近年、欧米諸国や我が国ではダイエットが盛んで、美人の定義もやせ形に偏っています。女性モデルやタレントさんたちの細いこと。あまりに不健康そうで若い女性への影響も大きいというので、欧米ではファッションショーに痩せすぎのモデルは出演できないことになったほどです。一方、仏様の故郷であるインドでは、伝統的に福与かな人がもてるのだそうです。
仏像を見ていると、福与かな体型をしている仏様が多いのに気付きます。首には三本の襞のような皺まであります。たまたまそうなのではなく、多くの仏像がそのように造られています。そう、この首の三本の皺には意味があるのです。それは「三道」と呼ばれ、悟りに至る修行の三段階、「見」「修」「無学」を表したものだということなのです。如来とは、悟りに至った者という意味ですから、まさにこの首の三本皺は如来の証なのです。
まず「見」とは、正見のこと。何ものにもとらわれることなく、ものごとのありのままの実相を正しく見ることです。裸の王様の透明の衣を偽物だと見抜いた子供の眼がこれに当たります。常識や経験などの知識やそこから生まれる先入観や偏見、私たちは常にこの邪見というフィルターを通してしか、ものごとが見られなくなっている。本質をありのままに見ることができなくなっているのです。これを打ち破りありのままに見られるようになるための修行の段階が「見」なのです。
次が、「修」。「見」によって得た正しい見方によって修行することです。闇雲な修行が意味のないことは、お釈迦様が苦行を捨てて悟りを得たことでも分かります。意味が無いどころか、邪見による修行はむしろ危険なことがカルトを見れば理解していただけるはずです。
そして最後の段階が「無学」。今では学が無いと読みますが、ここでは本来の意味であった学ぶべきことがもはや無くなった、つまり完全なる悟りに至ったという意味です。
拙僧はと言えば、未だに最初の「見」段階を彷徨っています。
迷える衆生に悟りの光が現れますように!
合掌 観学院称徳
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