ふつうの生活 ふつうのパラダイス

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2009年04月15日
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カテゴリ: 社会系エッセイ
夢一夜

それは、現代の日本語が明治以降、英語を訳した時に文章にしやすいように改変されてきたからだろうか。普段私たちが使っている今の日本語は、古来から日本に連綿と伝わる日本語ではなくて、明治以降政府によって、英語訳に即応できるようにある程度改変されてきたものなのだそうだ。

枕草子など、日本の古典や近代文学など、みんな、他の外国の文学にしろ、詩にしろ、もちろん原語で読むのが一番なのだけれど、いま、英語の世紀の中で、いろんな文章が英語訳されていく可能性を考えた時、古典をただ、直訳しても、その美しさや、本意は、伝わらない。

古文の教科書をみながら、枕の草子も現代語訳すると、風情がなくなること、美しくなくなることを子供と話した。でも、それは、現代文が美しくない文章、言葉だからだろうか。

現代文でも、枕草子の語る本意は、美しく表現できるはず。
枕草子のエキスを現代文で、美しく表現できるものだろうか。
その疑問への挑戦が、昨日の文章なのである。

もちろん、全ての文学は作者の書いた言語で読むのが一番だけれど、今、世界の言語が英語というひとつの言語へと集約されつつある時、逆に世界の全ての文学が英語に転換されていった時、どうなるのだろうか。

そういう疑問点からの試作である。
それにしても、同じ日本語の中ですら、古文から現代文へと転換した時にこれほど表現や訴えたいものが変わってしまうのだとしたら、日本語から英語への変換など、さらにどうなるものなのだろう。
ただ、現代文の方が、英語にしやすいという要素もあるけれど。

さて、ここからさらに、現代文の枕草子を英語にしていきたいのだか、私の英語能力では、無理なのである。
英語の堪能な方にトライしていただきたい。


ところで、昨日の記事には、二つの要素が、うまくまとまりきらずに、文章が散乱していたと、思う。のだけれど、書いてみて、読み直してみて、いただいたコメントも読んで、わかったのは、言葉には、大きく分けると二つの要素があるのだなと、いうこと。

情報を伝える道具としての言語。そして、芸術表現の道具としての言語。

情報としては、既に、理系の論文などは、国際的な場への発表を考えて、英語で書かれることは、もはや常識になりつつある。世界中のニュースも先ず英語がセンターの役をして、情報がとりかわされ、世界中に伝わる。
日本でも、世界の情報から取り残されないためにも、英語の習得は必須と、「 日本語が亡びるとき 」でも、語られる。
情報の伝達のための言語には、表現の妙は、それほど要求されないし、表現もダイレクトであるのだから、訳す時にもそれほどの問題はない。

その一方で、芸術表現としての言語は、本来の作者の使用した言語での表現であることは、非情に重要なことなのだ。だから、ほれ込んだ文学作品を読みたいというためだけに、その言語を学ぼうという人すらいる。文学を学ぶために、読むために、作者の真意により近づくために、その言語を学ぶ。

それは、単純な情報伝達のための言語とは、別のものだ。

わたしが、「日本語が亡びるとき」の最終章を読んで、なぜか納得できずに、煙に巻かれたような気がしたのは、この二つの言語の特性がないまぜのまま、語られてしまっていたからなのだと、やっと気がついた。

「普遍語」というものは、国をこえて共通の言語でありまた、知性、知識、情報をとりあつかう高位の言語だ。
けれど、今現在の英語の位置は、それとは微妙に違うのではないのか。

情報や、技術やニュースや政治的交渉が英語になったとしても、文学という芸術は、そんなにかんたんに英語に摩り替わっていくものなのだろうか。

その言語を使う人間が少ないほど、その文学は、多くの読者に読んでもらえる可能性が低くなる。これからの作家たちは、より多くの読者を求めて、英語で書くようになるのではないかというのが、「日本語の亡びるとき」のいわんとするところだけれど、それは、はたして、作者が幼少期にアメリカで育っているゆえに出せる結論のようにも思える。

どんなに世界の言語が英語になっても、文学のような微妙な表現を必要とし、社会的歴史的背景を内包するものを、母国語以外で書くのは、むずかしい。それは、そう容易には、変換できない。

もし、日本人の作家が、これからさき小説を英語で書くようになるには、どんな社会的背景が必要なのだろう。

すくなくとも、数年、数十年くらいでは転換できない。と、思う。











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最終更新日  2009年04月15日 22時11分29秒
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