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カテゴリ: 読書記録
『アトランティスのこころ』(新潮社、白石朗訳全2巻)


正直に申し上げると、わたしはこの何年も大作といわれる小説は読んでおりませんでした。翻訳ものが苦手で、なおかつ2分冊ということで腰も引けましたが、とりあえず本書は読み通すことができました。あらすじを追うことは本意ではありませんので、感想のみ記しておきます。

いわゆるオムニバスであることに気がついたのは2巻目に入ってから。いったいアトランティスはどこだぁと、少々不安になりはしましたが楽しく読めました。少年の心を描くことにかけては並ぶものなしと思います。
下巻に入ってようやく『アトランティスのこころ』編。アメリカ史に深い影を落とすベトナム戦争の重さが感じられた。わたしの子ども時分も毎日夕刻のニュースではベトナム戦況がながれていたもので、あの時代の思い出をを共有しているような思いがします。ここがいちばんせつない章でした。

残る掌編も各編が複雑な入れ子のようになっており、終章に向けての展開は超絶的でした。途中で十分楽しみまして、後半で(わたしが)ややだれてしまいましたがやはり快作というべきでしょう。一回の通読ではまだ味わいをよく理解できていないと思いますので、時間をおいて再読してみたい。ただ、わたしには翻訳文の語調はどうも合わないようで、近いうちに原語でも読む機会を作りたいと思います。(白石さんの訳がこなれていないというクレームではありません)

つたなく短い文章ではこの感動をお伝えすることはできませんが、本書をご紹介いただいたchihaya-Mさんに感謝します。

ちなみにアメリカ人の同僚にキングのことを聞いたら、本などを読んでいる暇があったら仕事(研究)をするべきであると一蹴されました。聞くだけ無駄だったな。かれの国の国民的作家であるはずのキングもかたなしです。





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Last updated  2004.08.25 22:48:29
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