ふつうの生活 ふつうのパラダイス

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2006年01月13日
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カテゴリ: 社会系エッセイ
えっとー今日はかなり長いです。硬いです。かんべんしてね。

太平洋戦争が泥沼になっていったのが、軍士官学校卒のエリート将校たちのせいだったとしたら、それは無理の無い話しかもしれない。
いかに戦争をするかだけの勉強をえんえんと仕込まれて社会にだされたら、戦争をすること以外考えない人間が出来上がるのは無理の無い話だ。現実に戦争が無かったら無理やり作り出してでも戦争をすることを彼らが考えたとしても不思議ではない。それが必要か不必要かとか、そのために人が死ぬとか生きるとか、誰かが損するか得するか、そんなことは関係なく戦争をすること自体が彼らにとっての至上命題になってしまったのかもしれない。

映画『シルミド』の中でも、トップ暗殺の教育を徹底的に受けた隊員たちは、いきなり計画がなくなったにも関わらず、やはり別のトップ暗殺に向かってしまった。今度は自国の大統領を殺すという方向に変わってしまっただけのことである。。でも、一国のトップを殺すことを教育され続けた彼らにとって、自分自身の身の安全よりも与えられた教育どうりの行動をとることこそが優先された。彼ら自身が意識するかしないかは別だ。彼らはほとんど無意識のうちに自分たちが教育された通りに行動しただけなのかもしれない。

今の日本もまた、勉強をし続けること、いい点をとること、いい順位をとることを第一としてずーっと教育されつづけている。
これは公立の中学校や高校ですらそうなのだ。
自分たちの勉強が実生活でどう役に立つのか、どういかされるのかは意外と教育内容の中には入っていない。
その結果二浪、三浪をしてでも東大理三を目指し続けることに異様にこだわる学生や、将来何になるかも考えずにとにかく偏差値の高い学校を目指す学生が増える。本当に医者になって患者のためにと思うのならどこの医学部でも、医学の勉強はできる。最高レベルの環境に必要以上にこだわることになんの意味があるのか。本当に医者になることのみをめざすのなら、浪人をしている何年もの歳月は惜しくないのだろうか。そうやって浪人を重ねている分救える患者も減るだろうに。その年月分より早く現場に出て行こうとは考えないのだろうか。

私が学生だった頃と今の教育界は結局ちっとも変わっていない。
いい点を取ることにこだわり続けた結果、勉強をすることだけが好きで、
いい点を取ることだけを強要され続けた結果、
今度は次の世代に、同じようにいい点をとるためのテクニックだけを伝授するための仕事に関わるようになっていく。

勉強は実生活に必要だからこそするためのものなのに、いつの間にか学歴をとるための道具に成り果ててしまったのだろうか。

学生時代勉強することばかりを要求されて長い年月をすごした挙句、今度は社会に出て、「学校の勉強なんか実社会では役にたたないんだぞ」と言われ、人間関系やコネが仕事の重要なポイントをしめるようになる。そんなら最初からそういうことを教えてくれりゃーいいじゃんと思わないでもない。さんざん頭を下げ、ゴルフ接待や取引先へのご機嫌取りやら、じゃあ一体今までの勉強はなんだったのだろう。あの膨大な量の暗記になんの意味があったのだろう。

なぜ、仕事をとるために相手の機嫌をとる必要があるのか、なぜゴルフをさせてくれたから、金をくれたから、うまいものを食わせて気持良くしてくれたから、そんな理由で仕事をまかせる相手をきめるのだろう。おかしいでしょ。どう考えたって。でも、今の日本の社会は、そういうことが常識になっていて、ものすごく当たり前になっていて誰も疑問をなげかけない。こんなことを言おうものなら、「お前はまだ若い。世の中のことをなんにもわかっちゃいない。」なんていわれるのが関の山。でも、私若くないですよ。あれ、いつのまにか話がずれているー。

頭のいい人間は自分の頭脳を使うのが好きなものだ。しかし、実際には頭脳を使う仕事なんていうものはそれほど多くないし、あったとしても、なかなかそこまでたどりつけない。
学生時代必死に勉強した挙句、実社会では、その勉強が生かされる場は少ない。(もちろんそうじゃない実学の学部もありますが。)

映画『 ビューティフルマインド 』で、主人公の数学者は自分の優秀な頭脳を使って社会で評価されることを望んでいた。
その当時数学者にとって、戦争のための暗号を解読することが最大の花道だった。
しかし、主人公が数学者となった時にはすでに戦争は終わっていた。自分の頭脳を使って暗号を解き、社会的評価を受けることを夢に見た主人公はだんだん精神的においこまれ、病んでいく。

「頭がいいのはいいことだよ」と言われ続けて必死に勉強しつづけた挙句、実社会ではそんなものは役に立たないといわれる。

いい点数を取ることばかりを強制しつづける今の学校のあり方は、戦争する方法を教育し続けた戦前の士官学校と変わらないのではないだろうか。
今の学校や塾で教えているのは実学ではもちろん無くて、でも勉強ですらなくて、点数の取り方なのではないのだろうか。
センスといわれる国語ですらテストでの点数の取り方がもはや解明されている始末。
数学はパターン暗記と化し、他の科目はひたすら暗記、物量作戦での攻略法が定着しつつある。
そんなことを何十年も続けていたら。彼らの中で何かが確実に無意識の底にたまっていく。

京進事件やニートやフリーターや今の社会のたくさんの問題を考えていく時に、何かがどこかでつながっているような、そんな気がしてこないだろうか。
(ただ、殺人をおそわったわけじゃないし、あの事件はある意味先天的な部分もありそうで、むずかしいところですが)

塾や学校や受験を非難しているわけではない。私たちはいつの間にか自分たちの意識していないところで、本来の目的とは違った方向に進んでいってしまう可能性があることに気づいてもいいのではないかということだ。正しいと思ってやっていることが、長い間にいつの間にか本来の目的とは違う方向に進んでしまっていることに気づかないままでいるのかもしれない。そしてそれはとてもこわいことだ。時折、立ち止まって、振り返って、見つめなおし、考え直し、方向修正をするための働きかけや努力を、すべきではないのかと思うのだ。

こんなことを書くと、そんなことはないですよとか、ほかにもいろいろクレームがつきそうで、申し訳ないのですが、もちろんわかっております。はい。かなり限定された部分で書いてますし、また、視点を変えて書いていきたい部分もありますので、ご容赦ください。


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ビューティ・マインド/狂気の天才数学者、ジョン・ナッシュの人生

↑ジョン・ナッシュの人生も読みたい。

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↑読みたい。でも、難しくてわかんないだろうな。








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最終更新日  2006年04月19日 09時04分13秒
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