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今日は、友人の「うさぎ大好き」さんと娘の三人で
館野泉さんのコンサートに行きました。
まえから行きたい、と思っていた館野さんのコンサートが
図らずも、隣町のホールで聴けるなんて、本当にラッキーです。
演目はバッハのシャコンヌ
スクリャービンの「左手のための小品 前奏曲と夜想曲」
エスカンデ「デヴェルティメント」(館野泉に捧ぐ)
休憩をはさんで、平原あゆみさんとの三手連弾
エスカンデ「音の連弾」(アンリ・ルソーの「夢」によるイメージ)
吉松 隆「タピオラ幻景」(館野泉に捧ぐ)
アンコール:フリースの子守唄(三手連弾)
アヴェ・マリア(作者名をききのがしてしまいました)
館野さんの経歴を見ると、不思議にハイドシェックとかぶってきます。
生まれ年も同じ1936年
20歳前半で国立音楽院を主席で卒業、20歳半ばでコンサート・デヴュー
音楽学校で教鞭をとる傍ら
精力的に公演を続け、収録したCDは、100枚以上
そして、二人とも、音楽への情熱にあふれている。
ハイドシェックもリウマチがあり、左手に若干の不自由があるそうですが
館野さんは、もっと深刻で、2002年に脳梗塞で右半身が不随になるも
2004年に「左手のピアニスト」として復活
前人未踏の左手によるコンサート曲や三手のための連弾に取り組み
数多くの作曲家から曲の献呈を受け、さらに
「館野泉左手の文庫(募金)」を創設し
同じような左手のピアノ弾きの支援に当たったり、曲の提供を呼びかけているという。
この三手連弾という演奏法に至ったのは
ある日、美智子皇后から「館野さん、連弾をしましょう」というお誘いがあり
急遽作曲家に「子守唄」を三手連弾用にアレンジしてもらったのが最初とのこと
「けれど、ボクのパートは、おんなじリズムの同じ旋律を繰り返すもので
皇后からは、『次の曲は、もっと館野さんが難しいものを弾く様にしてください』
というご要望がありました(笑)」
これをきっかけにお弟子さんの平原さんの協力を得て
三手連弾という道の地平を切り開いていったそうです。
演奏に出てくるとき、不自由な右足を引きずり、歩みが大変な中
会場の拍手に応えて、何回も挨拶を繰りかえされたり
穏やかな口調でアルゼンチンの作曲家エスカンデの曲の前に
ルソーの絵をかざしてみたり(当然見えませんでしたが)
終始お人柄の見えるMCを交えての演奏会
これが、左手だけの演奏なの?と思える素晴らしい演奏が会場を包み
奇跡のおすそ分けをいただいた一夜でした。