ふつうの生活 ふつうのパラダイス

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2006年09月10日
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カテゴリ: 外国映画 た行


こういう 売りせん じゃない本気で作ってる映画っていうのは、というか、映画の多くは、見終わった後、いろんな解説とか、パンフレットとか読まないと結局どういう映画だったのかわからない。ということが多いなとつねづね思うんですけどね。本や漫画の場合ほとんどその作品内で説明されているので、そんなことはそうはないんですけどね。もっとも古典文学みたいにやっぱり解説が必要なもの、大学の先生が必死に研究してるものもあるけれど。
でも、ふつーの漫画や小説はその作品読めばわかる。
しかるに、映画ってのは、文章じゃないことと、時間制限があることなんかもあって、映画見終わった後にどういう話だったんだろう?とか、あの場面はどういう意味だったんだ?なんてのが、ごくふつーの映画でも結構ありませんか。

ましてこういうハイレベルの映画になるとなおさら。その上この映画はとにかく昭和天皇ヒロヒトがもそもそと小声でしゃべってるんで、何言ってるのかほんとーにわかんなくて。
昨日パンフレットを熟読して、ようやくわかってきたというか。
だって、パンフレットの中にシナリオのダイジェストが載ってまして。それを読んで初めてあーこんなことしゃべってたんじゃなーい。という感じです。
しかも、このパンフ、1000円もするんですよ。レディースデーの入館料と同じジャン。

つまりこの映画を本気で鑑賞するには倍ないしは倍以上の金額がかかるということです。

それから、パンフの中の田原総一郎さんの文章?コメント?を読んでやっとわかってくる感じかなあ。
やっぱ田原さんて頭いいわあ。


とにかくわかりにくいのよ。

映画ってさあ、もう少し見る人に親切に作ってもいいんじゃない。一応商売なんだしねえ。

ということで、結局、ヒロヒトは、自分を神だと思っていたのかいないのか。

そのあたりはっきりしないけど、それでも、神の末裔としてその存在意義を評価されている自分が、神じゃないと言ったら、自分の存在はどうなるのか。神として評価されている人間が、普通の人間になった時、どうなっていくのか。神の末裔としての自分。そうでない自分。自分の存在の意味を問うていく過程が第二次大戦下の日本という舞台設定と、神として扱われる人間という道具立てを使って、じゃあ人間の存在意義は何によって認められうるものなのかを問うている話なんだなあと、思いましたけどね。そういえば、神が人間になる話として、最近作られたもう一つの映画といえば、話題の『ダヴィンチコード』が、そうだよねえ。西洋世界の天孫ともいえるキリスト。キリストが結婚してて、子供もいて、ごく普通に人間ジャンという話。こっちはあくまで、事実をもとにして作ったフィクションですけどね。


で、実際に神様だって崇め奉られていた人間がいたねって話がこの映画ですし、でもってそんなわけないだろってことで、じゃ、神様でもその末裔でもなくて、ふつーにふつーの人間ですよっていうことになる過程を描いた話ですね。そして、その渦中にいる本人その人の内面の変化を追っかけて見ましたって話なので、だから、映画としては、実際の終戦や、戦場や、歴史的事実はあんまり表には書かれてなくて、セリフでちらっとでてくる部分だけで見てる側は判断しなきゃなりませんけどね。だから、知らないうちに終戦になってたり、いきなりマッカーサーが出てきたりして、見てる側は何で?と思う。

神様の末裔にかかわらず、マー自分って何なのっていう問いは人間なら誰でも持つわけだし、自分が今ここにいても生きてる意味ってあるのかなあという疑問と不安に戸惑う人間もまた、天皇陛下だけにかかわらず、ごくふつーにそこらにいる。
そういうことで。

で、映画の結末としては、愛する家族がいるってことでヒロヒトさまはそのあたりに救いを見出してハッピーエンドに終わります。実際戦後の天皇家もそれまでの他人任せの子育てから、天皇や皇族であっても、親として自分でちゃんと子育てしよう、家族で仲良く暮らしていこうというスタンスに変っていくわけですから。

多くの人に崇め奉られるより、自分を愛してくれる人が誰でもいいから、一人いればそれで十分ですねってそう思って見終わればよろしいんじゃないかと、そういうことで。

というわけで、そこまで読み切れれば、もろチンいい映画なんですけど、一回たらっと見てもなかなかふつーはわかんないです。

でもやっぱりいい映画なんでしょう。ここまでわかれば。


アレクサンドル・ソクーロフ A・ソクーロフ監督が、90分ワンカットで描いた異色ムービービデオメーカー エルミタージュ幻想


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最終更新日  2006年09月10日 08時39分40秒
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