つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2009年01月12日
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カテゴリ: アート
雪舟と水墨画.jpg


評判にはならないだろうなと思っていたのだが、
予想に反して、すでに多くのブロガーの方が
見られており、かなり好評な展覧会。

本来は昨年中に見るつもりだったのだが、
都合つかず、地元の自分も遅ればせながら、
ようやく出かけることができた。

水墨画は「水暈墨章画」の略とのこと。
はじめて知った。水で薄めた墨の濃淡で描く

詰めて考えると難しい。

墨だけで描かれた山水や人物などはすぐに
水墨画と理解できるが、それに彩色されて
いたりすると、水墨画と言っていいのかどうか
悩んでくる。

日本で言えば室町時代の雪舟らは水墨画の
画家だとすぐに分かるのだが、狩野派の
画家たちや、宗達や応挙や蘆雪、蕭白、
若冲らは、水墨画家というのかどうか。
たまたま、墨だけで描いたものを水墨画と
いうのであろうか。


岡本豊彦の絵が水墨画なのかどうか悩む。
岡本豊彦の「松鶴波涛図屏風」などは、
琳派の絵そのもの。水墨画ではない。

日本の水墨画たち―雪舟から武蔵まで―の
コーナー。

もわっとした感じであまり好みではない。
やはり雪舟の作品で好きなのは、秋冬山水図の
ようにきちっと墨の線が引かれた絵だ。

室町時代の屏風「芦鷺柳燕図屏風」には、
痺れた。芦や柳の規則正しい並び方をした葉。
しなやかに翻って飛ぶツバメ。群れる白鷺。
墨は五彩を表すというが、白黒画面なのに、
本当に色彩が浮かんでくるよう。

宮本武蔵の絵は、余白の多さに剣豪のゆとりを
感じる。尾形探香の描いた「宮本武蔵像」。
痩せ細った手はとても剣豪のものには見えない。

最後のコーナーには、浦上玉堂の大作が数点。
2年前にこの美術館で見た浦上玉堂展以来、
すっかり気に入った画家である。今回も、
つんつん感ともわもわ感がステキ。

富岡鉄斎の絵は、よく目にするのだが、
面白いなぁと思うものの真剣に意識して見た
ことがない。今回もさらっと見てもう記憶に
残っていない。





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最終更新日  2009年01月12日 18時50分00秒
コメント(14) | コメントを書く


■コメント

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カワセミ  
Tak さん
こんばんは。

武蔵の描いた「カワセミ」が
まるで武蔵自身を投影しているかのように見えました。

>水墨画は「水暈墨章画」の略とのこと。
私も初耳でした。 (2009年01月12日 20時38分08秒)

水暈墨章画  
ogawama さん
水墨画とモノクロ写真はつながるような気がします。
水墨画の線画はかなり細かいので、抽象の世界というのとは違うようですけど。
「墨は五彩を表す」って素敵な言葉ですね。
見る側に自由なイマジネーションを持たせてくれる、懐の深い世界ですよね。 (2009年01月12日 20時56分24秒)

Re:岡山県立美術館所蔵 雪舟と水墨画 千葉市美術館(01/12)  
mashenka  さん
一村雨さん、ブログではお久しぶりです!
やっと復活しました。

ぜひ行ってみたい美術展ですね!
最近なかなかゆったり美術展に行けてないですが・・
ちらしの雪舟の作品も私は好きそうな感じ。
あと、宮本武蔵の作品が生で見てみたいですね~。

本年もどうぞよろしくお願いいたします!
(2009年01月12日 22時46分05秒)

千葉はステキ  
なでしこ さん
昨日はありがとうございました。
水墨画はみればみるほど楽しいということが、今回の収穫でした。
基本的な知識を増やして、もっと楽しみたい!と欲がでてきました。 (2009年01月12日 23時28分45秒)

Re:岡山県立美術館所蔵 雪舟と水墨画 千葉市美術館(01/12)  
wheatgrass  さん
実は岡山人のわたし、とても懐かしい想いで読みました。好評だとしたら嬉しいです。
雪舟も武蔵も、幼い頃より身近な人物でした。
(2009年01月13日 00時00分14秒)

浦上玉堂!  
あおひー さん
こんばんわ。
昨日はありがとうございました。
浦上玉堂はちょっと他にない感じですね。また、見てみたいと思いました。 (2009年01月13日 00時01分34秒)

Takさん  
一村雨  さん
小次郎がツバメなら、武蔵はカワセミですね。
(2009年01月13日 05時27分30秒)

ogawamaさん  
一村雨  さん
最近、写真を撮りはじめて、モノクロの美しさに
惹かれるようになりました。
水墨画が好きだったことが影響しているのかも
しれません。
(2009年01月13日 05時28分54秒)

mashenkaさん  
一村雨  さん
復活おめでとうございます。
走墨をやられていると水墨画って
身近な存在ですよね。
今年もよろしくお願いいたします。 (2009年01月13日 05時30分31秒)

なでしこさん  
一村雨  さん
こちらこそありがとうございました。
水墨画の世界を楽しむことができましたね。
東博へ行けば、いつも水墨画に会えます。
(2009年01月13日 05時32分39秒)

wheatgrassさん  
一村雨  さん
岡山出身だったのですね。
岡山には良い美術館がありますね。
武蔵がそんな身近な存在だったとは驚きました。
今でも影響力があるのでしょうか。
(2009年01月13日 05時34分20秒)

あおひーさん  
一村雨  さん
こちらこそ、ありがとうございました。
玉堂は今、渋谷の松涛美術館にも
作品が出ています。 (2009年01月13日 05時35分25秒)

水墨  
はろるど さん
先日はありがとうございました。(またおめでとうございました!)
色のない水墨だからこそ、様々なイマジネーションが湧き出てくるのかもしれませんね。私は雪舟のほんわか系の作品も好きですが、モノトーンの世界を見てそのようなことを思いました。

それにしても千葉市美、好調です。
毎度新京成で往復二時間通うのも全然苦になりません。 (2009年01月13日 22時06分29秒)

はろるどさん  
一村雨  さん
新京成だと千葉中央まで乗り換えなしで
行かれますからね。のんびり読書しながら出かけるのには
ちょうど良い距離でしょうね。
(2009年01月14日 05時33分35秒)

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