今回選ばれたのはRichard Strauss「Traumlicht(夢の光)」と、Poulenc「アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り」より“Ⅱ. Tout puissant(全能の神よ)”の2曲です。どちらも和声がキラキラしてきれいな曲ですが、和声が崩れると壊れるし、転調の嵐のような曲なので和声感が大事です。
Richard Strauss「Traumlicht(夢の光)」は、やはり度々登場する転調がネックのような気がします。どうしても横へ横へと音をとって、アンサンブルの中の自分の立ち位置がわからない人には、解決が難しいのかなぁ。一つ一つ和声を確認しながら、自分の位置(ピッチと音量バランス)を理解しないとハモらない。発声もピッチに影響するので、理解して歌ってくれないとねぇ。途中で発声(あごの引き方と響きの位置)とか発音(口の形)とかの議論がありました。まあ、少人数アンサンブル(この日は五声の曲に五人だった)の問題もあり、この曲を各4~5名で歌えば解決する問題なのかもしれませんね。
Poulenc「アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り」より“Ⅱ. Tout puissant(全能の神よ)”はハモりそうなんですけどね。所々で濁る。この曲は和音が転回するような曲ではなく、並行進行するので主音のパートばずっと主音だし、ずっとトニックだしって感じで、半音とか全音のピッチ間の感覚の正確さを求められている気がします。まあ、後半はぶつかる音が出てくるので、そのきしみとかを楽しめないと厳しいかな。変な音って感じてしまうと、その感情が音に表れてくるみたいでね。