ふつうの生活 ふつうのパラダイス

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2006年07月28日
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カテゴリ: 読書ノート


ウェブ進化論

まだ、読んでる途中です。

人は本来、労働という欲を持つものだ。というのが 社会主義 の基本的な考え方だと昔中学校の社会科の先生に習ったように思う。

確かにそうだ。社会に出て働かなくても食べていけるはずの主婦、女性達が社会に出て働きたいと願う。そこに、共働きやディンクスが存在する。夫の稼ぎだけで充分食べていけるはずの女性達が家庭でのおきらくな家事だけではもの足らずに社会で働きたいと渇望する。

人に本来働きたいという欲望があるのなら、それは 対価 を伴う労働という枠を固定しなくてもいいはずのもので、それぞれがそれぞれの得意とする分野でそれぞれにそれぞれの労働を社会に無償で提供して、社会を成立させた上で、それぞれの労働によって出来上がった、食品、衣料、そのほかのあらゆるものが無償で人々に提供されるなら、それはどれほどすばらしい世界だろう。

社会主義 とは本来そういうものだったのではないかと私は思う。

そして、その対極にあるのが、 資本主義 だとしたら。すべてのものをお金に換算し、お金がなければ何も手に入れることができず、労働には必ず対価が伴う。働いてお金をもらって、そのお金でものを買う。そこには等価交換という基本があって、価値の高い労働には高額の対価があり、価値の高い品物には高い支払いが要求される。

しかし、どの労働が高い評価を得るのか、どの品物に高い価値がつくのが、それをいったい誰が決めるのだろう。

全ての人が自分の能力にみあった労働をし、全ての人が必要なものを享受できていいはずなのではないのだろうか。

資本主義社会において、高い評価を得ているものとは、所詮、今という時代、地球という惑星上のごく狭い世界の中での価値評価に過ぎない。

例えば (ゴールド)なんてものはほんとのこと言うと大して役にたたない。ただ、見かけがきれいで地球上に少ししかないから、価値が高いだけで、食べられもしないし、薬にもならないし、エネルギーにもならない。
もし、他惑星から膨大な量の金が発掘され、地球にもちこまれたら、どうなるのだろう。

そういう、対価による社会とはまったく別の世界。
それを今 グーグル は、インターネットの中で作り上げようとしている。

リアルの世界で崩壊したはずの社会主義的行動、あるいは、ボランティア。対価のない労働。

そういうものがインターネットの中に存在している。

オープンソース 」というものは、ネットの中で世界中のあらゆる人たちの無償労働によって作り上げられたプログラムなのだそうだ。

人間にはたとえ、報酬がなくても、働いてしまう、そんな部分があるようだ。

あるいは、ネット上に点在する多数の 掲示板 というものも、誰かが発した問いに誰かが無償で答える。あるいは個人が得た知識、情報が掲示板上に書き出され、全ての人が入手することが出来る。
そこには対価による交換はない。金額的評価もない。

リアルの世界で崩壊したはずの社会主義的世界が、ネット上で再構築され始めているのだろうか。

全てのものに対価を要求する資本主義的ビジネスの対極に位置するような考え方、システムなんじゃないかと、思うわけだ。


情報産業 という新しい産業を打ち立てたのが、IT、ウェブ、インターネット世界、コンビューター、プログラム、なのだとして、つまり、これは今までありえなかった新しい産業分野なのだそうだ。

情報 というものがいかに価値を持ち、いかに大きく社会を変えていくものか。 グーグル や、 マイクロソフト の出現によって世界が騒ぎ始めたのが、つい最近のこと。けれど、情報自体はもちろんずっと前から存在し、その価値自体はもちろん高く評価されてはいた。

たとえば、忍者とか、隠密とか、スパイとか、社会の上層部、支配階級にとって情報は自らの存続にかかわる非常に重要なものであった。

さらに古くは口伝(くでん)のように、口伝えにしてまでも、後世に伝えようとしたものがあるわけで。

かつて、社会の上層部だけで、重要視され、秘密裏に隠されていたものが、時代とともに徐々にオープンとなってき始めている。

社会は国や政府に対して、情報公開を要求し、政府の中だけで隠密に進められてきたことに対して、社会に存在する全ての人間がそのかかわりを持とうとしている。

あるいは学校というものもまた、勉強とか、学習とか、学歴とか、そんなもののために行くものではなくて、かつては王侯貴族ゃ、武士だけが受けていた、知識という情報を、国民全員に受け渡されるようになったというかなり大きな変化なのだろう。

そして、今まで、社会の上層部や、王や、政府だけで持っていた情報を、人類全体で共有して行こうとするための ツール として、コンピューターや、インターネットを使って行こうという、そのシステムを作り出そうとしているのが、まさに グーグル という会社らしいのだ。

たとえばかつての社会主義国が情報を徹底的に隠し、閉じこむというありかたの挙句に崩壊してしまったのだとしたら、全ての情報をオープンにすることで新しい社会主義的世界が成立するその発端をつくりはじめているのかもしれない。

今、グーグルや、この本の著者が在籍する ハテナ という会社の内部では、インターネットを使って社内の全ての人間が上下関係をすっ飛ばして、情報の共有、アイデアの共有、リアルタイムの発言がなされているという。トップダウンや、会社の上部だけに情報をしまいこむような今までのありかたとは全く違う組織、システムを作り始めているらしい。

グーグルは、世界中の書籍、世界中の個人情報までも、自社のもつ膨大なコンピューターに保存し、そしてそれを世界共有の情報、知識として使えるようにしようとしているらしい。

書籍のネット公開には、 著作権 や、プライバシーもまた、絡んでくる。

しかし、世界中の人々の労働が無償提供という形に変化していったとしたら、個人の 著作権 など当然存在しなくなるはずのものだろう。著作権というものは資本主義社会において、より有利に生きていくための財産としての評価なのだから、全ての労働が無償とされる社会がもし、成立しうるのなら、そこには、 知的財産権 という著作権もまた、存在しえなくなるものだ。情報も、知識もアイデアも、それ以外の産業による生産物と同じように、社会的生産物、資産とみなされるからだ。けれど、対価がなくても、全ての社会的生産物が入手できるような社会になった時、そんなものにこだわる必要すらなくなるのではないだろうか。

全てをお金にたよるリアル世界の資本主義とはまったく別の価値観がインターネットの世界でかたちづくられていくのだとしたら、こんなに面白いことはない。

グーグルの社員が言う。

「世界政府というものがあるのなら、そこで開発されうるはずのシステムを作る事がグーグルのミッションなんだ。」 と。

そして、グーグルの社員が言うように、情報の世界共有、完全な、オープンシステムこそが世界を一つにし、戦争をなくすための、世界政府の形の基石となりうるものなのかもしれない。

戦争がお互いの隠しあっている情報の探りあいによって、勝敗を決めていたように、そして、今ある各国の政府がそれぞれにおのれの情報を閉鎖していることでその存続を維持しているのだとしたら、全ての情報のオープン化、共有こそが世界政府というものなのだろうし、世界に戦争がなくなって世界が平和になるためのもっとも大きな足がかりなんだろうと思う。


『ウェブ進化論』★その2















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最終更新日  2006年08月03日 09時45分22秒
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