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どうして、ここだけブルーなのだろう?↓イエロー・サファイアの原石、右上がブルーです。天然のイエローサファイアにブルーのトーンが混ざったものは、マリッジ・ストーンとして、スリランカでは、良縁を願う親が娘に買い求めます。確かに、スリランカで産出されるサファイア原石は、青や赤(ピンク系)系に比べて、イエローは多く産出されますが、でも磨いて、輝きが強いイエローサファイアは限られてしまいます。だから、天然のイエローサファイアで輝きのあるものは希少だと言えます。この原石、角度を変えるとブルーの部分が消えます。これは、ブルーが紙のように平べったい状態で入りこんでいて、目線がその面に平行になった場合、見えなくなります。サファイアの青の起因は鉄とチタンが電荷移動なので、この原石の場合このブルーの部分だけが電荷移動してるんだぁ・・・・と、思っていたのですが、(黄色の起因は「色中心」によるもの) →詳細のブログ、ホワイトになっちゃた~! )↑4年前に書いたブログ、なつかしい・・・あの頃に戻りたい(ノ_・。)マジで。その同じ鉄とチタンの電荷移動でイエローになる場合があります。不純物である鉄の割合がブルーよりもイエローの方が多いです。これは私の考えですが、(化学組成を調べたわけではないけれど、)マリッジ・ストーンと呼ばれる黄色と青の混ざったサファイアは、「色中心」に起因するというより、鉄の割合で黄色に見えるサファイアではないでしょうか?・・・そういう風に考えるとイエローとブルーの電子レベルの動きが、互いに近いものに感じられます。そして、スリランカからバングラデシュに引っ越してきて、スリランカの環境がどれだけ、宝石の仕事や勉強に恵まれていたかを思うにつれ・・・・私の気持ちも一部ブルーに・・・・なっています・・・・・・あぁ、同じブルーならサファイアのブルーに浸って・・・いたい。>0<。そんな時、角度を変えれば、ブルーが見えなくなるこのサファイアの原石を指で回しながら、どうやったら、気持ちの入れ替えができるかな~と思ったりしています・・・。また、宝石に励まされる日々ですね。ありがとぉ~イエローサファイアの色の起因は、かなり複雑になっているようです。今回の記事は、私の考えが入っているので確かではないですが、サファイアに限らず宝石の色は宝石学の中でも興味深い分野ですね。
2012.05.24
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前回のトルマリンのお話で、ドラバイトの話を書きましたが、スリランカで産出されるトルマリンで、忘れてはならないのが、ウバイト(Uvite)です。(Gem Industry of Sri Lankaより)名前の由来は、ウバ地方で最初に産出されたというもので、緑色をしたトルマリンとして鉱物学会に発表されました。カルシウムを多く含む点で、ドラバイトはまた違う種類のトルマリンになります。ウバ地方では、このドラバイトもウバイトも割と多く産出されます。ただし、ほとんどは茶色や黒っぽいものです・・・・。どれがウバイトかドラバイトか、わから・・・ん・・・??このような原石を磨いて、本当に輝く宝石レベルのものは限られてきます。例えば、同じ場所から産出されたトルマリンの原石を磨いたもの。これは、友人が、黒か茶系の宝石でシンプルな指輪を作りたいと相談があった時にでは、トルマリンを磨いてみようと茶系と黒色のものをそれぞれプリンセスカットとカボションに研磨しました。で、友人が選んだのは、左上のもの・・・。これは多色性が強くて、輝きも妙に強くて、あの原石がこんなに美しく変身したの???ウバイト・・・て、これまで地味な宝石だとばかり思っていたのに、(↑失礼な私・・・) ウバイトもいいかも!! (↑ドラバイトかもしれません・・が)さて、そんなウバイトが産出されるウバ地方は、ウバイトよりも有名なものがあります。 ↓世界三大紅茶のひとつ、ウバ茶ウバ茶を飲む度に、友達の為に作ったトルマリンの指輪を思い出しています。
2010.10.03
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少し前に書いた、ムーンストンと同じ鉱物フェルドスパー(長石)で、ブルー・ムーンストンと同じ青いシラー効果のあるペリステライトの原石→その時のブログコレ↓を、(青のシラーが本当に美しいですね♪)ついに研磨しました。まずは研摩師に相談です。(ライトをあてて、中のクラックの状態を調べます。)直径2センチくらいのものであれば、6個くらいが研摩できる・・・・ということであったけど、せっかく、原石から自分の思うように研摩できる機会なので、数よりもひとつの大きさにこだわることにしました。研摩できない部分が多くなっても良いから最大のものがほしい~!!(↑久しぶりに勝負に出たわ・・・私)そして、カットの形はマーキースカットでお願い!!研磨師は、そんな私の決意に深く頷き、最大限の努力をする。まずはこの原石をどう研磨したら最高にいいものができるか、通常よりも時間をくれないか?で、できあがったのが、じゃぁ~あん♪18.01ct、3.7センチと、13.77ct、3.1センチだけか・・・やっぱり・・・・覚悟はしてたけど。というのも、原石の大きさは→149ctこれが、ふたつで→31.78ctに。大まかに計算すれば約5分の1・・・ですね・・・。原石の買い付け単価は安かったけど、研磨後総計で考えると結構な金額になります。そして、一緒に私のもとへ戻ってきた、↓月の欠片・・・・薄くスライスされています。が、さすがに、こちらも↓見事なブルー・・・はぁ、ええわぁ。それにこの月の欠片を手のひらで転がすと互いにぶつかりあってチャリ~ンと響きあって・・・・癒されます。(こんな宝石の楽しみ方も原石の醍醐味ですね♪)(・・・って、こんな楽しみ方は私だけでしょうか?)この大きなサイズのペリステライトは、私のペンダントにする予定です(はじめてのペリステライトです)そして、もうひとつのペリステライトは販売させて頂きます♪同じ原石から生まれたもうひとつのペリステライト、素敵な方にご縁があればよいなぁと思います。タンザニア産ペリステライト13.77ct 82,620円(税込み)(両脇にインクルージョンがありますが、見た感じは目立ちません。) ↓テンションクラックか、成長する過程で取り込んだ他の鉱物なのか?本当に不思議で魅力的な世界ですね!
2010.03.15
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大統領選挙も終わり、少し落ち着いた(であろう)今日から、本格的に私も宝石のお仕事の活動を開始しました。1月にコロンボに戻ってから、渋滞やら娘の学校のことやらで、すっかりそちらに時間がとられていて、今日が初めての宝石研磨工場への原石持込です。このサファイアの原石から、3ミリ、3.5ミリ、4ミリラウンド(ブリリアント・カット)ができるサファイアを選んでもらいます。で、選ばれたのは、ブルーサファイア30個・・・だけ・・・かぁ。さらに研磨後は、輝かないものも出てくるので、一体いくつが「色良く、テリ良く」なのでしょう?↑と、いつも思いながら研磨のマネージャーと話をします。クラックやある程度の内報物は原石の状態から判断できるけど、最終的な色と輝きは研磨してみないとわからない・・・・・・・それにこんなに小さいですものね!ま、これが楽しみでもあるのですが・・・この結果はまた別の時のブログに書きますね。その後は、せっかく遠出(?)したので、研磨工場近くのインド料理のレストランで、久しぶりのターリー(定食)を・・・一人ランチ(↑このレストラン、早すぎたのか客は私一人でした)そして、案の定(いつもなんですけど)食べ過ぎて・・・午後はぼぉぉぉ~と、海を眺め、そして、鉄道の写真を撮りました(↑普通鉄道の写真って電車を撮りますよね?)(↑私は線路を撮影するのが好きなのです・・・。)(↑ここでしかできない趣味ですが)さて、写真と言えば、宝石の写真を撮ることも多いのですがどちらかと言うと、「自分の勉強のための記録」として撮ることが多いです。仕事ではWEB用の写真を撮る必要があり、これまでは、宝石の正面、横、裏の3枚を撮っていたのですが、どれも、これも私の宝石の美しさを100%表現することがで・き・なぁ・い!!んです。ところが、薔薇の花束を頂いた時に薔薇と一緒に宝石をとると、宝石が、笑っているんですよ。宝石も人と一緒ですね。証明写真って、絶対ブスに写りません?写真を撮るときの背景って、人も高揚するけど、宝石も士気が高まるんですね~!それに、もっと気がついたのは、これは、本当なのですが、宝石に、声をかけてあげると、微笑むのですよ。あ、かわいいよ。とか、あ、もっちょと大胆にしていいよ。とか・・・・・何の撮影?と思うような声かけですが・・・・。それに、手のひらに置くかれるのも喜ばれますね。薔薇の中で微笑むピンクスピネル昨年仕入れたタンザニア産ピンクスピネルの中から3石をWEBで販売しています。それでも、やっぱり実物はもっと美しいです~♪ragems shop ピンクスピネルのページへGO!
2010.01.28
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私の名前は、あまり一般的ではないのですが、私と同じ名前(名字は違うけど)で、かつ同じ誕生日(年は違うけど)その友人から、バラの花束が届きました~♪彼女はバラ農園に嫁がれていて、素敵なバラを作っています。私たちの誕生日は一月で誕生石はガーネット今回は、彼女からガーネットのペンダントの依頼があり、まるで自分がオーダーするような気持ちで、とても嬉しい~♪ガーネットにも赤だけでなくピンク、オレンジ、グリーンなど種類も多いのですが、薔薇も赤だけでなく、いろんな種類があるんですね!薔薇と言えば深紅のイメージだけど、私は優しい感じのピンクが好きです。薔薇とガーネット・・・お似合いでしょ?私はガーネットの中では、ピンク色をしたロードライトが好きです。薔薇の花びらという意味もあるそうです~♪昨年もずっと、このピンクに近いガーネットを探してました。こちらは、6.18ctぱっとみた感じアルマンダインの赤みの強いガーネットに見えますが、方向を変えて、光の入り具合を調整すると、(・・・ってひっくり返しただけだけど)美しいピンク登場~!!!こっちは4.05ctパビリオンの部分が深くて、内包物が多くて輝きが今ひとつだったけど色がまさに探し求めていたピンクだったので、テーブル面(表面)だけを↓カボションに研磨して、ピンクの色をぐ~んと目立たせるようにしました。宝石の特徴をつかんで、その魅力を引き立たせる研磨にも今年は挑戦したいですね!このガーネットは研磨した後、微笑む感じの表情になりました。この二つのガーネットは指輪にしたいと思ってデザインを考えています。(また、出来上がったらご案内します。)心をこめて、今年も素敵な宝石との出会いをご紹介していきます。よろしくお願いします。(来週からスリランカへ戻ります。オーダー頂いてる皆様にはデザインと見積もりをお送りしますね!)
2010.01.09
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昨日、コロンボから南へ車で2時間くらいの距離にあるベルワラの宝石市場へ行ってきました。途中の海辺で、人々が集まって海を眺めています・・・。何事???・・・・と思って近寄ってみると・・・(↑私も野次馬根性ですよね~!ま、これも「根性」だからいいかぁ)漁師の網引きでした。特に珍しくもない、毎日の光景だと思うのだけど、みんさん、漁獲量を確認するまで、じぃぃぃぃぃ~と見ています。獲れたのは、小魚がたくさん。・・・・そして、あっけなく見物人は散っていきました。(↑何かオオモノを期待してたのかしら???)さて、今回の買い付けの話は後日ということで、前回ブログのインクルージョンがたくさんのサファイア(原石を形を変えないで磨いて穴を開けた状態のもの)インクルージョンを拡大すると・・・他の鉱物が入り込んでいますね。(今回カメラの設定がうまくいかなくて、はっきり撮れていません。すみません。)テンションクラックといって、自然にできたひび割れ・・・そりゃ、何万年も土の中にいたものね。ネガティブクリスタル(液状インクルージョン)成長する時に液体が入り込み、それを閉じ込めたような状態。はぁぁぁぁぁあ~ひとつひとつが、大地で成長して行く時の歴史を物語っていますね!!!そこがインクルージョンの魅力なんです!!!!!だから、見た目が悪いと言って、バッサリ、切れない・・・・・・。こちらは、見た目ではとてもクリーンなブルーサファイアきれいなので、こういったものをジュエリーにしていきます。見た目ではわかりにくいですが、顕微鏡で見ると、↓繊細な線のようなシルクインクルージョンがいっぱい。(↑この内包物が宝石の中で一番好きです♪)あぁ、みんなちがって、それがいい!!!!こちらは、タンザニアの鉱山から仕入れたピンクスピネル写真ではわかりにくいですが、ひとつひとつ微妙に色合いが違います。宝石って、同じものがひとつとないんです!!次回からピンクスピネルの話をシリーズで書いていきますね♪
2009.12.10
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ムーンストンの和名は、月長石その成分(科学組成)は、カリウムとアルミニウム珪酸塩です。ムーンストンの中でもブルーに浮かび上がるシラーのあるものはとても魅力的ですね。前回手に入れたムーンストンの原石↓鉱山で選別されたもので、左は研磨不可、右は研磨可能レベル早速、いつもの研磨工場に持ち込んだら、う~ん、これぐらいしか研磨できないなぁ。(研磨はできるが宝石レベルにはならない)と言われたのが、これ↓・・・・だ・け・か???研磨してもらったら、小さくてかわいい♪まるで、月から落ちた雫みたい!!!原石から研磨までを見ることができる、この瞬間がいつも楽しみですね。青いシラーも確認できます。
2009.09.30
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これまで、本当にたくさんの宝石をルース(裸石)の状態で見てきたけど、この宝石は、これからの私の方向性を示してくれたと思う。宝石を自分の仕事としていく上で、決めたことは、本当に美しいもの自分が感動したもの、宝石の原点である、耐久性、希少性、そして、美しさそんな宝石と出会っていきたいと本当に思う。でもそのような出会いはそれほど多くないとも思う。感性を磨くこれが実はとても大切なことで、宝石学を学び、宝石ビジネスを始めるようになって、一年に一回はヨーロッパに行き、歴史的な美術館で本物に触れ一流の人に会うこうして自分の感性を磨いていく日常から離れた高価な宝石を扱うなら、常に自分の意識を高いところに置いておくことが大切だとそんなことをこの宝石との出会いで、確認しました。それは、コレ↓ラベンダー・スピネル(1.41ct)写真では伝えきれないけど、輝きがとても強いです。スピネルの中でもこのような色合いと輝きのものは、本当に少ないですね。私は宝石のパワーとか、あまり信じない・・というか、よくわからないのですが、これは、絶対自分の側に置いておきたいと思いました。この出会いに感謝です。私の宝物・・・・・・そして、こちらも→スリランカ的アンチエイジングへ!もうひとつの宝物今日は真面目に書いちゃいました。まぁ、決意表明みたいな感じですね。
2009.09.14
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私の大好きな宝石にスピネルがあります。スリランカでは、漂砂鉱床でサファイアと共に産出されます。どちらの色身も良く似ている為、歴史上では、スピネルをサファイアだと間違えられていた時代もありました。手前の左は結晶(等軸晶系)で、サファイアの結晶(六方晶系)とは、まったく違うのですが、手前右の結晶の形を失った丸い感じの状態では、ピンクサファイアの原石↓良く似ていますね~!スリランカで産出されるスピネルは、紫がかった青や紫がかった赤が多いのですが、このスピネルは、見事に紫です。大きさも4.48ctというビッグサイズ!紫の宝石と言えば、一般的にはアメジストがありますが、ぱっと見た感じ、アメジストに見えるけど、よぉぉぉぉぉぉおぉぉく、見たら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何かが違う!もちろん屈折計や顕微鏡で鑑別はしていますが、肉眼でじぃ~!!と見て、・・・・何かが違う!!何が違うの?一般的にスピネルって控えめな感じのする宝石だな、と思っていたのですが、この紫スピネルは、・ ・・・・・・・・主張しているのです!!!↑と、私が感じただけですけど( ̄∀ ̄;)初めて見た時は、鉱山で、すでに研摩されている状態でした。小さいサイズのスピネルは、原石で手に入るのですが、このように大きなもので、輝きも色も良いのは、なかなか出会ったことがありません。だから、見た瞬間で、 ほしい! ヾ(@°▽°@)ノ !!! 絶対に!!!!!単価は通常のスピネルよりも高めでしたが、(↑ま、当たり前ですが・・・)もうひとつ目に留まった、これ↓ピンクスピネル、こちらも2.38ctで、色が綺麗です~♪こちらもピンクサファイアに似てるけど、・ ・・・・・何かが違う!・・・・・・・・・・やっぱり主張しています・・・・・。ふたつ一緒に購入しました (≡^∇^≡)だって、ふたつとも私はスピネルなのよ~!!!と主張していたからです:*:・( ̄∀ ̄)・:*:お知らせ埼玉県立川の博物館(大里郡寄居町)で「川と宝石」の展示会があります。スリランカで採掘された原石も展示されています。
2009.08.05
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子供は磨けば輝く原石と言うけど、この場合の「磨く」は様々な体験を通して、ちょっと高めのハードルにも挑戦して、失敗して、こけてしまっても、立ち上がっていく力が持てる・・・その年齢の時にしか吸収できないことってありますよね。(↑なぁんて・・・自分の子供の失敗に目くじら立てたりしてしまいますが)一番きれいな色ってなんだろう?一番ひかってるものってなんだろう?僕は探していた 最高のGIFTを君が喜んだ姿をイメージしながら(ミスター・チルドレン「GIFT」)いつも宝石を見て思うことは、磨かなくても原石のままでも美しいものがあること。また、宝石の中に存在する内包物(インクルージョン)は、時には、研摩してもその宝石の輝きを邪魔する時があります。しかし、輝かないけど、その内包物が存在するおかげで、その宝石に深み(味わい)が出ているのも確かです。例えばアイオライトその多色性を楽しむなら、原石の状態が一番魅力的だと思う。この青が、90度方向を変えるとブラウンがかった透明になる・・・・アイオライトのもうひとつの楽しみ方は、ブラッド・ショット(血痕)と呼ばれる内包物(↑名前がちょっとホラーぽいですね)このルース見た時、かわいいと思ってしまった・・・きっとジュエリーには向かないかもしれないけど、あなた、いい味を出しているわよ~!と声をかけてあげたく・・・なる。顕微鏡で拡大すると、血痕の正体はヘマタイトこの量が多いと、「レッドショット・アイオライト」と呼ばれ、赤みがかったアイオライトになる・・・らしい。完璧な研摩でもなくても、その原石にあう磨き方、輝き方ってあると思います。トルマリンの原石「白か黒かで答えろ」という 難題を突きつけられぶち当たった壁の前で 僕らはまだ迷っている 迷っているけど白と黒の間に 無限の色が広がっている→ミスチルのGIFT(子供たちに贈りたい歌ですね)
2009.03.23
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前回の続きで、アクアマリンについて。アクアマリンの特徴的なインクルージョンは、「レイン」と呼ばれ、雨が降っているような状態。Growth-tubesと呼ばれるが、チューブ状ではなくラインのようなものも多い。(PHOTOATLASより写真引用)このレインに光をあてた時に、キラキラと輝く・・・まさに心を奪われる瞬間。ファセットにカットされたアクアマリンであれば、できれば見た感じはあまりインクルージョンがない方がいいけど、少し傾けたりした時や、10倍レンズで見た時に少しでもこのレインがあればいいなと思う。↓このアクアマリンはファセットの状態で買ったけど、 肉眼できれいにレインが見えたので、 カボションにカットしました。(レインが多いと逆に光の反射や屈折を妨げ輝きが抑えられてしまう)レインの部分に惹きつけられる・・・この部分を顕微鏡で拡大してみると、車のフロントガラスに叩きつけられた雨のよう。今日、業者にアクアマリンを勧められたけど、インクルージョンが何も確認できなくて、購入は断念・・・。(どれも10ct超えの大きさ)なかなか心がときめくアクアマリンに出会うのは難しいですね。 ↑その時のブログ参照友人の宝物は・・・何カラットか忘れてしまったけど、博物館並みのアクアマリン・・・さすが宝石商の娘!!しっかりレインも見えました。理想は、10倍ルーペで優しい雨が確認できて、輝きもあるアクアマリンですね。
2009.03.12
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前々回の研摩の話の続きです・・・私が週に1回のペースで行く研摩工場コロンボの郊外で、車で20分くらいの場所にあります。ひとつひとつ丁寧に磨いて行きます。彼女はまだ10代。研摩師は長年の経験が必要でしょうが、確実に指示に従って黙々と研摩している・・・。水が垂れる仕組みになっていて粉塵は抑えられるけど、手に何もはめてない・・・擦ったりしないのかな??? まぁ、不器用な人には無理な仕事ですね。マネージャーは知識、経験が豊富で、私が内包物が好きなのでいろんなことを話してくれます。今日はピンクサファイアの研摩について、色や研摩後の大きさで選別してカットの形を決めていく。それから、いつも研摩の話だけでなく、スリランカの情勢や日常あったことを話します。今日は、昨日パキスタンで起きた、スリランカクリケットチーム襲撃事件の話昨日からラジオやテレビでがんがん放送されている・・・クリケット選手と言えば、スリランカの国民的アイドル。国の誇りですからね。選手に死亡者が出なくてよかったよ。
2009.03.04
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「宝石を仕事にしている」と言えば、華やかで、美しい世界にいるように思われるかもしれない。おそらく、東京やロンドンやニューヨークやそのような場所で宝石店を持つのであれば、鮮麗された華やかさは絶対必要だと思う。しかし、宝石の産地やフィールドはそのような華やかさはない・・・・・・・前回の宝石の研摩の話に続き、昔ながらの手法の研磨機手前の黄色のロープがついてる棒を前後に動かし、手動で研摩のテーブルがまわり、左手で宝石を研摩していく。主にカボションカットをこの方法でするがファセットも可能。角度も方向もその研摩師の技術と目による。今も宝石産地のラトゥナプラでは、手動の研摩師が多くいる。電力を使わないのでコストがかからない。こちらは機械の研磨機で、角度などはすべてダイアルで調整する。回転が速いので、小さいサイズであれば30分以内でカットできる。この女性は、旦那さんが事故で亡くなり、彼女が生活を支えている。雇われている研摩師の給料(日当)はとても少ない。粉塵が飛ぶ中、マスクをしないので健康も害するかもしれない。華やかな宝石の舞台裏には多くの地味でせつないストーリーもある。そんな彼らも、宝石を輝かせる仕事に関わっている。昨年夏、大阪で宝石業界の方と初めてお会いした。待ち合わせ場所は、某高級ホテルのロビーだったのだが、その場所には美しい宝石店があった。待ち合わせた方が私に、 ジェムガスキーさんも将来はこのような店舗を持たれるのが夢ですか?ときかれ、 いいえ、そのような夢を持ったこと・・・そう言えばないですね。その時、私は、はっきりとそう思った。そしてあまりにそれが自分らしくておかしかった。 そうか、私の確信はこれなのか。 今は、もっと現場にいたい。 (↑暑くて、埃っぽくいけど)でも、こういった経験で、自分が磨かれていることも確かだ。おそらく、宝石販売はWEBが中心になって行くでしょう。 ↑(Click Here!)研摩師と納得するまで話をする。地味で楽しい仕事です
2009.03.02
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昨年の5月頃、散々悩んだサファイアのカットその時のブログ→宝石の輝きを追え!→続・宝石の輝きを追え!→宝石の色も輝きも追え!あれから、ほぼ毎週一回研摩工場へ通い、研摩職人のプロから色々と話を伺っている。これはまさに生きたレッスンで、テキストや論理では正しいとされてることが、現場の事情や宝石商の思惑で、その経過を辿ると、確かにこういった研摩にしかならないわなぁと思うこともあり大変興味深い。例えばトルマリンは三方昌結晶系で、多色性が強く、C軸から平行に見た方向が薄い色で、C軸を垂直に見た方向が濃い色となる。だから、濃すぎる場合は薄い色の方向がテーブルに来るようなカットをすればよく、通常はそういったトルマリンが多いので、カットもステップカットのような四角なようなものが多い。そこに重さも取りたい為、パビリオンの部分はかなり太めだ。(↑宝石商の思惑)以前ロットで買ったトルマリンもともとのカットも悪いし、袋の中で互いにぶつかりあってダメージしてるものもある。重さを取るため、パビリオンはミックスカットこのようなカットは色身がよければいいのだが、やっぱり、テーブルのカットが悪いので光の反射も悪く輝きがない もう少し輝かせたい!!!ブリリアントカットは通常、ダイアモンドなどの分散率の高い宝石のカットだが、こうなったら、このトルマリンにブリリアントカットをしてみる。当然、カラットやサイズは小さくなるけど・・・・ほら、輝い・・・てる・・・でしょ???色は薄くなったようですが・・・それでもいい感じ♪宝石の大きさ約3.5mmから4.5mmブリリアントカットはプロポーションも大事(詳しくは過去のブログで説明しています) 宝石の輝きって、人を惹きつけますね!
2009.02.28
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前々回のブログでブリリアント・カットしたクリソベリルを紹介しました。今日はその続き、「もっと」紹介します~♪プリンセスカット(4mm)クリソベリルの輝きがうまく写真で現れないけど、これの20倍ほど輝き・色が美しい~!!マーキースカット(6mm)3つほど連なって揺れる感じのピアスなんて素敵ですね。ダイアモンドもあしらって・・・・いいわぁ。研摩の時にカラットを大きくとりたいので、少し横長なクッションカット(6~7mm)横においたデザインの指輪にしてもいいですね。0.51cと小さめですが、さすがこの輝き!存在感がありますね。縦に置いたらこんな感じ♪平べったい原石は、自然の創作をそのまま活かして、カットはしないで磨くだけ・・・綺麗でしょ?(上の写真と同じものではありません)最近出来上がったペンダントトップ友達からのオーダーで、シンプルなデザインだけど、ダイアモンドをひとつ入れて女性的な感じに・・・淡い黄色で、彼女に似合う品のある輝きですね。Own a Chrysoberyl!(Webでルースの販売・ジュエリーオーダーを始めました) ragems *WEBには載せてないですが、1c以下のものもあります。
2009.02.23
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先日選別作業したクリソベリルの原石同じ場所から採掘されたのですが、微妙な鉄の分量の違いで色が薄い黄色から濃い黄色、緑と変わる。本当に「いろいろ」ありますね。今回は実験として、4つの色区分してみました。A 緑(シルクがかったもの)B 濃い黄色(茶に近い黄色)C 緑(淡い感じ)D 黄色(淡い感じ)研摩した後はこんな感じです。Dの黄色の輝きが一番強いですね。Aのシルクがかったものは、微細な繊維状やチューブのような形状の鉱物が入りこんでいて、カボションにカットすればキャッツアイになる。こんなに小さくても一条の光が現れるから不思議Cの緑は写真ではその美しさが伝わりにくいのですが、息をのむほど美しい淡い緑が、可憐で、輝きも美しい~!!!! 原石から研摩した宝石は、想いも一段と強くなりますね。 見ていると愛おしく感じられます。輝きの強いクリソベリル、どのようなジュエリーになるか楽しみですね~!!!
2009.02.20
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アメジスト、2月の誕生石です。ヨーロッパでは、新石器時代から加工され、古代エジプト、ギリシャ、ローマでも装飾品として愛用されていたという歴史ある宝石です。この品格のある紫色は、どの世代にも愛されますね・・なんだかセールトークみたい・・・ですね・・・確かにアメジスト(紫水晶)を買う時にそういった歴史背景を知るのも楽しいですが、私なら、 その品ある紫色の仕組みをお話したい!!!地中の中で長い年月の間、微量の放射性元素からのアルファ線を浴び、その結果、結晶を構成していた酸素から二価のマイナスイオンが離れ、不純物として含まれている安定していた鉄の三価と不安定な鉄の四価の間で、電子を交換するという電荷移動が起こる。この電荷移動で、光がアメジストを透過する時、赤、黄色、緑の周波数帯の光は吸収され、残った色である紫が私たちの目に見えるという↑この説明、セールストークにならないですね・・・もっとロマンテッィクに行きましょう。アメジストはね、太古の昔、周りのどんな影響をも静かに受けとめ、その結果あのような美しい紫色を造りだしていった↑かなり無理がありますね。私の中では、憂いある美しい女性のイメージがあるのですが・・・さて、割と産出量のあるアメジストですが、コロンボの宝石店でも合成アメジストが天然と混じって販売されています。これは、合成アメジストの研摩する前の状態平たい板状です。美しい紫色ですね。横から見ると、最初の段階で置かれるシードが見えます。(真ん中の透明な部分)ここから成長させていきます。研摩する時にはこの部分をうまく除けます。そして、 天然のアメジストとして売られていくのでしょうね。(合成アメジストとして購入するには問題ないと思いますが)やはり、内包物のあるこのようなアメジストを見ると・・・おもしろいですね。(アメトリン アメジストの一部がシトリンになってる)
2009.02.17
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これ、薔薇の花びら・・・・・のような、ガーネットの原石カットすると、ピンクぽいガーネットになる。ファセットにカットすると輝きますね~!!!ガーネットには、赤だけでなく、オレンジぽいものグリーンまであります。最近のお気に入りは、赤紫が強い・・・誕生日に作ったハートのピアスが気に入ったので、このガーネットのルースもハートにリカットして、ガーネットのピアスにします。同じものが3セット作れます♪如何でしょうか~?(↑私とおそろいになります・・・が)
2009.01.26
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昨日は私の誕生日誕生石だからというわけではないけど、誕生日プレゼントはガーネットのピアスそれもハート・・・・・・年齢を考えろって声が聞こえそうですが、えへ。(ちなみにハートのピアスはこれで二つ目)このガーネットは、紫がかったピンク色で、耳の下でハートが揺れる感じにつくったもの。12月にアクアマリンを探していたら、そのお店に置かれてあったハートにカットされていたルースに一目惚れ。ロットで買い付けたものの中からペアのハートをピアスに・・・・・・これも恋におちた宝石ですね。昨年、ベルワラで買い付けた一目惚れのガーネットはこれ5.7ctの存在感ある。最近、ピンクの宝石に魅かれてしまいますね・・・。宝石学的にガーネットは6種類に分けられます。結晶系は同じだけど、基本となる珪酸塩に含有する成分(元素)の違いで赤、ピンク、そして緑色に変化していく・・・ アルマンディン → 鉄とアルミニウム パイロープ → マンガンとアルミニウム スペサルティン → マグネシウムとアルミニウム グロシュラー → カルシウムとアルミニウム アンドラダイト → カルシウムと鉄 ウバロバイト → カルシウムとクロム 宝石学では分類されないけれど、「薔薇の花びら」という意味を持つ、ロードライトガーネット(アルマンディンとパイロープの中間的なもの)は紫がかったピンク色で、例えば、恋を色に表現している色・・・(↑何を言ってるんだ・・・か・・)ガーネットの中でもとても魅力がありますね。
2009.01.15
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これって、何だと思います?どうみても石ころ?見た感じは真っ黒ですものね・・・でも、光を後ろからあててみると、ほぉら、マジック!はぁ~、この赤色・・・素敵・・・、たまらん・・・。大地の恵みの色ですね。太古の地球の鼓動まで聞こえてきませんか?これは、ガーネットの原石普通にカットしてもジュエリーとして活用できないから、誰もカットもしない・・・見向きもされない・・・でも、この美しさですよ!私が、これを宝石として、この世に送り出します。研摩師と相談して、色がわかるように薄くカット、こんなに薄くても、顕微鏡で覗くと・・・ルチルの結晶が美しく見えます。はぁ、感動~!!!(↑この写真が撮影できませんでした)こんなカットは初めてだ!という研摩師・・・・でも、結構楽しんで、いろんな形に仕上げました~!さて、これをどう目覚めさせるか!新しい挑戦です!!10月23日より11月4日まで、宝石学会の為英国へ行ってきます。ブログはお休みしますが、また、4日以降遊びに来てください。
2008.10.23
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私が今、とても気に入っている宝石は、クリソベリルクリソベリルといっても何?と思う人も多い。カラーチェンジをするアレキサンドライトや猫の目のような一条の光を反射させるキャッツアイといえば、あぁ、あの高価な宝石だとご存知の方も多いでしょう。クリソベリルは鉱物の名前で、その中にアレキサンドライトもキャッツアイも含まれる。でも、私が好きなのはそんな華やかなものではなく、普通のクリソベリル原石はいったて地味・・・・はぁ~、でもいい感じだわぁ・・・スリランカ産は鉄分を多く含むせいか、濃褐色なものが多いけど、私は薄い金色のものが好き・・・手に入れた原石は小さいけどカットをすると、はぁ~、見事に変身しましたね。輝きも強く硬度もサファイアに次ぐ8.5かつて、ヴィクトリア女王の時代、クリソベリルは多くのジュエリーとして登場したらしい。あの輝きなら、どんな華やかな舞台でも目立ったでしょうね。
2008.10.07
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英国宝石学協会の資格試験(ファンデーションコースの方)に、ダイアモンドのブリリアントカットとそのプロポーションの割合を図に描いて説明する問題がある。まぁ、これは覚えてしまえば楽勝なのだが、やはり試験が終わると、その割合なんて、すっかり忘れていまいましたね・・・その割合とは、 クラウンの角度(上の部分)31~37度(テキスト) 理想は34.5度(Tolkowsky’s ideal cut)パビリオンの深さの角度(下の部分)39~42度(テキスト) 理想は40.75度 (Tolkowsky’s ideal cut)ダイアモンドの場合、このカットが完璧でなければ、輝きも価値も大きく変わってくる。でもサファイアの場合、ダイアモンドと同じプロポーションというわけにはいかない。まず、ダイアモンドとサファイアの違いを光学的に見ると、光の分散率 ダイアモンド 0.044 サファイア 0.018光のスペクトル(7色)の反射する方向は、その色によってそれぞれ違う。ダイアモンドはその分散する率が高い為、ブリリアントカットにすると、輝き(ファイアー)が強くでる。それに比べて、サファイアは分散率が低いので、ファイアーのような輝きを求めることはできない光の臨界角度(光の屈折と反射の角度) ダイアモンド 24.5度 サファイア 34.5度それぞれの宝石には臨界角度が決まっていて、その角度の範囲以上でパビリオンの角度をカット(研摩)すると、入って来た光が宝石の中を突き抜けることなく、クラウンの方へ反射(戻る)する。これが輝きとなって私たちの目に届く。では、どういったプロポーションがサファイアにいいのか?ここ数日、カットのことでいろいろな資料を読んだのだが、中でも Ruby&Sapphire、にサファイアのカットについて詳細に書かれていた。それによると、カットした宝石を横から見た場合、(下の図を参考に) クラウンの角度 34度 パビリオの角度 41度ブリリアントカットではなく、ミックスカット(クラウン部分がブリリアントカットで、 パビリオン部分はステップカット)が望ましい。ミックスカットの方が、ブリリアントカットよりもカラット(重さ)を保つことができる。そして、この本を読み進めていくと、Native Cut(ネイティブ・カット)についての説明があった・・・・・・はて、ネイティブ・カット???・・・・初めて聞くぞ・・・?そして、それは別名を、Poorly Cut・・・つまり「お粗末なカット」ミャンマー、インド、スリランカなどで、昔からカットされてきた方法をそう呼ぶらしい。研摩師の技術や研摩する機械のレベルによることも大きい。思うに、日本やドイツなど先進国では研摩師という職業はひとつのステイタスであるが、ここスリランカでは、肉体労働のひとつに過ぎない。今、依頼をしている研摩工場も若い男の子や女の子が黙々と作業している。素晴らしいカットを追及しようなどという発想はないだろうし、そんなことを彼らに求められない。安い賃金でその日の仕事のノルマをこなすだけだ。私の知っている研摩師の彼女も、妊娠して時々調子が悪い時もあるが、その日仕事をしないと賃金がもらえない。研摩している仕事場の環境はけっしていいとはいえない。「マスクをしたら?」と言って、日本から持ってきたのを渡しても「暑いからいらない」。そうだろうな・・・見学しているだけの私でも暑いもの・・・みんな、それなりに一生懸命に頑張っているんだよな~スリランカの宝石業者は、なるべく色の深みとカラットを多く残すカットを希望している。だから研摩する彼らは、それに黙々と従うだけだ・・・(すべてのスリランカの研摩が悪いわけではありません。業者によってはカット後の徹底検査を行ったり、きちんと管理されています。)テキストに書かれていることは、科学的に正論だと思う。サファイアは内包物や色帯、クラックなどひとつひつつの原石の形状によって、どれが一番良い方法なのか?を考えなければならない。色と輝きを追うなら、カラットを諦めるしかないのかな・・・(まだ私の中では回答は出ていませんが・・・まだまだ考え中)↓サファイアの理想のプロポーション(左) 右側は浅すぎて、光の反射が弱まる
2008.05.29
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どんなにレベルの高い原石もカット(研磨)が上手でなければ、色や輝きのグレードが下がってしまう・・・。スマーリーさんが研磨の魅力に書いた記事へGO!宝石の輝きを科学的に説明すれば、宝石の表面で反射して、目に入射した光と宝石に一度入射し、石の内部で反射して、石から射出され目に入射した光これらの光が完璧に合わさって、輝きが強くなる!その為に計算されたカットが必要で、ダイアモンドで言えば、ブリリアントカットダイアモンドの輝きを最大限に生かすことができる・・・では、サファイアの場合はどうか?と言うと・・・まず、サファイアは多色性で、方向によって色の強みが違う。スリランカ産は大体、青と緑っぽい薄い青・・・だから、緑っぽい青をテーブル方向に持ってくると青味が薄くなる。また、サファイアの特徴で、カラーバンドという、部分的に青が帯状になっている場合があるのだが、それをうまく活用しなければ、色が薄くなったり濃すぎたり、まだらに見えたりダイアモンドのような単色の宝石のようにはいかない。宝石の値段はその大きさ(重さ)によるので、カットをする場合は、なるべく量を取ろうとして、いびつな形になるものも多い。研磨工場のマネージャーさんにも、どうにか、プロポーションのよいカットをしてほしいと依頼するのだが、マネージャーさんいわく(←この道30年以上!)ダイアのような完璧なプロポーションを目指すと、スリランカのサファイアの場合、輝きは出ても色が薄くなってしまう。きれいな青の色出すことを第一に考えた方がいい。あなたのサファイアは小さくて、中には平べったいものもあるので、色を考えたカット(スリランカ式のカット)で半分の大きさになる。もし、プロポーションを第一に考えたら、原石の25%になってしまうよ・・あ~!悩んでしまう!!!せっかく手に入れた、非加熱サファイアの原石私にとっては自分の子供のような存在なので、どうにか、その魅力を生かせる宝石になってほしい~!!!色をとるか、輝きをとるか???(まだまだ勉強しないとね←専門家の人がいたら教えて下さい。)宝石デビューを待つ原石・・・あ~、このままでもかわいい!!
2008.05.26
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英国王室の王冠「黒太子のルビー」が、実はルビーではなくスピネルだった・・・という話は有名ですが、カット研磨した後の赤いスピネルとルビー青いスピネルとブルーサファイアは本当に見分けるのは難かしい。結晶系を考えると、スピネルは等軸晶系なので、どの方向から見ても色は一色しか見えない。(↑確かめるには二色鏡が必要)もしくは、偏光器で調べると光を通過させない。ルビー、サファイアは、三方晶系で、多色性を持つため、二色鏡を使えば必ず2色に分かれる。偏光器でも90度ごとに光の通過が確認できる。では、もし、鉱山の真っ只中で、スピネル、ルビー、サファイアの原石が混ざって発見され、手元に何の鑑別道具がなかったら???ここで、宝石学を学んだ人なら、「原石なので、その場合は結晶の形でわかる」というだろう・・・先ほどにも書いた、スピネルの等軸晶系の形は八面体のどの方向も等しい長さルビー、サファイアは六角柱状で、見た目で確かに違いがわかるが、が、が、そんな結晶が無傷で発掘される可能性は低いスリランカは漂砂鉱床で、ほとんどは丸い小石のような状態・・・・でも、これも訓練が必要なのだが、(ちょっと偉そうにいってますね、えへ)何度も、何度も、多くの原石を見て触っていくと、その違いがわかり、あっという間に、スピネルとルビー、サファイアの原石を見分けることができるように、私も(最近)なった~!!!!前回のブログのサファイアの写真と比べて下さい。下のスピネルの写真は、見た目も手触りも、もっとスムーズな感じです。スピネルの原石(かわいくて、おいしそうな感じ~!)
2008.05.17
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サファイアとルビーは同じコランダムという鉱物つまり言い換えれば、赤いコランダム→ルビーそれ以外の色のコランダム→サファイアコランダムの中でも、赤になるのはかなりの神業のようなもので、それは、ほんの少しの酸化クロムが存在するかどうか・・・一般的にサファイアといって、イメージされる青は、鉄とチタンの力(電荷移動)なのだが、青の秘密イエローサファイアは、酸素と鉄の移動による力だ・・・・天然のイエローサファイアの黄色は控えめで、品がある。先日出会った、非加熱サファイアの原石・・・赤色(カットしたらピンクサファイア)はやはり小粒が多いが、黄色は割りと大きなカラットになりそう・・・同じ場所から生まれて、この色の違い・・・ ・・・・・・・・・・自然の力って偉大だわ!!!!
2008.05.14
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先日のスピネル50石が入ったロット、ターフェアイトは見つからなかったけど、キラキラ輝いて美しい~!いくつか内包物のおもしろいのもあって、勉強にはもってこい!スピネルは、ルビーやサファイアに間違えられたり、どちらかと言うと、地味な感じにイメージされるが、何の処理もされず輝く姿は、はぁ、美しい~!!!!そして、そのロットを眺めていたら、あ!と気がついた。これは、無色のスピネルではないか!!!???スピネルはマグネシウムとアルミニウムの酸化物で、不純物(鉄や亜鉛など)が入り込んで、青に見えたり、赤や紫に見えたらりする。もし不純物を含まなければ、まったくのカラーレス!ホワイトスピネルと呼ばれ、それは、とてもとても希少な宝石!!!(ホワイトサファイアよりも希少)わぁお~!ホワイトスピネルを、ついに、見つけた~!!!!と、早速、宝石学の師匠、デリムニ先生に見せにいくと、う~ん、でもわずかに紫がかってないかな?ホワイトサファイアと認めるには、不純物が検出されないという証明が必要になるね。(↑高度な鑑別機器が必要)確かに、少し色・・・ついてるかな???
2008.03.22
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Once upon a time・・・・アイルランドにとても宝石が大好きな伯爵がいました。彼の名はターフェと言って、英国宝石学協会で宝石学も学んだ、かなりの宝石通で、もちろん伯爵だから、と~ても金持ち。おかかえの宝石商が足繁く彼のもとへ通っていました。ある日、彼は、そんな宝石商の標本箱の中から、あれ?と思う宝石を見つけました。これは、何?宝石商は、「これはスピネルですよ」ともっともらしい顔をして答ました。あれ?彼は不思議に思って、顕微鏡で中をよぉく覗きました。わずかにファセットが2重に見えます。スピネルは単屈折だから、ファセットが2重に見えることはありません。2重に見えることは、これは複屈折の宝石だからです。つまりスピネルではなく別の何か・・・彼は、早速それをロンドンの鑑別機関に送りました。その結果、それは、これまで発見されたことがない新種の宝石であることが判明しました!!!そして、その宝石をターフェ伯爵の名前からとって、ターフェアイトと正式につけられました。しかし宝石商が間違えたのは無理がありません。スピネルとターフェアイトは化学組成も比重もとても似ています。高度も同じ8です。ターフェアイトはとても産出量が少なく、スリランカでも希少石として扱われています。だから、値段もターフェアイトの方が、めちゃくちゃ高い!!!!!!!(スピネルも最近値段が上がってますが)そんな、希少なターフェアイトよりももっと希少で、しかもターフェアイトと間違えられていた宝石が新しく発見されました・・・それは、マスグラバイト値段もマスグラバイトの方がめちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ!!!に高い!!!!さて、そんな高価なターフェアイトやマスグラバイトが、もしかしたら、スピネルの中に混ざってるかもしれないと思い、(だって、この国はトパーズとアクアマリン、トルマリンとガーネットが混ざっている場合がありますからね。)先日、薄い紫や藤色をしたスピネルのロット(約50石)を購入し、全部、屈折計で、ひとつ、ひとつ調べた・・・(偏光器ではわかりにくい為)そんな気の遠くなる作業を欲にかられて、いえ、勉強の為・・・・その結果は・・・・・・すべてスピネルでした~!!!!!!!!(勉強の為に投資したと思っております)
2008.03.19
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宝石の旅~10~ シンハライトを探せ今、冷静になって考えれば、やっぱりあれはおかしい・・・と言うのは、ラトゥナプラの路上の宝石市場で、多くの売り手に囲まれた時、私が、シンハライト(スリランカの言語のひとつシンハラから由来する)を探してるんだ・・・と言ったら、そこにいた、おじさんが、あ、俺、持ってるよとひとつの原石をポケットから出した。シンハライトは希少性の高い宝石で、輝きもいいのだが、原石なので、ホンマにこれがシンハライトか?と思ったけど、値段が最初の言い値よりどんどん下がってきたので、それを買った・・・今、思えば、そんな希少性の高いシンハライトをその場で出てくるのも不自然だし、そんな希少性の高いシンハライトががんがん安くなっていくのも不自然でも、ま、何事も勉強と思い、買った。(←あきらめのつく値段)で、早速、一部を研磨して、屈折率をしらべたら・・・それは、確かに、シンハライトの数値!!やった~、ついにシンハライトの原石を手に入れたぞ~!!!と、思って、ちょっと得意になって、デリムニ先生(宝石学の師匠)に見せたら、あれ?これは本当にシンハライトかな?え?また、違うんですか????屈折率の数値に差はどうなってる?へ?そういえば、30以下ですね・・・シンハライトだったら、もっと数値の差が大きいはずだよ。確かに・・・急いで、テキストを確認したら、シンハライトの上の項目にダイオプサイドの数値があり、その屈折率は互いにほぼ同じ・・・もしかして、これは、ダイオプサイドなのでしょうか?比重の数値をテキストで調べてごらん。シンハライトは3.47から3.50ダイオプサイドは3.26から3.32つまり、シンハライトの方が重いですね。では、沃化エチレンに入れてみよう。沃化エチレンは比重が3.32なので、その中に原石を入れると、シンハライトはそれより重いので沈み、ダイオプサイドはそれより軽いので浮くそして、結果はこの通り・・・浮かんだ・・・あ~、これはまちがいなくダイオプサイドだ~!!!!!!
2008.03.13
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アクアマリンはエメラルドと同じ鉱物ベリルに属する。ベリルの中で、青いものがアクアマリン、ピンクはモルガナイト、黄色をヘリオドールと呼ぶ。で、緑はエメラルドと呼ぶのかとなると、そうではなく、不純物としてクロムが入って緑色になっているものをエメラルド、クロムが入ってないけど緑ぽいものは、グリーンベリルとなる。さらに、付け加えれば、淡い感じの緑ぽい青いものは、緑がかったアクアマリンとここスリランカでは呼ばれている。とにかく、アクアマリンと名がつくと値段は普通のベリルよりも高くなるから・・・か?個人的には、この淡い緑のアクアマリンは好きだけど・・・さて、この青の仕組みはどうなっているのか?ここでも、鉄の力が大きい!鉄イオンのエネルギーの違いで、光の吸収帯が異なるため色が変わってくる。ニ価の鉄イオン→黄色~緑色三価の鉄イオン→青もちろん、ブルーサファイアの青のようにここでも、電荷移動が起こってます。エメラルドはともかく、あまり、店頭で、黄色やピンク、緑のベリルを見かけないのは、それらの多くは、加熱され、その結果結果、アクアマリンに変身してるからなのです~!!スリランカ産のアクアマリンは、あまり濃い青とはいえないけど、本当に海の水のような輝きのある宝石で、加熱しても色が濃くならない為、何の処理もされてない。(注意:加熱するのは青の濃さを出すではなく、緑ぽさを飛ばして、もともとの青の強みを出させるというもの)
2008.02.14
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以前にも書いたかもしれないけど、ブルーサファイアの青は、鉄とチタンの電荷移動で起こるサファイアに光があたると二価の鉄と四価のチタンは、鉄からチタンへ電子が移動して、共に三価になる。そして、それはそれは早いスピードで、鉄は二価になったり三価になったり、チタンは四価になったり三価になったり、を繰り返して、そして、その時、光の低い周波数帯域(赤から黄色)のエネルギーが吸収され、残った、高い周波数帯域(青、紫)が残って、それが目に見えるだから、青いのですね。(↑これを書くのに、過去のテキストを再確認しちゃった、えへ。)私は、根拠のないパワーストーンの説明には疑問をもつこともあるのだけど、もしもブルーサファイアの青にパワーがあるとすれば、この鉄とチタンが光を浴びることで、電荷移動をする、この説明で、ブルーサファイアには力があるのでは?と、思ったりもしている。鉄とチタンががんばってる感じのイメージ(↑どんなんだ?)さて、去年から、青色が美しく、それでいて、値段の安いサファイアを見かけるようになった。疑問に思った点は、顕微鏡で覗くと、かなりクラック(キズのようなもの)が多い。通常、そんなにクラックがあると肉眼で見ても綺麗な宝石には見えないものだが、それが、ちゃんとした青いサファイアなんですよ・・・ね・・???拡散処理(表面に色をつけるやり方)かな~?と思っても、それとも違う感じ・・・。なんだろ?なんだろ?なんだろ?なんだろ?と、思っていたら、最近の全国宝石学協会(日本)の報告で、この件がとりあげられていた。それによると、低品質のサファイアを、粉末コバルト金属か酸化コバルトを混ぜ合わせた鉛ガラスと共に加熱すると、このクラックの部分に青色に着色された鉛ガラスが入り込み、そして、あの、美しいブルーサファイアになるそうか~、そうか~、そうか~、そうか~、全国宝石学協会さん、ありがと~!!!詳細は全国宝石学協会のHPへGO!いかに、美しいブルーサファイアを作り出すかといった、加熱業者と、どういった処理がされたサファイアであるかを見極める鑑別する側両者は対極にあるものではなく、情報を分かち合うことが出来、スムーズに市場に開示されれば、不必要な疑いを持つこともないと思う。注意:通常の過熱処理されたサファイアは問題ありません。この着色されたサファイアも、人間の化学への挑戦といった見方をすれば、すばらしい出来上がりかもしれない。ただ、宝石を買う側として、なるべく、人間の手を加えられてないものを求める人がいるのであれが、注意が必要であり、売る側のお店としても、説明する必要があるのではないでしょうか。
2008.01.26
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これから、みなさまを壮大な宇宙の旅へご招待いたします。青い美しい宇宙の世界をご堪能下さい!!非加熱サファイアのインクルージョンの美しい世界
2007.12.12
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前回、パパラチア・サファイアについて書いた。あの気品に満ちた美しい色・・・ある文献によれば、スリランカの蓮の花と夕焼けが結婚した色という・・・・・・・・・・・・まぁ、・・・・なんて、・・・・ロマンチック・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃ、ないですか!!!そんな、ピンクともオレンジとも、どちらとも言えない不可思議なサファイアを求めて、コロンボのいろんな宝石店に行ったり、電話で問い合わせたり・・・ パパラチアサファイアって、ございます~? ありますとも!並べられたサファイアは、1・ピンクサファイア2・オレンジサファイア3・ブラウンが強すぎ!!サファイア4・同じ石にオレンジとピンクの色帯が離れているサファイアそして、そして、あ~、これが!っていうような5・パパラチアサファイアホント、蓮の花と夕焼けが恋したような感じですこと!お値段も他のサファイアに比べて、ぐ~んと高い・・・・・・・・・・・・・・・が、・・・・・・・・・・・・・待てよ・・・・・・・・・・これって、加熱処理されていますよね?ここで、大体のちゃんとした宝石店は、最近、非加熱のパパラチアは手に入らないということをちゃんと説明してくれるのだが、(←質問すればだよ)中には(結構大手の宝石店でも)いや、これは、もちろん、非加熱ですよ。と、真面目な顔で言う。で、10倍ルーペで見るのだが、カラーバンドも見えないし、内包物もはっきりしない・・・別に加熱パパラチアでもいいのだが、手に入りにくいとわかると・・・非加熱パパラチアというものを見てみたい!(←買えないけど)そこで、ベルワラのディラーに連絡をしてみると、あ、今、持ってるよ!月曜日にコロンボに行くから持って行ってあげますよ~。という、頼もしい返事・・・・・・・でも、この時点で私は、絶対!嘘言ってるわ!・・・・・と感じとってしまった・・・。(↑本人は嘘つく気がなくても相手を残念がらさない為に、 その場限りの返事をする・・ことが、多くないか?スリランカ人?)で、月曜日待ってたら、電話も何もない・・・。こちらが電話して、時間の確認をすると、あ、今日はね天気が悪いから、コロンボには行けないな~(↑あんたね~、雨が降ったのは早朝だけでしょ!)→コロンボは晴れてますよ!パパラチアに限らず、非加熱のサファイアが発見されると、すぐにディラーが飛んできて、買いつけ、あっと言う間に、海外に行ってしまうそうだ。だから、採掘現場で、はっていない限り、非加熱パパラチアを手にいれるのは無理。(↑刑事のはりこみ以上に忍耐がいるぞ!)ディラーも海外の大手企業と組んでるから、それを私に売ってくれる可能性は・・・・ゼロに近い・・・。なんてことを考えていたら、あ~、小さくてもいいから自分のコレクション用にほしい!と思うようになってきた・・・。でも、これって、ないものねだりだよな~
2007.05.30
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パパラチア・・・・と呼ばれるサファイアがある。スリランカでしか産出されないといわれてる宝石で、名前もシンハラ語(スリランカの言語のひとつ)から命名されている。その意味は 蓮の花あ~、仏教国にふさわしく、何て、気品にみちた名前なんでしょ~!!ピンクとオレンジの中間のような色合いで、これは、クロムの含有量がルビーに比べて少なく、その配列もかなり不規則になってるから(←ちょっと専門的!)あ~、クロムが多かったらルビーになれたのにね~!!何とも控えめな、自己主張の少ないサファイアである(↑と勝手に私が思ってる・・・だけ)しかし希少性が高いため、別名、「キング・オブ・サファイア」その値段も王様級!!だ・か・ら、スリランカに来たら、ぜひパパラチアを買いたいわ~と言う人(一般庶民)も多い・・・・・・・・・・・・・・・・・が、天然の無処理のパパラチアは、あまり、コロンボの店でも見かけない。もちろん、パパラチアもどきは・・・たくさんある。ある時、知り合いのアメリカ人から、パパラチアをついに買ったのよ~!!と見せてもらったことがある。見ると、それは、はっきり言って、 オレンジサファイアだった・・・・・・・・・・・・・・・・・でも彼女は私に鑑別の依頼をしてるわけでもないし、おそらく、ま~!ステキ!! ってなほめ言葉を求めてるので、とりあえず、ま~!大きなサイズね~!と言っておいた・・・・が・・・ストレスが残った・・・。こういった場面ではどうしたらいいのか?と他のジェムモロジストに聞いたら、みんながみんな、 絶対に、それはパパラチアではない!とは言わない。鑑別依頼がない限り、それが例え、サファイアでなく、ガラスだとしても黙っておく。そうだ。おおおおおお~!ストレスがたまるな~!!!(おばさん年齢になったから、おせっかい度も高くなってるのよ~私)さて、そんなパパラチア、スリランカでのみ産出と書いたが、今では、バンコクあたりで、ベリリウム拡散処理されたパパラチアが大放出されてるちなみに、サファイアの加熱処理は合法だが、このベリリウムを使った処理は、非合法である。でも、別に取り締まりがあるわけではないので、市場では、当然のようにサファイア、もしくは、パパラチアサファイアとして売られている。2005年の英国宝石学協会の会報誌(Vol.29 No.7/8)によると、無処理(つまり自然の色)のパパラチアは、様々な色のカラー・ゾーニングが確認できるが、ベリリウム拡散されたものは、カラー・バンドなどが薄い。あと、なんたらかんたら・・・説明が・・・。ふ~む、まだまだ、修行が必要でございますわ!
2007.05.22
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過去の試験問題(FGAディプロマ)にこんなのがあった・・・「カボションにカットされたブラックスター・ダイオプサイドとブラックスター・サファイアの簡単な見分け方の説明。」ダイオプサイドと言えば、和名は透輝石と呼ばれ、クロムを多く含む、透明なグリーンは、まるで、エメラルドのよう・・・ただ、硬度は5.5で、割れやすい性質がある。スター効果のある、ブラック・ダイオプサイドは、1964年、南インドで発見された。ブラックスター・サファイアとの違いは、知識さえあれば、素人でも、区別がつく・・・それは、サファイアは星が6条だが、ダイオプサイドは4条つまり、サファイアはヘマタイトという内包物が、120度の角度で3本交差しているのだが、ダイオプサイドは、マグネタイトという内包物が、75度と105度で2本交差してる。今日、デリムニ先生が、おもしろいものを見せてあげようと、ブラックスターダイオプサイドのカボションのルースをひっくり返した・・・そこに磁石を近寄せると・・・・・・・・・・・あれあれ・・・・・・・・・あれ、不思議~・・・・・・・・・・石が、くるくると・・・まわり始めた~!内包物のマグネタイトには磁性があるので、磁石に反応するのだ・・・おもしろい!!!そして、「ご主人と娘さんに見せてあげるといいよ」と石と磁石を貸してくれた。早速、帰って、そのマジックを披露すると、トリビアの泉並みに、へぇ~と感心・・・これも、子供たちのお土産にいいかもね
2006.10.14
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昨日、学校から娘をピックして帰ってきたら・・・マダムKのドライバーさんが、何か、オイルが漏れてるようだよ~と教えてくれた。確かに、ポタポタと滴ってる。早速、レンタル会社に電話して、代替の車を持って来てもらったが・・・(↑この会社は機敏なので、助かる~。日本だと当たり前だが)マニュアル車・・・・それも結構な大きさ・・・・あの、クレイジーな道路をマニュアルで走る勇気も技量もないので、夕方のの歌のレッスンは、スリーウイー(三輪バイク)で行くことにした。いつもなら送って行って、そのまま家に帰るのだが、また出直すのも面倒なので、レッスンしてるとこの向かいにある宝石店へ、スタールビーを見に~(←値段チェック)ウインドーの中に、美しいスリランカ産のスタールビーが・・・本当に桜のようにピンクがかってて、透明度が高い~値段もやはり高かったが、美しい~で、あのインドで買った、スタールビーと似たものの値段を聞くと↓↓↓↓スリランカで買った方が安いじゃん(←少しの差だけど)ふん!と思ったけど、宝石に罪はない・・・ジャイプールで買ったスタールビーも縁あって私の手元に来たのだから・・・・とわりきる前向きに思ってる~
2006.09.01
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8月の誕生石、ぺリドット。オリーブ(きみどり)色した、とても親しみやすい宝石だ。イブニング・エメラルドと呼ばれるが、エメラルでではない。値段も、とてもお手頃価格。だから、気軽につけるジュエリーとしては、お薦め!!この石は、石に入った光の、ふたつの屈折率の差がとても大きいので、輝きが~美しい。例えば、夜のパーティの会場などでつけると、キラキラして、つけてる自分も見てる他人も楽しくなる(←と思う)だから、大きめの指輪が絶対いい!では、どのぺリドットにしようかしら?とお店でずらっと並べられたぺリドットを見ても、色はみんな一緒・・・ニセモノ?と疑いたくなるが、ぺリドットは、鉄(Fe)が、主成分として入っていて、みどり自体がぺリドットなのである。だから、どの色も同じ・・・--------------------------------------今日から、1週間、インドへ行って来ます。世界の宝石があつまるジャイプールへ・・・
2006.08.16
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「理科の授業で石の勉強するから、石を何個か持って行かないといけないの~」(←7歳の娘)日本であれば、「じゃあ、道端か河原で拾っておいで~」と言うとこだが、ここはスリランカ・・・宝石学を学んでいる私の娘として、ただの石を持っていかせるわけにはいかない・・・(↑アホなプライドですね~)「では、宝石店に行って、原石をもらって来ましょう!」(↑子供の授業の為に宝石を買うほどアホではない)早速、インターンをさせてもらってるセナさんとこへ~店の片隅に原石がごろごろ置いてある中から、娘は、ムーンストーン、クオーツ、ガーネット、トパーズ、スピネル、を選び、喜んでお家に持って帰った。そして理科の授業の日、「みんなの反応はどうだった?」と聞くと、「う~ん、別になにもなかった。」(←反応薄)やっぱり、スリランカ。宝石の原石がごろごろ道端に落ちてるもんな~(←大嘘)じゃなくて、原石って、ホント、ただの石と変わらないから、子供から見れば、珍しく感じられないのかもしれない。アイオライトという宝石は、青みがかった紫で、品のいい宝石だと思うのだけど、どうも宝石にされたもの(←クオリティが高い)と原石(宝石のレベルではない)とでは、私にとっては原石の方が魅力ある石に感じられる。それは、pleochroism(多色性)と言って、原石を光に透かせて見ると、90度の角度で濃い紫が薄い茶色に変わる・・・それは、子供の頃に万華鏡を覗くような感じで、くるくる回していて、とても楽しませてくれる・・・バイキングが航海の時に羅針盤として活用していたという美しく、不思議な石なのである。先日、そのpleochroismを勉強する時、アイオライトの原石を「うひょ~、わぁぁぁぁお~」と覗きこんでいたら、デリムニ先生が、「それほど好きなら」とひとつ下さった。きっと研磨しても、一流の宝石にはならないだろけど、頂いたアイオライトの原石は私の宝物になったよ~
2006.04.26
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石の上に3本の線が交差して、まるで星のような光をはなつ・・・それを、アステリズム(星彩効果)と呼ぶ。とても不思議な現象だと思う。有名なのは、スタールビーとスターサファイアどうして、こんなことが起きるのか?コランダムには細かい結晶が細く入っていて、それが線のように120度で交差している。その部分をカボション(丸く山のように)カットしたら、光が入った時、結晶が60度の角度で交わって星のような光の帯が現れるのである。何がすごいって、これは、外の光が反射してるのではなくて、光を石の中に取り込み、それを、3本の線で中から光が放っている!!!まさに、石のパワーの放出ですね・・・いつか手に入れたいと思うけど、あまり若いうちに持つと、パワー負けしますね。すてきに年を重ねて、それが似合う女性になりたいですね~
2005.12.27
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石の上に一条の光の帯が現れることを、シャトヤンシー効果という。一番有名なのは、キャッツアイ「あ~、どっかで聞いたことがある~」と多くの友人が言うけど、それは漫画や杏里の歌だ。本物の宝石のキャッツアイを見たことがある人は少ない。「タイのお土産でもらったわ」と言う友人もいたが、それは、タイガースアイで、木目っぽい感じの石。お土産価格だから、宝石といった感じではない・・・宝石ではキャッツアイと言えば、クリソベリル・キャッツアイを指す。猫の目のような感じが、魔よけになる とか金銭運がアップ とか 言われていて人気が高い。最高級はハニーカラー、本当に瓶に入ったはちみつのよう・・・値段も高い!同じクリソベリル家のメンバーに、アレキサンドライトがある。これまた、とても高級な宝石だ。なんたって、光線によって2色に変わるのだから!昼は緑色ぽく、蛍光灯の下では暗赤色になる・・・(←多色性)さて、このシャトヤンシー効果と多色性を同時に持ったクリソベリルはアレキサンドライト・キャッツアイと呼ばれ、これを手に入れるのは、とても困難である。きっと、普通の市場では現れないんだろうな~。
2005.12.18
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ベリルという鉱物がある。その中でも有名なのがエメラルドコロンビアなどで産出されるが、希少性が高く、値段も高い。ベリル家の気高い長女といった感じかな?でも彼女は気高く、横からの衝撃に弱く、硬度が高い割りにひび割れがいきやすい。(それでも宝石の女王!)では、その次女はどうだろう?次女って誰???↓↓↓↓↓それは、アクアマリン最上級はサンタマリア(←可憐な名前!)と呼ばれ、ブラジルのサンタマリア鉱山から由来する。とても美しい清楚なブルーをしている。おまけに長女より強く、長女より安い。(宝石としては高い)スリランカ産のアクアマリンは青の色が薄い。市場的な評価は下がるが、白い遠浅の砂浜でたわむれる海の水のようで、光を受けた時の輝きが、泡になった人魚姫の物語を思い出させる。さて、ベリル家の他のメンバーも紹介しよう。うすいピンク・・・モルガナイト(Morganite)きいろ・・・・・・ヘリオドール(Heliodor)無色・・・・・・・ゴシュナイト(Goshenite)あか・・・・・・・ビクスバイト(Bixbite)みどり・・・・・・グリーンベリル(Green Beryl)航海の時のお守りとして、ヨーロッパでは古くから愛されていたアクアマリンひとつは持っておきたいなぁ・・・
2005.12.10
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ブルーサファイアはコランダムという鉱物名である。サファイアには青以外の色があって、ピンク、イエロー、オレンジ、ホワイト ・・・中でも、ピンクとオレンジの間にあるあわ~い色はパパラチアと呼ばれ、スリランカでのみ産出される。パパラチアとはシンハラ語(スリランカの言葉)で、「蓮の花」という、手を合わせたくなるようなありがたい意味。おまけに希少性が高く、値段がとても高い。買うときに注意が必要なのは、それが本当のパパラチアなのか?ということ。色が微妙なので、オレンジのもの、もしくはピンクのサファイアをパパラチアと呼んで販売しているケースもあるから。パパラチアと名がつくだけで、他のサファイアよりとても高い。買うときには鑑別が必要である。さて、コランダムの中でサファイアと呼ばれない、高価な宝石がある。それは何でしょう?↓↓↓↓答え:ルビー良質なものはとても希少性が高く財産になる。コランダムの中で酸化クロムが2%弱含まれたことで、あの赤いルビーが生まれるのである。そんな化学反応が地味な地中の中で行われてるなんて・・・地球ってすごいですね~最高級のルビーはピジョンブラッド(鳩の血)と呼ばれミャンマーで産出される。スリランカはそんな血のような赤ではないけど、チェリーピンクと呼ばれとてもかわいらしく女性的なルビーである。
2005.12.05
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