2024/11/27
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テーマ: 社交ダンス(8732)
カテゴリ: アートのはなし
<バロック様式>

バロック芸術は、16世紀末から18世紀初頭にかけてヨーロッパで広く展開された美術の様式です。


ピーター・ポール・ルーベンス『聖母子と聖エリザベス』(1618)


バロック期の画家 ルーベンス はフランドルのアントワープに生まれました。

大規模な工房を運営してルーベンス本人が本当に筆を入れたのかどうかわからない作品が世界中にあります。

とても有能な人だったので外交官としてもいい働きをして、スペイン王からもイングランド王からもナイトの称号を受けました。

この作品は聖母子と幼少の聖ヨハネ、その母である聖エリザベスが描かれていて、同じ主題の真珠という別名で知られる ラファエロの作品『聖家族』(プラド美術館) にインスパイヤされたのではと言われています。



ルーベンスの絵はフランダースの犬で日本では有名ですが、 子供の絵がすごく可愛い んですよね。


ディエゴ・ベラスケス『聖パウロ』(1619)


スペイン絵画の黄金時代であった17世紀を代表するバロック期の画家で、 プラド美術館 に銅像が建つほどの巨匠です。

聖パウロはキリスト教徒を迫害する立場でしたが、回心してキリストを広める宣教者となった人です。

本や剣を持っているのが特徴なんだそうですが、頭の周りに後光が指してるし左上によーく見ると聖パウロって書いてあります。

ベラスケスが宮廷画家になる前、セビリアに住んでいた若い頃の作品です。

余談ですが聖パウロが回心したきっかけは目の病気だそうで、目から鱗のようなものが落ちて治ったとか。『目から鱗』っていう言葉はこれが起源とのことです。(ホントかな?)


マティアス・ストーム『聖家族』(1640)


1600年ごろフランドルあたりで生まれたとされるバロック期の画家です。

カラバッジオ のスタイルをフォローするカラヴァジェスティだったとされています。

蝋燭の光がやさしく照らし出す世界観が私は好きです。


フアン・デ・スルバラン『リンゴ、マルメロ、ザクロの入ったバスケット』(1643-1645)


スペイン絵画黄金期に活躍した フランシスコ・デ・スルバラン の息子で、現存する作品は非常に少ないようです。



明暗の対比がはっきりしていて、果物が毒々しいほどの精彩を放っています。


サロモン・ファン・ロイスダール『村のそばを航行する船』(1660)


バロック期のオランダ画家で、兄のイサーク、甥のヤーコブも 有名な風景画家 です。

画面の大半を占める美しい空と雲が特徴。この絵も空の表情が素晴らしいです。

濃い宗教画ばっかり見て来た後、一服の清涼感が得られます。


チェッコ・ブラボー『イブの誘惑』(17世紀)


本名はフランチェスコ・モンテラティチ、通称チェッコ・ブラボー(Cecco Bravo、1601年11月15日 — 1661年)は、フィレンツェ生まれのバロック期の画家です。

作成年が不明ですが、まさかこの絵を6歳で描くとは思えないので、独立しスタジオを持った1629年から亡くなる1661年までの間の作品ではないかと思われます。

この頃主流だった人物の鮮明な輪郭線がなく、後世の印象派のようなぼんやりした空気感の中に描かれています。

なんでブラボーなのかも、ちょっと気になりますね。


ジャンバッティスタ・ピットーニ『エジプトへの逃避途上の休息』(1725-1726)


ヴェネツィア生まれのイタリア・バロックを代表する芸術家で、画家だった叔父のフランチェスコ・ピットーニに弟子入りしました。

若くして叔父より人気が出て、この後に続くロココ様式の先駆けとなったと言われています。

この絵は東方三博士の来訪でイエス誕生を知ったユダヤのヘロデ王が、自分の王座を危うくするものとして2歳以下の男の子をことごとく探して殺していく聖書の物語を元にしています。

この難を避けるため、主のお告げによってエジプトに逃げているヨハネ、マリア、イエスの三人が一時の休息をとっている構図です。

この題材でいろんな画家が描いていますが、ジャンバッティスタ・ピットーニの絵は逃げている割には明るく華やいだピクニックみたいな感じさえ見受けられますね。ロココの気配が漂ってる気がします。





カナレット『キリスト昇天祭のブチントローの帰還』(1745-1750)


カナレットは ベネチアの風景画家 で、本名はジョヴァンニ・アントーニオ・カナール(Giovanni Antonio Canal)。

父親のベルナルド・カナールも画家で、区別するために『小カナル』(カナレット)と呼ばれるようになりました。

甥のベルナルド・ベッロット も風景画家で、みんな写真のような写実的な絵を描きます。

この場面は998年、ヴェネツィアがダルマチア海賊に勝利したことを記念して、キリスト昇天祭の日にサン マルコ港で行われた祭典を描いています。

『アドリア海の結婚』と称して総督が公用船『ブチントロー』に乗り込み、外洋に出て指輪を水中に投げ入れました。

帰ってきたガレー船を岸壁で大勢の人々や船が迎えています。


フランシスコ・デ・ゴヤ『ピラールの聖母の出現』(1775-1785)


フランシスコ・デ・ゴヤはスペイン北東部で生まれ、1786年に宮廷画家となったバロックの巨匠です。

ベラスケスと並んで プラド美術館 に銅像がありました。

宮廷画家になる前、イタリアから帰ったゴヤは若き日を過ごしたサラゴサのピラール聖母教会から大聖堂の天井装飾の注文を受けています。

ピラールの聖母というのは、聖ヤコブがサラゴサで福音を説いていた時に聖母マリアが天使と共に柱の上に出現したという伝説です。


フランシスコ・デ・ゴヤ『Allegory of love, cupid and psyche(?)』(1798-1805)


タイトル不明の絵ですが、ゴヤによるキューピットとプシュケの絵ではないかと想像されているようです。

美の女神ビーナスがプシュケの美貌に嫉妬して、卑しい男に恋をする呪いをかけてこいと息子のキューピッドに命じるんです。

下界に降りたキューピッドはプシュケの美しさに驚いて、間違えて自分を矢で傷つけてしまうんですね。

キューピッドは恋の虜です。さて、どうなるでしょう。

プシュケのモデルとなった女性と、ゴヤの有名な『マハ』のモデルとの類似点が指摘されているそうです。


ジャン・オノレ・フラゴナール『シャルル・ミシェル・アンジュ・シャルの肖像画(?)』(1769)


フラゴナールは18世紀の後半のフランスを代表するロココ美術の典型的な画家です。

生まれはコート・ダジュールのグラースで、 彼の名前を冠した香水製造所 に行ったことがあります。

壮麗なバロック様式に比べると、ロココ様式は柔らかくて繊細。可愛いお姫様のお部屋のイメージがありますね。

軽やかなタッチで描かれた騎士はスペイン風の派手な服装で優美に座っています。


フランシスコ・ラコマ・フォンタネット『花瓶の花』(1805)


フランシスコ・ラコマ・フォンタネットは、1784年にバルセロナで生まれました。

この絵を描いた1805年はパリで勉強中で、祖国スペインではナポレオンの侵攻とスペイン独立戦争が勃発します。

静物画だけでなく肖像画も描いて、スペイン王室や貴族の肖像画も描きプラド美術館に保存されているそうです。

ルネッサンス・バロック様式芸術をもっと見たい方は こちらから どうぞ。


(つづく)


星星星 アートのある生活 星星星








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Last updated  2024/11/27 05:56:29 PM
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