スリランカ宝石留学物語

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ジェムガスキー

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死ね死ね@ Re:スピネルとサファイアの見分け方は?(05/17) 死ね死ね死ね死ね死ね
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2008.05.29
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カテゴリ: 宝石について

ダイアモンドのブリリアントカットと
そのプロポーションの割合を図に描いて説明する問題がある。
まぁ、これは覚えてしまえば楽勝なのだが、
やはり試験が終わると、その割合なんて、
すっかり忘れていまいましたね・・・



その割合とは、 
クラウンの角度(上の部分)31~37度(テキスト)    
  理想は34.5度(Tolkowsky’s ideal cut)
パビリオンの深さの角度(下の部分)39~42度(テキスト) 
  理想は40.75度 (Tolkowsky’s ideal cut)


ダイアモンドの場合、
このカットが完璧でなければ、輝きも価値も大きく変わってくる。
でもサファイアの場合、
ダイアモンドと同じプロポーションというわけにはいかない。


まず、ダイアモンドとサファイアの違いを光学的に見ると、


光の分散率  ダイアモンド 0.044   
       サファイア  0.018
光のスペクトル(7色)の反射する方向は、
その色によってそれぞれ違う。
ダイアモンドはその分散する率が高い為、
ブリリアントカットにすると、輝き(ファイアー)が強くでる。
それに比べて、サファイアは分散率が低いので、
ファイアーのような輝きを求めることはできない


光の臨界角度(光の屈折と反射の角度)
       ダイアモンド 24.5度  
       サファイア  34.5度
それぞれの宝石には臨界角度が決まっていて、
その角度の範囲以上でパビリオンの角度をカット(研摩)すると、
入って来た光が宝石の中を突き抜けることなく、
クラウンの方へ反射(戻る)する。
これが輝きとなって私たちの目に届く。


では、どういったプロポーションがサファイアにいいのか?


ここ数日、カットのことでいろいろな資料を読んだのだが、
中でも  Ruby&Sapphire
にサファイアのカットについて詳細に書かれていた。


それによると、

カットした宝石を横から見た場合、(下の図を参考に)
      クラウンの角度  34度
      パビリオの角度  41度


ブリリアントカットではなく、
ミックスカット(クラウン部分がブリリアントカットで、
         パビリオン部分はステップカット)が望ましい。
ミックスカットの方が、
ブリリアントカットよりもカラット(重さ)を保つことができる。


そして、この本を読み進めていくと、


Native Cut(ネイティブ・カット)についての説明があった・・・
・・・はて、ネイティブ・カット???・・・・初めて聞くぞ・・・?


そして、それは別名を、Poorly Cut・・・つまり「お粗末なカット」
ミャンマー、インド、スリランカなどで、
昔からカットされてきた方法をそう呼ぶらしい。
研摩師の技術や研摩する機械のレベルによることも大きい。



思うに、日本やドイツなど先進国では研摩師という職業は
ひとつのステイタスであるが、
ここスリランカでは、肉体労働のひとつに過ぎない。
今、依頼をしている研摩工場も若い男の子や女の子が黙々と作業している。
素晴らしいカットを追及しようなどという発想はないだろうし、
そんなことを彼らに求められない。
安い賃金でその日の仕事のノルマをこなすだけだ。



私の知っている研摩師の彼女も、
妊娠して時々調子が悪い時もあるが、
その日仕事をしないと賃金がもらえない。
研摩している仕事場の環境はけっしていいとはいえない。
「マスクをしたら?」と言って、
日本から持ってきたのを渡しても「暑いからいらない」。
そうだろうな・・・見学しているだけの私でも暑いもの・・・


みんな、それなりに一生懸命に頑張っているんだよな~



スリランカの宝石業者は、
なるべく色の深みとカラットを多く残すカットを希望している。
だから研摩する彼らは、それに黙々と従うだけだ・・・

(すべてのスリランカの研摩が悪いわけではありません。
業者によってはカット後の徹底検査を行ったり、きちんと管理されています。)



テキストに書かれていることは、科学的に正論だと思う。


サファイアは内包物や色帯、クラックなど
ひとつひつつの原石の形状によって、どれが一番良い方法なのか?
を考えなければならない。


色と輝きを追うなら、カラットを諦めるしかないのかな・・・

(まだ私の中では回答は出ていませんが・・・まだまだ考え中)




        右側は浅すぎて、光の反射が弱まる






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Last updated  2008.05.29 16:25:22
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