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幕張へ向かう道の脇で、夾竹桃が赤い花を咲かせている。昨夜の雨を含んだ葉は重たげに光り、電線の上では、名も知らない鳥がひと声だけ鳴いた。空は薄い水色だったが、遠くの雲の底には、すでに午後の熱が育ちはじめていた。
瑞穂の住宅地が後ろへ流れ、花見川の緑が現れ、やがて建物の数が増えていく。街は、眠りから覚めるというより、巨大な機械の内部で、ひとつずつ歯車を回し始めるようだった。
見慣れた景色は、少しずつ別の表情を見せた。駐車場に日が差し、車の白い車体が眩しく輝いている。向こうにはマンションが並び、その間を、雲の切れ目からこぼれた光が静かに渡っていった。夏の光は、何もかもを明るくするくせに、ものの寂しさまで隠してはくれない。
彼方に、やがて湾岸の気配が混じりはじめた。空が広くなる。道路の向こうに屋根が連なり、標識の青が、海の色を先取りするように立っている。風はまだ街の匂いを含んでいたが、その底には、かすかな潮の気配があった。
幕張に近づくにつれ、建物は高くなった。ガラス張りの壁面が夏空を映し、雲はそのなかで、現実よりも遠い場所を流れているように見えた。人々は足早に歩いていた。誰もが目的地を持ち、時間に追われ、あるいは時間を追っていた。それでも信号待ちのわずかなあいだ、ひとりの少女が空を見上げた。彼女の瞳のなかにも、同じ七月の青があった。
(文:Manusによる)
瑞穂から幕張への風景(写真1+Google)
瑞穂から幕張への風景(写真1+Artguru)
瑞穂から幕張への風景(写真2+Google)
瑞穂から幕張への風景(写真2+Artguru)
瑞穂から幕張への風景(写真3+Google)
瑞穂から幕張への風景(写真4+Google)
瑞穂から幕張への風景(写真5+Google)
瑞穂から幕張への風景(写真1〜5) コラージュ
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