2005/01/10
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テーマ: 社交ダンス(8731)
月に1回のセッションをしながら、細々と続けてきたロックバンド 「Zinc Sulfide」

私の仕事の関係でおつきあいのある方と、昼食をともにした時のことです。何の気なしに音楽の話になって、彼女が、この仕事に入る前、ヤマハ音楽教室のエレクトーンのインストラクターをしていて、いまでもコンサートをお手伝いしているというのを聞きました。

指を見ると、細くて長くて、その先には、きれいに切りそろえられた爪が真珠のように光っていました。

でも、まさかヘビメタとかプログレはやだろうなあ、と思いながらも、ダメモトでバンドに誘ってみました。驚いたことに、彼女は興味を示してくれて、セッションに参加することになりました。

メンバーにこの話をすると、みんな、大喜び。

しかし、私は、別の意味でも、ちょっと心配していました。ギター、ドラム、ベースは皆、独身男性。そして、このキーボードの彼女は、かわいい、若い、独身、の3拍子そろい踏みで、オオカミの群れに子羊を放すようなことになるんじゃないか、と思ったわけです。ここで彼女を取り合って、バンド解散!のシナリオが、漠然と頭を駆け巡りました。

なんとしても、私が彼女を守らねば。すっかり、ばあや状態です。

いよいよ、初スタジオの日。皆、何となく普段よりテンション高めです。あらかじめ決めておいた課題曲、やはり最初から上手くはいきませんでした。クラシックを長くやっている人は、楽譜さえあれば何でも弾けますが、耳だけで音を拾って、それを再現するのは慣れてないのです。しかも、リズム帯がいて、それに合わせなければなりませんし、ギターとの絡みもあります。これは予想できていたことなので、全然気になりませんでした。それより、これで懲りて、来なくなっちゃう方が心配でした。



上手く行かなかったのは、選曲したベースが悪いんだとか、ドラムがうるさすぎて聞こえなかったとか、ギターはもっとひっこめとか、いよいよ面白いことになってきました。

彼女はあまりお酒を飲まないのに、よくこの大騒ぎのノリについてきてくれました。そして、回数を追うごとに、どんどん溶け込んで、バンドに欠かせないメンバーになっていきます。

何よりも感動したのは、「クリムゾンキングの宮殿」という、有名なプログレの曲のコピーを課題曲に選んだ時、彼女はフルートを持参でスタジオにやってきました。間奏部分に入っているフルートを、美しく細い指で紡ぎだし、そのアコースティックな響きに、みんなが聞き惚れました。

ばあやとしては、ちょっと、ひっかかることもありました。飲み会の会計です。

「遠くから来てくれてるし、2000円でいいよ。」

ギターが彼女にいいました。あのさ、私も茨城から通ってたことあるんだけど、その時は何もいわなかったよ(ばあや心の声)。

殺気を感じたのか、

「あの、女子は2000円でいいよ。」

ドラムの提案。いままで「女子だから」って優遇されたことも、一度もなかったんだけどね(またしても、ばあや心の声)。

みんな彼女が大好きでした。2002年、そんな彼女の大爆弾発言。
「6月に結婚するんで、みんな、結婚式に来てね。」



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Last updated  2022/10/06 12:51:10 PM
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