ひねもすのたりのたりの暮らし方

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洋服を仕立てる


洋服を仕立てる

寧波に来て初めて洋服を仕立てようと思ったのは、半年後の12月ごろだった。

その日は、身を切るようなその冬一番の冷え込みだったが、中国語の先生について行ってもらい、布地やさんに行った。狭くて汚い路地の中にあったその店は、チャイナドレスの生地、背広用の生地、綿、ウール、シルクなど置いてあった。
店の中には、何人かのお針子さんがいて、注文された服を縫っていた。
スラックスを作ってもらおうと思ったが、気に入った布地が無かったのでその日はやめた。

次の機会は翌年の春節前。旗袍(チャイナドレス)作りだ。
それまで上海の百貨店で既製品を買っていたが、布地、縫い賃込みでも既製品と同じぐらいか、安くでできるというのだ。それなら自分の体にあったものができる。(私はヒップとウエストの差が大きいので)
このときも中国語の先生についていってもらった。
今回は、大きな通りに面し、旗袍が飾られ、旗袍の生地がたくさん並んでいる新しい店だ。でもよく見ると、最初に行った店の新しくできた支店だった。

少し濃い目のパープルに鳳凰の模様の入った生地を選んだ。
デザインを決め、採寸をしてもらう。結構いろんなところを計るのだが、いちいち書き込まず、まとめて書き込んでいる。大丈夫なんかなと思った。

採寸をしたら、生地を必要なだけ切ってもらい、まず生地代をレジで支払う。そして縫ってくれるおばちゃんに生地を持って行き、今度は、採寸を記入した紙に縫い賃を書き加え、その紙をもらってまたレジに行き、縫い賃を支払う。少々面倒くさい。


仮縫いを頼んだつもりだった。
この仮縫いの概念が日本と大幅に違うのだ・・・
日本なら、全部ホントに仮縫いなのだが、脇縫いやダーツはしっかりミシン掛けがしてあるのだ。襟開き、襟付け、袖の長さは日本と同じような仮縫いだった。

まあでも何とかクリア。結構おばちゃんも気に入ったので、お友達を連れて行ったりしてこの後、帰国まで何度も足を運ぶことになる。

ところが、トラブルもある。
仮縫い予定の日の朝早く電話があって、注文したデザインだと縫い目が重なり合って不好だから、まだ生地を裁っていないという。デザインを変えたら、明日仮縫いをするというのだ。注文してから2週間経っている。何でもっと早く言わんのか(`´)

出来上がったフレアスカートを試着すると、片側だけ10センチほどベロッと裏地がはみ出ている。それで直してもらうと、全体に同じように短く切ってしまい、ちょうどよかったところは短くなりすぎていた。

ボタンのつけ方がものすごく大雑把。それにファスナーも質が悪い。
でも、だめなところは気軽に直してくれるし(当たり前か)、壊れたファスナーも無料で替えてくれた。


仕立て代は、旗袍が180元ぐらい。コートが220元、スカートは50元ぐらいだったと思う。

中国では裏地の品質のよいものがあまり無く、裏地にシルクの表地を使うこともあり、裏地のほうが高くついたこともあった。

それにスカートやコートはぴったりと作ってくれるのだ。ゆるみと言うものが無い。ゆるめに作って欲しいと言うと、採寸のときにほんの少し多めに計るだけだ。
日本だと、採寸して、それにさらにゆるみをくわえるのだがどうもそれは無いみたいだ。

せっかく仕立てた洋服だが、残念ながら体重増のおかげで着れなくなったものがほとんど・・・  トホホ




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