ふつうの生活 ふつうのパラダイス

ふつうの生活 ふつうのパラダイス

2007年01月05日
XML
カテゴリ: 外国映画 た行
仄暗い水の底から

仄暗い水 なんてネーミングはすごいですね。あまりにも怖そうで観なかったんだけど、これが不思議なことにアメリカのものになると、それほどでもなくなって来て、「見たい」って気になるんだから不思議。

水とか、湿気っていうのは、特に日本のホラーでは、怖さを演出するのに重要なアイテム。というか、日本の怖い話ってのはどこか湿気を帯びたじとじとじめじめした独特の日本らしさが怖さを演出してる部分て多い。

で、それがもろメインの黒い水なんてのがタイトルなんだから、いくらなんでも怖いはず。な、はずなのに、どうしてアメリカで作ると、あんなに水がびちゃびちゃ出てくるのに、やっぱりどこか、ドライな気がするんだろう。

日本の怖いはアメリカにいくと、カラッと乾いて怖くなくなっちゃう。で、結局こんなに水を使ってびちゃびちゃにしたのに、やっばり日本のもののような湿度は感じなくなって。

で、おかげで見る気になったのは、いいんですけど、さいわい怖くなかったのです。
全然。

シナリオとストーリー自体はなかなか面白かったので、よかったんですけどね。

こんなの観ちゃったら、夜困るなーなんて心配はなくなった。
だって、幽霊がすごくはっきり出てくるし、最初の段階で、すでにネタの想像がつくんだもの。
そして、ラストは予想通りの展開。

でも、ヒロインが死んじゃうとは思いませんでした。

母親との親子関係がよくなかった主人公のダリア。幽霊のナターシャもまた、両親に愛されなかった子供。
そういう共通点が二人をリンクさせてしまったんでしょうね。

母親との関係がよくないと娘を愛せないんじゃないのかなと思うのですけど、ダリアは娘のセシーをとても愛してかわいがっています。

この母娘の愛情がこの物語のメインなのですね。

母子関係の悪さのせいで結局ダリアは、夫との関係をうまく構築できなかったのでしょう。

母親との関係と言うのは、人間関係を人生のうちでうまく作り上げることが出来るかどうかのとても、大切な部分だと思うのです。それがうまくいってないと人間関係がつくれないまま育ってしまう。

いまどきはパートに出てて、忙しいお母さんが多いですからね。どうしても、母子の関係が育てられない。ゆっくりのんびりした時間を共有して、一緒に遊んだり、おしゃべりしたりって大事なんだと思うんだけどね。アメリカの母もまた、いそがしいようですね。ダリアの母も子供の彼女をなかなかむかえにきてくれなかったり、すごく怖い顔で彼女を嫌っていたり。ダリアは、結局その部分を自分で克服しきれなかったのでしょう。
その関係にたいしては、それ以上の描写はないので、なぜなのかはわからないのだけれど、アメリカでは日常茶飯事でいまさらなので、そのくらいの描写で十分なのかも。

それでも、ダリアはセシーをとても愛していて、大事にしています。映画『 フライト・プラン 』でも、母の愛情が異常な状況下という設定によって強調された描写になっていて、娘をもつ母には共感度の高い物語でした。そして、この映画もまた、母と娘の愛情が物語の主軸になっていて、『フライトプラン』を思い起こしました。ただ、『フライトプラン』と違って、幽霊が出てくる以外には、ごく普通の日常が舞台なのです。

離婚したダリアは一人でいろいろなことをこなしていかなければならず、世間て厳しいな、夫がいればこんなに甘くは見られないのになと思うシーンもしばしば。水道の修理を頼んでも、たらいまわしにされたり、後回しにされたり、弁護士にも適当にあしらわれたり。夫がいれば、こんな大変なことはなさそうなんだけど、でも、その夫と別れるために苦労してるわけですから。

やっぱ別れない方がいいよな。

実際ダリアも元夫に対して折れて、もっと近所に住んで助け合おうと言い出すところまではいくのです。

でも、彼女を追い詰めるために二人の若者を雇って彼女に嫌がらせをした夫の行為に対しての怒りはどうなっちゃったんでしょう。

それから、学校で水浸しになったトイレにいたセシーがその後どうなったのかも不明。どうなったんだろう。

セシーとナターシャが似ていて見分けにくかったのも、ポイント。

セシーを助けるために自分の命を引き換えにしてダリアは死んじゃう。いかにも日本の母らしい。原作は日本ですからね。アメリカ人はこのあたりのところ、理解できたかな。子供のために自己犠牲をするのは世界中の母共通なんでしょうか。

最後は父親に引き取られてセシーはアパートを出て行くのだけれど、エレベーターの中で幽霊になったダリアに髪を三つ編みにしてもらうシーン。娘を持つ母には共感度バッチしです。このあたり、母親の愛情と娘の心のつながりを表現するのに秀逸な表現でした。

男の子の髪は触らないけど、娘の髪はしょっちゅう触りたくなって娘におこられてます。娘の長い髪を結うのってお母さんの仕事だもんね。うちの子は嫌がるけどね。

そして、セシーがこのアパートを出て行くところで物語は終わるんだけど、考えてみると、もしかしてセシーはこの後、思春期とかに悩んだり、さびしくなった時、このアパートに戻ってきそうな気がします。ダリアに会うために。でも、ダリアはナターシャに請われてナターシャの母代わりとして、幽霊になっているわけだから、セシーがダリアに会いにくることはいやなはず。そうなると、セシーとナターシャでダリアの取り合いになって、『エクソシスト』バリのすごい戦いが展開しそう。

こういう設定で、『ダーク・ウォーター2』とか、作れるじゃん。などと考えてしまいました。

うーん。メインは母と娘の愛の物語なんだけどな。
















ダーク・ウォーター@映画生活







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年01月05日 21時55分13秒
コメント(6) | コメントを書く
[外国映画 た行] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

コメント新着

名無し@ Re:朝マックはやめてほしい(02/25) 朝は野菜が手に入らないから
civaka @ Re[1]:『風光る』(11/21) あかぎさんへ コメントありがとうございま…
あかぎ@ Re:『風光る』(11/21) 風光る、よく調べられていて面白いですよ…
本が好き!運営担当@ 書評でつながる読書コミュニティサイト・本が好き!のご案内 突然のコメント、失礼いたします。はじめ…
通りすがり@ Re:『マリー・アントワネット』(09/10) 「その反応は理不尽だ」 「この光景を残…
後藤 仁@ 絵本『犬になった王子(チベットの民話)』 civaka様 拙作絵本『犬になった王子(チベ…
civaka @ Re:絵本『犬になった王子(チベットの民話)』(08/07) 後藤 仁さん こんにちは。 検索して、ど…

プロフィール

civaka

civaka

カレンダー

バックナンバー

2026年05月
2026年04月
2026年03月
2026年02月
2026年01月
2025年12月
2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月

キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

イルミ見学2・KI… New! アキオロミゾーさん

食後の昼寝の頭なめ… さくらもち市長さん

昭和をたどり直して… yhannaさん

h+and   ~ I want … すずひ hd-09さん
ツブビヨリ ナカムラエコさん
間質性膀胱炎との闘い minntinnto91111さん
KAYO in ENGLAND chamokayoさん
みかんのきもち ももんが1225さん
はいさい! さえななさん
I'll be there for y… ☆リエコ☆さん

サイド自由欄

設定されていません。

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: