機能していない家族
カゲのうすい父親、過干渉的な母親が家庭病理を作っている。
発達障害と心的トラウマが絡み合って社会病理現象の背景がある。
長期の引きこもりやニート、青少年の凶悪犯罪が増えていることが物語っている。
天才のなかの悲劇と数奇な犯罪の根であるとも指摘している。
「愛する」よりも「知ること」を選んだ天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ だぶだぶのセーターとカール・ヘアー、支離滅裂、アインシュタイン
母親のひざに身を寄せられなかった文豪、夏目漱石
発達障害と心的トラウマの複合した猟奇的犯行、酒鬼薔薇聖斗 衝動性、攻撃性、多様な才能の偉人たちと犯罪者たち
部屋は滅茶苦茶、一つのことをやり遂げられない「天才」、ピカソ
多動性、衝動性、情緒不安、モーツァルト
短気で不器用、純真、ベートーベン
アルコール依存症の父から虐待された独裁者、ヒトラー
助けてもらえない不安」に包まれた、ダーウィン
母親に甘えたことのない不安な少女、ダイアナ妃
増えている「ニート」の背景にも夢を追い続ける青い鳥症候群かもしれない。
テレビを見る、ゲーム・インターネットと付き合う依存症。
母親への甘えを抑えていた子供の不登校 、モデルとなる父親がいない不登校。
性的虐待は重い傷跡を残す子供しか愛せない小児性愛者も「虐待された虐待者」すべて深刻なトラウマに繋がる。
リストカットは救いを求める心の叫び、 親に言われた小言や愚痴が深く突き刺さっていることが多く、何気ないひと言に傷つき、反発できず、ウツウツとした気持ちを引きずっている。
人間不信に陥り、自分を追い詰めて暗い人間になり、「あのひと言」に縛られ自分を傷つけてしまう。
リストカットする子には、感受性が豊かで、繊細で、人の気持ちを推し量り、自分の内面をよく見つめる子が多く、何気ない言葉に深く考え卑下する。
死にたい!葛藤が有る子どもは、小さい頃から「いいんだよ」という言葉をかけてもらっていません。
ずっとその逆を言われ続けています。
だめだだめだとレッテルを張られ、言われ続けて育った子どもが、自信をもてるわけがない。
自己肯定感をもてるわけがないのです。
生きる希望に満ちるわけがないのです。
だから自尊心が培われず、行き場のない閉塞感をもってしまっているのです。
子供から親への家庭内暴力もしかり。
子供に言い聞かせてきた言葉の虐待が帰ってきただけで力関係が逆転して起こったのです。
すべて家庭環境が破壊され不全になっている。
機能していない。
背後に父親不在の家庭や母親の過干渉がもたらすことが原因と化している。
増え続ける子供への虐待などはお互いの思いが通じない結果に起こるべきことであって、家庭がもろく崩壊して仕舞うのである。
愛情の裏打ちされたものがない、弱いものへのしわ寄せ、守ってくれるべき親はそこにはいない。
お互いの利害以外にない希薄な関係が破綻をきたす。
親から安心というものを受ける事により、何も恐れない勇気得る。
慈しみの愛情に育まれていればどんな過酷な環境にあっても凌いで生きていけるもの。
すべて幼いころの家庭環境に根付くのです。
今は働かなければ食べていけない社会。
生活レベルが低くなるのもお金社会だからです。
貧困化して強いものと弱い者との格差が歴然としている。
増え続くニートや夜行癖が治らず夜の世界に徘徊する若者たち。
何かを求めて夢を追い続ける青い鳥症候群。
誰かにすがり孤独に耐えられなく恋愛に依存する症候群。
生きることはどれだけ勇気と根性がいるか、幼少期より思いやりと愛情たっぷりで自立する生活を教えなければならないと切に思ったのです。
(診療内科医 星野仁彦著からの一部抜粋)