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げじねこ

げじねこ

July 2, 2005
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カテゴリ: 舞台&役者
『近代能楽集』 愛知県勤労会館 13時開演 18列21番

 原作:三島由紀夫   演出:蜷川幸雄

 出演: 「卒塔婆小町」壌晴彦 高橋洋 他

     「弱法師」 藤原達也 夏木マリ 嵯川哲朗 鷲尾真知子他 




   ※ネタバレありです。未見のかたご注意下さいませ※


実は、本当は明日の舞台を観るはずだった。
4列目上手。めいっぱいめかし込んで(笑)行くはずだった。
どうしてもはずせない用ができて泣く泣くチケ譲渡。

しかし、そうなると余計に見たい気持ちが募るのが私だ(笑)。
とはいえ自営なので自由が利きそうで実態は結構行動がしばられる。
しかし、舞台が私を呼んでいる(え)。
藤原君が私を待っている(ちがう)。
なんとか時間をやりくりしまして行って来ましたよ当日券で。
駅から汗だくになりながら走る走る。
劇場へ着いたのが開演2分前。
当日券売り場へ直行。
「ありますか?」
3枚残っていた!しかも横真ん中通路から2列目センターブロック。
めちゃめちゃ観やすいお席でしたー。

何より私のまん前で舞台が展開されるんですもの、充分です!

つづく(おい)。



ただいま。



最初は「卒塔婆小町」。
オトコマエと評判の高橋さんは、本当にステキだった。

壌さんの小町がいきなり下手通路に現れてびっくり。上手通路が高橋さん。
ベンチに座るカップルが5組。
いちゃいちゃしてる(笑)。
見てると結構胸とかさわさわしてて・・・ええーーーだった。
休憩時間にパンフ買ってさらにえええええーーーーー!
全員男性だった。女装していたのか。全く気が付かなかった私っていったい・・・。
いやね、けっこう背が高いし、ガタイのいいおばさんもいるなーとか思ったりもしたんだけれど、まさかねぇ。事前情報と先入観が全く無かったのでそのままたのしんだけれど。
でも、なんかくやしい(笑)。
さて。
99歳の小町役の壌さん、最初は本当に小汚く見えて。
なのに本当にだんだんキレイでかわいさもある女性に見えてきた。
ダミ声が艶のあるイキイキとした声に、
そして身のこなしもかがんだ老婆から背筋がシャンと伸びた粋な女性になる。
鹿鳴館で踊るダンスがとても軽やかで目を奪われる。
なんなんだろうこの人。
心奪われ、口にすれば死んでしまうというのに『あなたは美しい』と言わずにいられない。
この禁制のコトバが説得力を持って語られる。

不思議な舞台だった。
最初耳障りだった椿の花がいくつもいくつも落下する音が、いつのまにか印象的なBGMに。
舞台一面に散った真っ赤な花は、小町が流す涙なのか。
はたまた死なせてしまった男たちのタマシイか。




「弱法師」
舞台上に2組の両親と家庭裁判所の調停員。
戦争時、空襲で火事になり、親とはぐれ盲目になった子供をひきとり今も育てる両親と、生みの親。
そこへ親権を争うもとのコドモ、といっても20歳が客席から登場。
このときも舞台に目を奪われていて、ちょうど私が座った席側の通路をゆっくり歩いていたのだが、気が付いたときはすでに真横で表情みえず。
しかし、そこから1mない場所で立ち止まる。
真っ白なスーツが目にまぶしい。
華奢で、でも思ったよりずっと、スラリと背が高い藤原君がそこにいた。
この時点ではまだ俊徳としては見れない私。
普通にミーハーにラッキー!と喜んでました。
その気持ちに冷や水あびせかけたのが、舞台に上がって発した第一声。
それは今まできいたことのない声だった。
一瞬にしてトリハダが立つその声はしかし、私には『イヤ!』だった。
正確には声というより、その話し方に生理的嫌悪感を持ったのだ。
背中がゾゾゾ・・・なのだ。
なんだよこのコ。
なのに目が離せない。
好きな話し方じゃない。声だって。
なのに、時に低くささやき、時にあざ笑い、
時に花のようにあでやかに笑う。
周りのオトナたちを翻弄する。

そして語られる終末の世界。
確かにそこには業火に焼かれる阿鼻叫喚の世界があった。
逃げ惑う人々がいた。
そんな世界を全身で、叫ぶように体現して見せた。
ちょうど真正面だった。
見えないはずの彼の視線が私に突き刺さる。
逃げ場のない片隅に追いやられてしまう。
あの細い華奢なカラダで、しかし、そのとき彼は劇場全体を完全に支配していた。



何者なんだ藤原竜也。
こんなにすごい役者だったのか。
聞いてはいた。
TV放送された舞台も観た。
けれど、生の舞台のいったいどれだけを彼はTVで伝えていたのだろう。
アタマをぐわしとつかまれ、前後左右にブンブン揺さぶられたような衝撃。
観終えた私は脳みそが沸騰したようだった。
やたら気持ちが熱い。
血まで沸き立つようだ。



最後のセリフ。
あれはすごかった。正にそのとおり。
あえてそのコトバはここでは語るまい。
いつか、劇場で、自分の耳と目で、全身で感じて欲しいから。

【天使の顔をした悪魔】

私が思い浮かべたのはこんな言葉。
どっかの雑誌の対談で読んだときはただただ笑えたけれど、
もう、私は笑えなくなった。




5年前の舞台を観たかった。
けれど、この感情と感動は今しかない。
この舞台、無理して出かけてよかったよ。
今、出会えてよかったよ。

そして、いつかまた会えますように。
とりあえず、秋の大阪「天宝十二年のシェイクスピア」。
本日の先行はあっさり玉砕←売り切れはやすぎー(泣)
いやしかし、一般はこれから。
絶対チケ取るぞ!!!





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最終更新日  July 30, 2005 01:53:11 PM
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