理解でいない。これって何となく英語的なのだろうか?と思ったりもした。さらに科学的なことや哲学的な歴史観が延々と述べられている部分では、それについていけなくなって「まあ、詳しいことどうでもええわ」と斜め読みしたことは告白しておく。
・「たかが風邪」と思われていた未知の感染症で人類が数か月で滅亡するまでが前編の「厄災の年」、南極で生き残った人類が再生に向かって行く後編「復活の日」、その間のつなぎのような「インテルメッツオ」の3部構成。量的には「復活の日」が全体の70%以上を占めている。

・細菌兵器「MM88」というウイルスー実はウイルスではなくて核酸なのだーの設定がリアルで、実際にあり得そうでスゴイ!

〇そのウイルスー正確には「増殖感染する核酸」・・・
〇なんでも、宇宙から採取してきた菌だそうですね。-われわれの方で名づけたMM系列という名も、そこに由来するんですよ。MMとはつまり、“火星の殺人者”という意味です。
〇人体内に入ってしまえば、水から溶解し・・・その患部には、細菌もウイルスも発見されないのです
●既存の細菌やウイルスのDNAを乗っ取って増殖しながら宿主の病原性をパワーアップする病原体は、宇宙から得た病原体を細菌兵器化するための研究で得られたもの、ワクチン製造の困難なMM88なのだという設定がすごい。人間だけでなく動物にも感染する病原体にも寄生する、ニワトリにも感染した。鶏卵を使って作るワクチンが作れなくなってしまった。なるほど、それはあるな!気をつけねば・・・(誰が何に対して???と自分でツッコミをいれつつ)

●その病原体は超低温では活動できないという設定で、世界中の人類が滅亡して南極にいた1万人だけが生き残ってしまい、文字通り人類の復活を模索する物語。

●50年以上前に書かれた作品なのに、宇宙のことや細菌、ウイルスのことなど科学的な知識が半端ない!現実に有りうるように感じてしまうほどリアルだ。

〇それにしても、米ソで発射された核ミサイルの70パーセントが中性子爆弾だったとは、なんと奇妙な皮肉だろう!-中性子爆弾は、“破壊をともなわず、ただ人命だけを殺傷する核兵器”として、非人道的兵器の極致といわれたものだ。
〇本来人類を死と疫病から救うために生まれてきた医学が三十五億の人類を滅亡させ、そのあと、人類を滅亡さすだけの目的でつくりあげられた核ミサイルが、皮肉にも人類を救ったということになるからだ。
・ARS(自動仕返しシステム?)は悪魔の玉転がし。アメリカは致命的な攻撃を受けた時にソ連(ロシア)に向けて自動的に核ミサイルを発射するスイッチを押していた。ソ連でも同じようなシステムが作動していた。大地震が起こってARSが発動されてしまったが・・・・なんとその中性子こそが病原体を無力化する力を持っているのだった。

・時節柄か、復活の日パートよりも「厄災の年」が中心の感想文になった。DVDで観た映画版はむしろ「復活の日」がメインだったような印象。改めて感想を記したいと思う。





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Last updated  2020.05.21 19:53:38
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