つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2020年07月21日
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カテゴリ: アート


大いに見応えのある展覧会でした。古美術作品と現代作
家のコラボレーション。仙厓と菅木志雄、花鳥画と川内
倫子、円空と棚田康司、刀剣と鴻池智子、仏像と田根剛、
尾形乾山と皆川明、北斎としりあがり寿、曽我蕭白と横
尾忠則の組み合わせ。どちらが主でどちらが従というこ
とではなく、それぞれが響きあい一体となって、多様な
空間を創り上げています。どちらか一方の作品だけ見て
いても楽しいです。

菅木志雄の作る丸いインスタレーションの作品は仙厓の
禅画を立体化させたよう。もともと禅画ですから解釈は
無限。次の川内倫子の映像は、空を覆いつくす一群の鳥
がひとつの生き物のように見えます。生き物を題材にす
るのは古典も現代も同じ。棚田康司の女性の木彫など円
空の仏像と一緒に置かれると拝みたくなります。鴻池朋
子の大掛かりな皮革に描かれた絵の間を往復する銀色の
頭が生物を切り裂く刀に見えてきます。皆川明のテキス
タイルは乾山の焼き物を荘厳する天蓋です。北斎の富岳
三十六景のパロディ版画には笑え、わずか四畳半の部屋
で森羅万象を描いたという様子を描いた映像には感嘆し
ました。

滋賀の西明寺の日光月光菩薩を田根剛の作る灯りで照ら
す空間が素敵でした。闇がカーテンのように上下する光
の演出。菩薩たちは縦横無尽に光り輝くと同時に闇に包
まれます。昔、お堂の中である一瞬だけ見ることのでき
たであろう仏像の姿が3分間の演出の中で繰り返し再現
されているのでしょう。これには度肝を抜かれました。

ラストの曽我蕭白と横尾忠則のコラボ。お気に入りの二
人のコラボなので楽しみにしていました。蕭白の寒山拾
得図は何度か見ていますがこの絵は初見です。蕭白独特
の荒々しい迫力のある背景にどこか愛嬌のある寒山と拾
得の姿。振り返ると横尾忠則の描く電気掃除機とトイレ
ットペーパーを持つゆるゆるの寒山拾得。どうして絞首
の紐があるのかと思ったら、自我を殺すための装置だそ
うです。ちなみに針のない時計は時間を超越した存在と
いう意味。もうひとつ新出の蕭白の鯉の絵も大迫力でし
た。





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最終更新日  2020年07月21日 01時58分54秒
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