Frankie Armstrong (vo/1941.1.13-)
Graham Coffee (g)
Andrew Brown (fiddle)
Susie Rothfield (appalachian dulcimer, vo)
Heather Wood (vo/1945.3.31-)
Brian Pearson (vo)
produced by Tony Engle
sleeve design & photo by Tony Engle
執筆の際の資料が不足してたんでレビューするのは後回しにしようと思っていたのだけど、あまりに素晴らしいので急遽取り上げることにしました。
20 代だった頃は前回紹介したクリティックス・グループでも活動していたフランキー・アームストロング。英国を代表するフォーク・シンガーである彼女が 75 年に発表したたぶん 2 作目のソロ。
私個人はまず 72 年のファーストを聴き、次に 84 年の作品を聴き、こちらを初めて聴いたのはここ数年のことなのだけど、これがもう最高傑作と言っちゃいたいほどの出来で。
シャーリー・コリンズとかアン・ブリッグスなんかの“細めでかわいめの声質であまり感情を込めずに淡々と歌う”タイプを引き合いに出すならば、フランキーさんは間違いなく熱唱型シンガーに分類されるでしょう。
声域はアルトの辺り、決して美声ではないけれど胸打たれます。彼女の歌声が大好きって人は意外と多いんじゃないかな。
短調の歌がたくさん入っているのもポイント。しかもわざとらしいまでのお涙頂戴節ではなくてさりげなく泣かせるものが多いのです。
2 なんて生涯の宝物にしたいほどの名演だし、イワン・マッコールと共作した 4 もすこぶるクオリティが高い。
若い男と不倫をした妻を間男ともども殺害するマーダー・バラッドの 9 は“マティ・グローヴス”のタイトルでフェアポート・コンヴェンションがやっていたけれど、ここでのメロディはフェアポートのバージョンとは違います。行進曲のようなテンポでさほど深刻さはなかったフェアポートと比べるとこっちははるかに重い。ダルシマーによる伴奏もどことなく不気味です。
ラストも有名なスティーライ・スパンのバージョンとはメロディが違ってる。サビではコーラスも入って何やら楽しげです。でもどことなく切ない…これはアレか? みんなで楽しく歌おう感がドン・マクリーンのウルトラ名曲“アメリカン・パイ”とモロかぶりだからホロリしちゃうのか?
7 はリンディスファーンから派生したまったく同じ名前のバンドがどちらかと言うとお笑い路線だったから、この曲もさぞファニーなんだろうと思いきや…。
マイナー炸裂してました。
ジョン・ポールって人の正体が長らく謎だったんだけど、どうやら学校の先生をしながら曲を書いていた人のようです。某掲示板に本人自らが晒していたメールアドレスから推測すると 1934 年生まれみたいね。
彼の曲は 84 年のソロでも 2 曲歌っているよ。
それにしても 10 代の頃はエルヴィス・プレスリーやリトル・リチャードの曲を歌い、スキッフルのグループに入っていたとは意外だなあ。
http://www.frankiearmstrong.com/
現在は歌の先生がメインの活動なのかな? 元気そうでなによりです。
圧倒的歌唱力でした。また歌いに来てくれないかな~。
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