2014/05/27
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テーマ: 社交ダンス(8731)
カテゴリ: アートのはなし
ルーベンスハイス

19世紀の終わり頃、フリッツ・マイヤー・ファン・デン・ベルグは市内で最も裕福なビジネスマンでした。


IMG_2010.jpg


1879年に父親が亡くなったのを期に大学での研究をやめて稼業のビジネスを継ぎ、それを発展させ1887年には貴族に昇格します。

彼が情熱を傾けたのは美術品収集でした。


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1901年に43歳の若さで亡くなったとき、彼の多様なコレクションは3000品目を越え、それを一緒に住んでいた母親が美術館として公開することにしたのだそうです。


マイヤー.jpg


美男子でお金持ちで貴族で独身。

さぞやモテたと思いますが、乗馬の事故で亡くなったそうです。

美術館と言っても自宅をそのまま公開しているので普通の美術館とは趣が違います。

まるで大きなお屋敷に招待された客人のような気分になります。


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何の前知識もなく入ってしまって、入り口で用意されていたミニガイドブック,最初はいらないと断ったのですが、あまりに充実したコレクションに途中から引き返して『やっぱり下さい』と貰って来ましたよ。

驚いたことにブリューゲルの世界的に有名な代表作がここにあったんです。


『悪女フリート』ピーテル・ブリューゲル(1562)
悪女フリート.jpg


左側で大口を開いているのは地獄の入り口だそうです。

そのすぐ右側で右手に剣を構え鍋みたいのをかぶってすごんでるおばさんがこの絵の主人公『悪女フリート』です。

「地獄の入り口で略奪し、無傷で帰還した」というフランドルの諺を描いたものだそうですが、この辺りでは『フリート』と言えば悪女の代名詞だそうです。

まあごちゃごちゃと魑魅魍魎が描かれていますね。きっと一つずつに何か意味があるんでしょう。





地獄の入り口というので最初はこの口に入ると地獄に通じているのかと思いましたが、禍々しい生き物たちをみるとどうもフリートがいるのは地獄の中なんじゃないかという気がします。

ベルギー王立美術館展 でご紹介したヤーコプ・ファン・スワーネンブルフの『地獄のアイネイアス』でも、似たような口が冥府の入り口でした。






ブリューゲル一族 は画家が多いんですが、『悪女フリート』は『バベルの塔』と同じピーテル・ブリューゲル(父)の作品です。

ベルギー王立美術館 で見た『叛逆天使の墜落』にも変な生き物がいっぱい描かれてました。











ちなみにルーベンスと仲良しなのは息子のヤン・ブリューゲル『花のブリューゲル』です。

個人的にはこっちの方がまだ家に飾ってもいいかなという気になりますけどね。




後に『農民画家のブリューゲル』と呼ばれたブリューゲル・パパは、そこに至る前は妖怪とか好きだったのかもしれませんね。

マイヤー・ファン・デン・ベルグ美術館(Museum Mayer van den Bergh)の公式サイトは こちら です。






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Last updated  2014/05/28 07:48:12 PM
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