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パパラチア・・・・と呼ばれるサファイアがある。スリランカでしか産出されないといわれてる宝石で、名前もシンハラ語(スリランカの言語のひとつ)から命名されている。その意味は 蓮の花あ~、仏教国にふさわしく、何て、気品にみちた名前なんでしょ~!!ピンクとオレンジの中間のような色合いで、これは、クロムの含有量がルビーに比べて少なく、その配列もかなり不規則になってるから(←ちょっと専門的!)あ~、クロムが多かったらルビーになれたのにね~!!何とも控えめな、自己主張の少ないサファイアである(↑と勝手に私が思ってる・・・だけ)しかし希少性が高いため、別名、「キング・オブ・サファイア」その値段も王様級!!だ・か・ら、スリランカに来たら、ぜひパパラチアを買いたいわ~と言う人(一般庶民)も多い・・・・・・・・・・・・・・・・・が、天然の無処理のパパラチアは、あまり、コロンボの店でも見かけない。もちろん、パパラチアもどきは・・・たくさんある。ある時、知り合いのアメリカ人から、パパラチアをついに買ったのよ~!!と見せてもらったことがある。見ると、それは、はっきり言って、 オレンジサファイアだった・・・・・・・・・・・・・・・・・でも彼女は私に鑑別の依頼をしてるわけでもないし、おそらく、ま~!ステキ!! ってなほめ言葉を求めてるので、とりあえず、ま~!大きなサイズね~!と言っておいた・・・・が・・・ストレスが残った・・・。こういった場面ではどうしたらいいのか?と他のジェムモロジストに聞いたら、みんながみんな、 絶対に、それはパパラチアではない!とは言わない。鑑別依頼がない限り、それが例え、サファイアでなく、ガラスだとしても黙っておく。そうだ。おおおおおお~!ストレスがたまるな~!!!(おばさん年齢になったから、おせっかい度も高くなってるのよ~私)さて、そんなパパラチア、スリランカでのみ産出と書いたが、今では、バンコクあたりで、ベリリウム拡散処理されたパパラチアが大放出されてるちなみに、サファイアの加熱処理は合法だが、このベリリウムを使った処理は、非合法である。でも、別に取り締まりがあるわけではないので、市場では、当然のようにサファイア、もしくは、パパラチアサファイアとして売られている。2005年の英国宝石学協会の会報誌(Vol.29 No.7/8)によると、無処理(つまり自然の色)のパパラチアは、様々な色のカラー・ゾーニングが確認できるが、ベリリウム拡散されたものは、カラー・バンドなどが薄い。あと、なんたらかんたら・・・説明が・・・。ふ~む、まだまだ、修行が必要でございますわ!
2007.05.22
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子供の頃に読んだお話で、面白かったものに、シャーロック・ホームズの冒険があります。異国のロンドンが舞台で、カタカナの通りの名前にあぜ道しか知らない田舎育ちの私は、それだけでワクワクしたものです。(それが、今ではロンドンも地図なしで動けるほどに成長!)(↑ちょっと嘘。地下鉄マップは必要でしょう。)先日娘が、日本語の教室から借りてきたので、なつかし~!と早速読んでみると・・・コレ↓原題はThe Adventure of the Blue Carburcle邦題は「青い紅玉と」して知られていますが、この本では「青いルビー」というタイトルがつけられています。ルビーは通常赤いので、確かに青いルビーって珍しいですね!・・・・て、ルビーはコランダムの仲間で、同じコランダムで青いものは、ブルー・サファイアではないですか~!!挿絵の男性の手のひらのこの宝石は、コレ↓私の手のひらにあるブルー・サファイアと同じもの!(非加熱サファイア、2.12ct)この作品は、1892年の作品なので、当時はサファイアの加熱処理技術はなかったから、挿絵の男性の持っているものも非加熱サファイアに間違いないでしょう。男性の手のひらから大きさを推定すると、軽く6ctは超えているかも?となると、このサファイアを盗まれた伯爵夫人の千ポンドの懸賞金をつけて情報を集める気持ちが、とても理解できるわなぁ・・・などと、子供の本に頷きながら読んでいると、この一文たかがちっぽけな、炭素のけっしょうが・・・た・ん・そ~?だったら、これはダイアモンドじゃないですか!サファイアもルビーも化学組成は酸化アルミニウムだよ。おいおい、ホームズ君、君の解説は間違っているよ・・・(↑本にツッコミ入れてどうする?)・・・・・まぁ、推理には関係ないので犯人はわかるのですが。こちら、以前のブログ宝石が微笑むとき・・・♪で書いたサファイアの原石大地の恵みそのままの色です。磨くと、同じブルーでも色の淡さが違います。(笑顔が素敵でしょう? 研磨されて初めて手のひらに乗せる瞬間ドキドキします♪)色に深みがあって、輝きも強いブルーサファイアは産出量から考えると少ないです。だからサイズの大きい非加熱サファイアで、色も輝きも良いものは本当に希少ですね。
2010.02.28
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エジプト紀行~第3弾~です。古代エジプトに登場する宝石と言えば、トルコ石とラピスラズリでしょうか。トルコ石は、古代エジプト時代、シナイ半島で採掘されていました。当時から人気があり、貴重であった為、ファイアンスと呼ばれるトルコ石に見せかけた模造品も多く作られています。石英にナトリウムやカルシウムなどの添加物を加えて焼いたもので、博物館の展示品の中でも見かけます。歴史をさかのぼって、古代から人は一生懸命に美しいものを作っていたのですね!模造品と言えば言葉が悪いですが、時代を超えても残るものを作る技術ってすごいですね。さて、ラピスラズリ、ルーブル博物館に展示されている古代エジプト時代のラピスラズリの首飾りは、ラピスラズリの粉末とシリカ粉末とを混ぜて焼いたものだそうです。トルコ石もラピスラズリも耐久性が低いので、当時は何とかして、持続する処理や見栄えのよい処理をしようとしたのでしょう。試行錯誤をしながらその技術を高めていった古代の技術に感動します。(もちろん無処理のトルコ石、ラピスラズリの宝飾品もあります)トルコ石やラピスラズリは、今の時代も多くの処理や模造品もたくさん出回っています。産出量から考えると希少性の高い宝石をパワーがあるからなどとうたい、まったく違う鉱物に色をつけて売っていたり、そのような現代のやり方・・・どうなんでしょうね???エジプトのお土産物として売られているものも、おそらく多くは模造品なんでしょう。値段も納得するくらい安いですし・・・ね。こちら、ルクソールの5つ星ホテルに入っているジュエリー・ショップ見事に、合成やらガラスやら・・・です。(↑輝きがキラキラというより、ギラギラした感じ)ジュエリー(アクセサリー?)にした時のデザインが、古代エジプトをモチーフにしたものが多いので、お土産として安く買えるならいいかもしれないですね。でも本当の宝石を求めるなら?エジプトでも産出され、古代から今も続いているもの・・・・・・・・と、言えば、コレ↓宝石というより、鉱物ですが、アラバスター鉱物ジプサムの集合体で、世界中大量に産出され、建築材料やセメントに混ぜられたりします。ジュエリーというより、宝飾品として花瓶やランプシェイドに加工され、古代エジプト時代の装飾品の中にも登場します。ルクソール西岸、王家の谷あたりには、アラバスター専門店が多くあります。アラバスターの塊を適当な大きさに砕いていきます。器にする為に真ん中をくりぬきます。硬度(モース硬度2)が低いのであまり力は必要ないようです。表面を磨いていきます。(↑観光客慣れしてるのか、笑顔でカメラ目線のおじさんたち)・・・と、こんなに実演して見せてくれて、私は何も買わなかったのだけど、(↑おいおい)ニコニコと笑顔で手のひらサイズの原石をふたつくれました。(↑嬉しい~!!ありがとう!!)原石を転がして見ながら、王家の谷の日差しの強さと壮大な谷を思い出しています。(↑これも至極の時ですね。)短期間の旅人として訪問したエジプトだったので、お土産レベルのようなジュエリー店しか見ていませんが、カイロにもきちんとした宝石店はあると思います。
2010.04.26
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