2005/06/10
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テーマ: 社交ダンス(9420)
カテゴリ: 下町人情物語
私が4歳の時に引越してきた東京下町は、周り中同じような家が立ち並ぶ新興住宅街でしたが、まだ随分自然も残っていて、浅草の「朝顔市」や「ほおずき市」の出荷もとでもあったので、園芸農家も多い地域でした。

家の前には、幅2メートルくらいのコンクリートで固めた用水路があって、細い橋げたが、はしごのように等間隔でかかっていました。

大人に見つかると怒られるので、誰も見ていないときを見計らって、子供たちは、度胸試しのようにして渡って遊んでいたものです。

用水路には、フナやハゼなんかがいたりして、父は面白がって手製の釣り糸をたれていました。私はそばで遊んでいましたが、そのうち飽きて、平均台のような細い橋げたを行ったり来たり渡って遊び始めました。

何度かやっているうちに、だんだん調子に乗ってきて、ケンケンで渡ったりしたものですから、ずりっと落ちてしまったわけです。

その日は、母が洗濯や掃除を終えたら、午後みんなでお出掛けすることになっていて、よそ行きの服を着ていました。私は用水路の細い橋げたに両手でつかまり、「まずいことになった。」と、小さな心を悩ませていました。

「よそ行きの服なんだから、あんまり遊んでよごしちゃだめよ。」っていわれてたのに。よりによってドブにはまっちゃったよ。

4歳ですから、当然足はつかないので、そのまま手を放したら死んじゃうかもしれないのに、そんなことは思い付かないわけです。「ベランダでお洗濯干してるママちゃんに見つかったら大変」そう思って、私はその細い橋げたに身を潜めてじっとしていました。

父はすぐそばで、なあんにも知らずに魚釣り。


「あの子、どこいっちゃったの?」

のんきな父は、
「さあ、そのへんで、遊んでんだろ。」

ちがうの。私はここ。
そろそろつかまってる手がしびれてきました。

その時、母の悲鳴のような叫び声がして、私は思わず手を放しそうになってしまいました。

「大変よ!落ちてる落ちてる!!」

母は、ベランダから用水路に飛び込んでくるような勢いでした。魚釣ってた父と、その時目が合いました。お互い、気まずい感じです。

父は、「なんでちゃんと見てないの。」といって、母にめちゃめちゃ怒られ、そのお陰で私のよそ行き服がどろどろになったことに関しては、あんまりお咎めなしでした。しかし、この用水路は、深くて流されたら海まで行っちゃって、お魚に食べられちゃう「世界で一番こわい」ものなんだから、二度と橋げたを渡っちゃだめと、さんざんお説教されました。

それで懲りて、二度とわたらなかった?

まさか。



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Last updated  2005/06/10 01:30:33 AM
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