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ブログのお仲間のしげやんさんが
わたしにとっての「ひな祭り」は、なぜか4月という認識なのである。
と、いうのも、母は春休みになると、よくわれわれ姉弟を連れて実家に遊びに行った
母の実家の焼津では、なぜか4月にお雛さまを飾っていた。
「おみせ」といわれた、玄関脇の大きな部屋に
母の母は家付き娘だったので、祖母自身のお雛様と
藤枝市から嫁入りした伯母の持参したお雛様の
フルセットの二組のお雛様が飾られ、それは見事な景観で
3月に家で飾る小さなお雛様飾りはすっかり記憶として遠のいているのだろう。
しかし、その中に、ひときわ異彩を放つお人形が存在した。
「 天神さん 」といわれる衣冠束帯をつけたひげの生えた大きなお人形である。
みやびな、お雛飾りの中で、ここだけ異色の空間があり
子供ごころにも、この違和感が不思議でならなかった。
ところが、この積年の疑問が、地元TVの番組で一気に解決を見たのである。
静岡あさひTVの「街角アルキメデス」という番組で藤枝志を特集した日があって
その中で「小宮人形」の雛具を紹介する場面があり
そこのご主人の話として、「 天神さん」のいわれが 語られたのだった。
いわく
藤枝を含む志太・榛原地区は古くからお茶の産地であり
端午の節句の時期はお茶の収穫期と重なり、お節句どころではない
そこで考えられたのがそれぞれ季節を一ヶ月ずらし
1ヶ月遅れの雛の節句と1ヶ月早い端午の節句を一緒にやってしまおうということ
そして、五月人形の変わりに学問の神様菅原道真公(天神)をかたどった
天神さんを男の子のお雛様として飾ることになったのだという。
母の実家は、わたしの母が生まれたときに建てられたが
その後道路の改修事業ですべてが収用され、今は跡形もない幻の家となった。
その娘の私が、その幻の家にまつわる謎を
その家が取り壊されたときの母の年齢に近くなった今知ったというのも
何かの奇縁であるのかもしれない。