つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2006年09月13日
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カテゴリ: アート
昼過ぎ、しとしとと降る雨の中、皇居の緑を眺めながら出光美
術館へ。エレベーター前に長い列ができていたらどうしようか
と思いましたが、ちょうど一箱満員になるくらい。館内もそこ
そこの人出でしたが、ストレスを感じるほどでもなくてよかっ
たです。

宗達.jpg

さて、チケットを購入し、ムンクの絵を横目で眺めながら、ま
ずは宗達の「風神雷神」と対面しました。建仁寺のレプリカは
見た記憶がありますが、実物を見るのは初めて。ガラスケース
越しに緑の風神が見えたときは、やっと出会うことができたと


宗達の「風神雷神」、間近にみると細部は全体的に「もやもや」
しているのですね。たらしこみの技法で描かれているためでし
ょうか。特に顔や手足の筋肉など、このもやもや感によって非
常に立体的に見えるのです。やはり、三十三間堂の風神雷神の
彫刻からの影響を受けているのだと感じました。二人の神の今
にも踊りだしてきそうな姿、この迫力に圧倒されます。本当に
出会えてうれしいです。

光琳.jpg

光琳の「風神雷神」は、RIMPA展に続いて2度目の出会い。
こちらは、より色鮮やかになり、目にも眩しいくらいです。く
ちびるや腹巻の朱色が強烈な印象を残します。光琳は宗達の絵
を正確にトレースしてこの絵を描き、そして抱一がこの絵の裏


時空間はクロスしませんが、琳派の意識の連綿とした流れを感
じます。美へのあこがれも連綿と続いていきます。「琳派芸術の
継承と創造」というサブタイトルが、具体的に感じられます。

抱一.jpg

抱一の「風神雷神」は、ひとこと、楽しい!あの情緒溢れる抱
一がこんな絵を描くなんてという驚きの方が強いです。確かに、

較するからであって、この絵だけでもとても素敵です。笑いが
あります。もうマンガなのですね。

当時、抱一は宗達の「風神雷神図」の存在を知らなかったそう
です。光琳のそれがオリジナルと思っていた。宗達の絵はどこ
に秘蔵されていたのでしょうか。光琳の絵だって、大名家にあ
り、抱一だから見ることができ、当然、一般の人はその存在も
知らなかったのですから。

さて、三枚の「風神雷神図」以外にも、すばらしい作品と出会
えました。抱一の作品が多いのですが、特に銀地の紅白梅図屏
風、八つ橋図屏風の2点にはみとれてしまいました。これも光
琳へのオマージュなのでしょう。MOA美術館にある光琳の「紅
白梅図屏風」をもし実際に見ることができたならば、抱一はい
ったいどんな絵を描いたのだろうかと思いました。

琳派とは関係ありませんが、最後に展示されていた仙崖和尚の
指月布袋。この子ども大好きです。もう一度、宗達の「風神雷
神図」のコーナーを眺めるとかなりの人だかりでした。ムンク
の絵を眺めて(これもいい!)、満足感に浸りながら帰路につき
ました。

指月布袋↓
指月布袋.jpg





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最終更新日  2006年09月14日 07時58分20秒
コメント(19) | コメントを書く


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Re:国宝 風神雷神図屏風  出光美術館(09/13)  
ここで3点を比較できただけでも、収穫!?(^^)v
それにしても、何でしょう。このかわいい布袋さん。なぁんと、かわいい。いいな、いいな♪
(2006年09月14日 08時45分32秒)

Re:国宝 風神雷神図屏風  出光美術館(09/13)  
mashenka  さん
いいですね~ますます楽しみになりました。
出光美術館は、今回初めて行くのでそれも楽しみです。
ムンクもあるんですか?ムンク好きなので嬉しいなあ。
(2006年09月14日 14時58分47秒)

行ってきました。  
tsukinoha さん
こんばんは。
めずらしく平日に時間が出来たので、行ってきました。
感動でした。それまで幾度となく印刷で見てきた宗達の「風神雷神」に出会えたのは・・。
その他の展示にも感激でした。 (2006年09月14日 21時47分46秒)

ほーいつ  
遊行七恵 さん
私は三点で一番抱一のが好きなのです。
楽しそうで可愛いです。
なんとなく風神は縄跳びの替わりに布もって走りながら「遊ぼー」と誘いに来ているように見え、雷神は家業の手焼きせんべいをエイヤッと焼いてる最中なので「今はア~カ~ン」と言うてるようです。 (2006年09月14日 22時08分24秒)

れおなるど21さん  
一村雨  さん
本当にかわいいですね。
出光美術館はこの江戸時代の禅僧仙崖の作品、
かなり持っているそうです。
その作品には、う~ん、含蓄のある言葉が多いです。
(2006年09月15日 07時13分59秒)

mashenkaさん  
一村雨  さん
仕事帰りにひょっと寄れる美術館でいいですよね。
ムンクもよかったですが、上の仙崖も味わいがありました。 (2006年09月15日 07時16分44秒)

tsukinohaさん  
一村雨  さん
そう、あこがれの宗達「風神雷神図」でした。
やはり、本物は筆づかいなどはっきりと見ることが
でき、うっとりですね。 (2006年09月15日 07時18分36秒)

遊行七恵さん  
一村雨  さん
なわ飛びにせんべい屋ですか。う~ん。
そうですね。本当にそんな声が聞こえてきそうです。
(2006年09月15日 07時24分03秒)

はじめまして  
Ima さん
こんにちは。
出光美術館、初めて行ったのですが
解説がわかりやすかった~というか
「歯並びがいい」(宗達)、「みそっ歯」(光琳)など、やさしく楽しい文章と比較図、
そしてお堀見ながらお水(無料!)もいただけて、心底堪能。ほんとに面白かったです。
さらに初めて仙崖を知り、はまってしまいました!掲載されてらっしゃる指月布袋のオミヤゲハガキkがなくて非常に残念。
「気に入らぬ風もあろふに柳哉」の句(というのでしょうか?)、励まされました(涙)
(2006年09月18日 17時15分16秒)

Imaさん  
一村雨  さん
こちらこそはじめまして。
よろしくお願いいたします。
私が行った時は仙崖の指月布袋の絵葉書
まだまだたくさんあったのですが、人気があったのですね。
私も柳の木の句には、心打たれました。
柔らかさこそ強さなんですね。 (2006年09月19日 08時30分36秒)

3点揃い踏み!!!  
アイレ さん
一村雨さん、こちらにもお邪魔しています。
光琳の「風神雷神」は見た記憶があったような気がしますが、他の2点は今回初めて見ました。
同じ題材ながら絵師が違うとこうも違うのかと感じ入りました。
ただ、私はオリジナルの宗達が一番良かったように思います。断ち切りを利用した迫力はかなりのものでした。まさしく自然の猛威を擬人化したものと見えました。 (2006年09月19日 22時08分29秒)

アイレさん  
一村雨  さん
ここに展示されていた光琳と抱一の風神雷神図屏風で、
宗達、光琳、抱一の「敬慕」の気持ちだけで
連綿と続く、琳派というものを再確認しました。 (2006年09月20日 07時18分32秒)

お礼  
雪月花 さん
はじめまして、こんにちは。「雪月花 季節を感じて」の雪月花です。当方へお寄りくださり有難うございました。『嵯峨野明月記』や『乾山晩愁』を読まれた方と出会えて感激です。
一村雨さんのお話にありますように、抱一に「琳派の継承」という意識などなかったことこそ重要だと思います。ひたすら師に近づきたい‥という一念だったのでしょう。いってみれば、模倣することは没個性ですよね。にもかかわらず、光琳と抱一の「風神雷神図」にはそれぞれ独自の解釈が見える、とする美術館のキャプションはムリがあるように感じられました。
琳派展にはつねに新しい発見があります。今後も見守ってゆきたいと思います。
来週は利休の茶のことを書きます。また遊びにいらしてください。お待ちしております。有難うございました。 (2006年09月22日 10時43分27秒)

紅白梅図屏風  
はろるど さん
一村雨さん、こんばんは。
TBをありがとうございました。

風神雷神図の響宴だけでなく、
仰られる通り、その他の作品にも見応えある展覧会でしたよね。
抱一ファンにはたまらない(?)、
紅白梅図屏風、八つ橋図屏風なども嬉しいところでした。

実はまだ光琳の紅白梅図屏風を拝見したことがありません。
一度この目で味わってみたいです。 (2006年09月23日 23時13分40秒)

はろるどさん  
一村雨  さん
私もまだ紅白梅図屏風、実物を見たこと
ありません。
今度の冬には、熱海まで出かけたいと思っています。 (2006年09月24日 06時57分40秒)

TBありがとうございます。  
あべまつ さん
今日、やっと出光まで行ってきました。
いつもは茶陶器を見に来るところですが、
宗達が圧倒してました。
こっそり、ムンクも良かったです。
あの悲しみに出会うと、キュンとしてしまいます。 (2006年09月25日 21時24分45秒)

あべまつさん  
一村雨  さん
そうそう、あのムンクもよかったですね。
どれだけの人がムンクに気づいたでしょうか。
(2006年09月25日 23時55分34秒)

三人の風神雷神  
自由なランナー さん
すばらしい美術展でした。私は三作品の間をいったりきたりしながら、何回も見てしまいました。
なぜか光琳の作品にいちばん惹かれました。 (2006年09月27日 15時27分12秒)

自由なランナーさん  
一村雨  さん
私も3つの風神雷神の間を行ったり来たりしました。
何回回っても、いろいろ気づくところがあって
楽しい展覧会でした。 (2006年09月28日 07時56分16秒)

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