2005.07.03
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カテゴリ: □日本酒


氷室(ひむろ)の氷酒(こおりざけ)

今日は真面目に書いてみます。

夏は酒を冷やして飲みたくなるもの。
今では当たり前のように冷やしたお酒が飲めるのですが、
冷蔵庫がまだ無い時代に
貴族などの一部権力者たちだけの高貴な愉しみ方でした。
それは日本の酒をオンザロックにして楽しむという飲み方。
通の方から言わせれば亜流かもしれませんが、
実は、この飲み方にはずいぶんと古い歴史があります。

「氷室(ひむろ)の氷、熱き月に当たりて、水酒に浸して用(つか)ふ」


「六月、七月、宮中では醴酒(こさけ)を造り、山城(やましろのくに)や大和国(やまとのくに)の氷室の氷を用いて天皇に供する」
(正倉院文書)などの記録も残っています。

奈良朝の悲運の皇子・長屋王の屋敷跡から発掘された木簡からも
オン・ザ・ロックらしき飲み方が残っています。
雪深い山中から切り出した氷を、冬の間に氷室に埋めておき、
夏になって一塊ずつ大勢の人によって都へ運び出す
という大仕事によってはじめてできる大変な贅沢な愉しみ方。
庶民にとっては、まさに高嶺の花のような氷酒だったのです。

氷りも冷蔵庫も当たり前の現代ではそのありがたみは分かりませんが、
日本酒をロックで楽しむのもこのようなことをふまえたら
歴史ある王道の飲み方のように思えます。


オン・ザ・ロックで楽しむことがありますが、
氷が溶けると共にお酒が薄くなってしまう事がよくあります。
では、オン・ザ・ロックに向くお酒とはどのようなタイプなのでしょう?

一般的には度数の高い生酒が良いといわれています。
度数が高い分美味しさも詰まっているのでこれは必須です

それは、柱焼酎を使っているかどうかです。
柱焼酎とは江戸時代に開発された伝統的な手法です。
この手法をとったお酒は、まるで焼酎のオン・ザ・ロックを楽しんでいるかの
ように焼酎の伸びの特性を兼ね備えます。
氷が溶けていっても飲み終わるまで薄まることなく
最後まで美味しく飲むことの出来る日本酒。

江戸古式柱焼酎を復古させた日本酒が九州から
誕生することが決まりました。
発売は8月上旬。
よりレベルの高いオン・ザ・ロックの新極地。
奈良時代の皇族も楽しむことの出来なかった贅沢を
今年の夏は味わってみてください。





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Last updated  2009.04.01 22:04:18
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